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ふと顔を上げれば海がある。茨城で素敵なワーケーションしませんか? | LACひたちなか体験レポ

皆さんは日本一来場者数の多い海水浴場と聞いてどこを思い浮かべますか?私は神奈川県の湘南じゃないかと思ったら、案の定そのようでした。以下は2018年の全国海水浴場利用者数をまとめた表です。

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神奈川県の湘南エリアや和歌山県の白良浜など名高い海水浴場が上位に並んでいますが、かつてそれらを抑えて日本一の来場者数を誇っていた海があります。それが、茨城県にある「阿字ヶ浦(あじがうら)」なのです。

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今でこそ来場者数9.3万人の全国49位に甘んじていますが、1980年代前半はひと夏で300万人以上の人を集め、北関東の大動脈、国道50号線の渋滞はなんとお隣の栃木県まで伸びていたそうです。

ちなみに上の表にある藤沢市の片瀬・鵠沼両海岸合計の直近8年間の平均来場者数は約230万人なので、いかに全盛期の阿字ヶ浦の人気がとんでもないかがおわかりいただけると思います。
いやはや、阿字ヶ浦おそるべしですね。

しかし現在の阿字ヶ浦は、かつての栄光とは程遠い状態が続いていました。そんな阿字ヶ浦で近年、「イバフォルニアプロジェクト」なるものが進行していると耳にしました。さらに2021年2月に開業したLivingAnywhere Commonsひたちなか(以下、LACひたちなか)とも密接に関わっているというのです。

これは実際にこの目で確かめるしかないと思い立ち、気がついたら常磐線に乗り込んでひたちなか市へと向かっていました。
前置きが長くなりましたが、LACひたちなかについて一泊二日の体験で感じたことを織り交ぜながらご紹介させていただければと思います。

画像3▲目の前は海!

LACひたちなかとは

LACとは場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方を実践するコミュニティで、LACひたちなかはその拠点のひとつです。LACひたちなかは茨城県の県央地域ひたちなか市の東部、太平洋沿岸の阿字ヶ浦にあります。

自動車ではひたち海浜公園ICを降りて約5分。
電車ではひたちなか海浜鉄道湊線(湊線)に乗って約30分、終点の阿字ヶ浦駅から徒歩数分で行けます。
湊線は駅や車両から昭和の名残が感じられるローカル線なので旅行気分を演出してくれます。

画像4▲阿字ヶ浦駅

他の拠点と比べて珍しく、LACひたちなかは全部で4つの施設からなっています。

・イバフォルニア・ベース
・阿字ヶ浦クラブ本館
・阿字ヶ浦クラブ別館
・満州屋

そしてこれらの施設は、イバフォルニアプロジェクトとの連携拠点とも言えます。

イバフォルニアプロジェクトとは

イバフォルニアプロジェクトとは、

『100年先も豊かに暮らせる海(街)をつくる』
『阿字ヶ浦の海をカリフォルニアの海のように明るく自由で開放的な空間へ生まれ変わらせたい』
『夏だけのレジャースポットから脱却を図り、季節を問わず人の集う場所にしたい』

という思いを込めて2018年春に地元の有志の方々が立ち上げたプロジェクトです。

元気のなくなった阿字ヶ浦を再び活気ある海にすることを目指しています。具体的には、定期的にマーケットを開催することで人を呼び込んだり、コワーキングスペースやイベントスペースを設けてそれぞれの夢にチャレンジするような場を提供しています。この活動が「自分らしくを、もっと自由に」というLACのテーマと共鳴し、お互いに仲間を募っていくため連携しているというわけです。

それではまず、私の体験をお話する前にLACひたちなかの4つの拠点をご紹介いたします。

人と人が交わる場所、イバフォルニア・ベース

阿字ヶ浦海岸が目の前の好立地にあるコミュニティ&コワーキングスペースで文字通りイバフォルニアプロジェクト、LACひたちなかの根拠地です。

夏だけしか利用されていなかった海の家を借り受けDIYで整備しており、海が見えるカウンター席の他ミーティングルームや個室、こたつ席もありその日の気分やメンバーによって自由に作業ができるのが特徴です。

