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『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』を読んで

『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』を読みました。

AmazonはじめとGAFAといった巨大プラットフォームの台頭。二次流通市場においてもメルカリといったプラットフォーマーが誕生。

シェアリングエコノミーの潮流は加速し、若年層はいよいよ買い物をしなくなるぞと言われておりますが。たしか2025年でしたか?

そんななか、本書で描かれるD2C(direct to customar)の戦略、それによって急速に成長するアメリカの企業の事例は非常におもしろく、そういやそうかと納得しました。

世界観とテクノロジーが合わさったブランド戦略があれば、プラットフォーマーに依存せず顧客の信頼を得ることができる。

もちろんテクノロジーの進みや文化、若年層の割合が今後も増えるアメリカと日本にはちがいがあるのだけど、参考になる要素も多々あるなあ。

*日本ではコンテンツ戦略の事例として「北欧、暮らしの道具店」が挙げられています。

おそらく、スケールしていなくても他にも素敵なD2Cブランドはあって。アンテナを張ろう。ローカルにもめちゃ可能性あるはず。

*日本では昨今、サブスクの興隆が伝えられています。D2Cブランドか旧来的なブランドかという軸で考えれば、都度課金でもサブスクでも売り方の手法はどちらでも良い。

どうしても「サブスク」という目線で切り取ってしまう自分がいました。

*アメリカのスーツケースを軸に販売する成長企業はプロダクトではなく、「旅のある生活」を売っている。

で、ブランドを体現するマガジンもつくっている。送り手の意図はよくわかる。

世界観を売る手段として、スーツケースのようなモノがあると有効ではないかなと。

これまではモノを売るために抽象化してコト・世界観を売ろうという流れがあるのだけど、そもそも世界観を売るにはモノが必要かも

コトのみを扱う企業で、あえてモノにトライしているとすれば、そういう戦略もあるかもしれない。

では最後にですね、旧来的・伝統的な既存のブランドがD2Cブランドへシフトするにはどうするべきか。NIKEはまさにそのシフトをうまく行っているようですが、マインドセットのところをクリップ。

マインドセットの改革

大手ブランドが自らのビジネスをD2C化するには、まず自分たちはメーカーではなく、テック企業でありメディア企業である(あるいは、そうならなくてはならない)と認識することが重要だ。
(中略)D2Cブランドを人格になぞらえると「カルチャー誌の編集者兼任エンジニア」とも言える。高度なデータ分析を行うと同時に、世界観を語るストーリーテラーでもある。

「カルチャー誌の編集者兼任エンジニア」という表現には膝を打ちました。世界観とテクノロジーを合わせる企業には、個としてはこういうスキルいやマインドセットが要るのだなあ。

横書きでカラーの図解・ビジュアル付き、わかりやすくスッと読めます。オススメです!

というわけで以上です!

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