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『チームのことだけ、考えた。――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか』(青野慶久)を読んで

『1兆ドルコーチ』をきっかけに、組織・マネジメントをまわりの本をいくつかまた読みたくなる。できれば柔らかいかんじのもの。ということで、サイボウズ本を選ぶ。

サイボウズのおもしろいところは、本書の著者・社長の青野さんを筆頭に、社員の方が他にも同テーマ(大枠)で本を出版されていることです。多角的に読めるという。

藤村さんの本『未来のチームの作り方』は読んでまして、そのなかにあった「100人100通りの働き方」などはちゃんと本書にも登場します。

で、本書の内容です。時系列にそったストーリーが読ませます。さらに要所で「おっ」とメモしたくなるエッセンスが!

第1章は青野さんがメンバーと起業し、成長するも挫折、社長の職を辞するほど落ち込んだが、松下幸之助の『真剣』という言葉で覚醒。第2章以降は理想探し・フレームワーク、働きやすい人事制度&その結果が紹介されます。

いくつかクリップします。

チームにまつまわる4要素

*チームには、「共通のビジョン」「チームの構成員」「役割分担」「仕事の連携」の4要素が必要なのだと学んだ。
*チームワークが良い状態とはどういう状態なのか。(略)良し悪しを決めるのは、「効果」「満足」「学習」の4要素

言葉をひとつひとつ丁寧に定義していく姿勢がここで見えてきます。会社のビジョンは「世界で一番使われるグループウェア・メーカーになる」なわけですが、「グループウェア」という言葉については再定義します。

ビジョンはかんたんに変えるものではない。ただし解釈は変えても良い。そういう認識をしていたので再定義は納得です。

コンセプトとは

*コンセプトとは「誰」に「何」と言わせたいか。
*コンセプトが明確に表現されていない場合は、たいてい思考不足である。裏付けとなる背景情報が少なかったり、ロジックに矛盾があったりする。

コンセプトとは直訳すると「概念、観念、発想、意図、テーマ」。それ自体をうまく使わないと独り歩きしてしまう系の言葉。コンセプトをどうとらえるかは人それぞれの解釈です。

その上で誰に何を言わせるか、ここに絞るのはシンプルでわかりやすい。「○○さんに××と言わせる企画です」。

風土とは

*風土とは、メンバーの価値観である。この組織において何を大事にするか、という判断基準である。
*制度と風土は車の両輪だ。両方とも変え続けなければ、前に進むことはない。
*経営者が本来取り組むべきテーマは、風土作りである。

制度はつくれるけれど、風土はむずかしい。でも、ごもっともです。取り組みの例としてサイボウズは制度のぶら下がりを防ぐために、必ず制度に対して目的を明らかにするそうです。

また、制度をつくる際にはそのプロセスをすべてオープンにし、納得感を出す。制度と目的、そして透明性。ヒントを活かしたくなる本です、

というわけで以上です!


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