ここで仕事をすれば広い窓から望む雄大な大平洋と、心地いい潮騒が眠っている才能をひき出してくれるかもしれません。建物の真横は広々としたキャンプ場になっており、海や星空を眺めながらBBQを楽しむことも可能です。キッチンも備えてあるので中長期滞在の方にも優しい施設です。

画像5▲昭和レトロな海の家の雰囲気も素敵です

画像6▲水平線を望むワークスペース

暮らしは海と共に、阿字ヶ浦クラブ本館

こちらも目と鼻の先が海岸になっており”海まで徒歩0分”を体現した老舗旅館です。
LAC会員が利用できる宿泊施設ですが、マスターの趣味であるクラシックギターが存在感を放つロビーや海岸との境界が曖昧なテラスは作業場としても利用できます。東向き、オーシャンビューの部屋で目覚めれば水面にきらめく朝日を浴びて素晴らしい1日が幕を開けることでしょう。

また、多目的ホールがあって団体客の利用も多いらしく、学生時代の合宿が思い出される、どこか懐かしい旅館です。

画像7▲特徴的なフォントの可愛らしいロゴマーク

画像8▲大海原に思いを馳せほっと一息つきましょう

落ち着きたい時はここ、阿字ヶ浦クラブ別館

本館から小路を挟んで隣には別館があります。こちらは一軒家を開放した宿泊施設で、ひっそりと仕事や休息をとりたい方にオススメです。

ミーティングや食卓を囲めるような中規模コミュニティスペースがあるので、自宅のガレージでAppleを立ち上げたスティーブ・ジョブズや江戸の土佐藩中屋敷で剣の修行を行い攘夷思想を育んだ坂本龍馬のように、密かな計画を進行させるのに良いかもしれません。

画像9▲文字通り”隠れ家”

画像10▲静かで集中できる環境です

阿字ヶ浦の実家、満州屋

イバフォルニアプロジェクト発起人の一人である小池さんが営む民宿で、庭はテントを張ったりキャンピングカーで乗り入れ可能なキャンプ場になっています。毎年8月にひたち海浜公園で開催される日本最大級の野外ロックフェスティバルである「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の時期には多くの宿泊客で賑わい、庭はテント村と化すそうです(笑)

小池さんご夫婦とお母様のおもてなしが温かく、阿字ヶ浦の実家のような安心感があります。

画像11▲「ただいま」と言いたくなる外観

画像12▲テントや寝具、調理器具などはレンタル可能です

以上がそれぞれ異なる特徴を持ったLACひたちなかの4施設です。
自分の働き方、休み方、遊び方に合った施設を使い分けられる点がGoodですね。

4つの施設を一通り回ってみて、バーベキューやキャンプができる場所がめちゃくちゃ多いと感じました。それほど阿字ヶ浦という地域には生活の中で自然と接する文化が根付いており、開放的な空間で食事やお酒を共にすることで人と人との絆が深まってゆくのでしょうか。

LACひたちなか体験記(1日目)

ここからは私の体験談になります。私がLACひたちなかを訪れた日はあいにくの雨。着いて早々、担当の方と確認することがあったのですが、少し寒かったのでイバフォルニア・ベースにあるこたつ席で打ち合わせをしました。

これが”友達の家でくつろいでる感”を演出していい意味で気楽に話せました(笑)。人と人の距離を物理的にも心理的にも近づけてくれる優れものです。

画像13▲冷える日は暖かいこたつがありがたいですね

全ての拠点を一通り見学したのち、イバフォルニア・ベースと阿字ヶ浦クラブでPC作業をさせてもらいました。どちらの施設も、ふとした瞬間に窓を覗くと海が見えるので明るい気持ちになり作業も捗りました。また、Wi-Fiが設置してあるので急なウェブ会議にも対応できるのは心強いですね。

そのあとは近所にある「阿字ヶ浦温泉のぞみ」さんへ。茨城県内唯一のミストサウナで汗を流し、海が一望できる絶景露天風呂に浸かって疲れを癒しました。価格もお手頃ですし、なにより拠点の近くに温泉があるなんて嬉しいですね。私なら週4で入り浸ると思います。

画像14▲ひかりの早さでぽっかぽか、喜びがこだまします

この日は阿字ヶ浦クラブに宿泊しました。ロビーにはクラシックギターと共にThe Beatlesのメンバーのポスターが貼ってあります。実は私ビートルズ大好きなので、ぜひとも次回はマスターにお話を伺ってみたいです(笑)!私はDay Tripper(日帰り客)ではないのでこの夜は阿字ヶ浦の波音をBGMに眠りにつきました。

画像15▲弾き語り大歓迎

LACひたちなか体験記(2日目)

前日の悪天と打って変わって翌朝は快晴。窓から差し込む光のシャワーを浴びて理想的な目覚めでした。ついでに本物のシャワーを浴びるため2階の浴場へ行ったら、なんとここも露天風呂。さすがロケーション最高の宿ですね。

画像16▲贅沢な景色です

ちょうどこの日は日曜日で、イバフォルニアプロジェクトのサンデーマーケットが開催されていました。マーケットの準備をイバフォルニア・ベースで行っている関係もあり、LACメンバーがテント設営を手伝ったり手伝わなかったり、ゆるく関わっていたのが印象的でした。

私も開場したら伺う予定だったので、マーケットが始まるまでは街の中をぶらりと散策しました。阿字ヶ浦周辺には海以外にも面白い場所がたくさんあったので、必見スポットを簡単にご紹介します。

【ほしいも神社】

初見のインパクト抜群の名前ですが、2019年11月に創建されたれっきとした神社です。ちなみに令和初の神社だそうで、新品のほしいもカラーの鳥居が眩しいです。

茨城県が生産量日本一になった「ほしいも」と「ほしいもの(欲しいもの)」をかけて、「ホシイモノは総て手に入る」というご利益があるそうです。私もふと、THE BLUE HEARTSの夢を口ずさんでいました。

画像17▲”あれもほしい これもほしい もっとほしい もっともっとほしい”と欲張ってお願いしてもいいのです

【酒列磯前神社】

平安時代から常陸国の行く末を見守り続ける古社で、境内へと続く長い樹叢(じゅそう・木のトンネル)と海の見える鳥居、宝くじの高額当選者が奉納した幸運の亀の石像が有名です。

水戸藩9代藩主にして江戸幕府15代将軍徳川慶喜の父君である「徳川斉昭公」が腰をかけたと言われるお腰かけ石もあります。阿字ヶ浦周辺はちらほら水戸藩所縁のものや場所が散見されるので、水戸観光から一足伸ばして歴史散策を楽しむのもいいですね。

画像18▲まるでジブリ映画の世界ですね

画像19▲約10km南にある大洗磯前神社とは兄弟神社で、そちらは海の中に立つ鳥居がシンボルです

【浜ベーカリーあじパン】

イバフォルニア・ベースから坂を登ったところにある手作りパン屋さんです。白いプレハブ小屋のようなこじんまりとした外観が特徴で地元の方やロードバイカーに愛されており、店の前には買ったパンを食べれるスペースもあります。私のオススメは地元の名産を使った「干し芋スティック」。一本90円とお財布にも優しいので、ついつい何本も食べてしまいます。

画像20▲AM7時オープン、パン屋の朝は早いですね

【那珂湊おさかな市場】

阿字ヶ浦からは少し距離がありますが、湊線那珂湊駅にほど近いこの漁港前にはその日の朝に水揚げされた新鮮な魚介類をリーズナブルな価格で販売している11店舗が軒を連ねます。県内外から多くのお客さんが集まり、露店や御食事所は大いに活気付いているのでふらふらと歩いているだけで楽しいですよ。

ランチ営業に特化しているお店が多く、朝一番よりもお昼前くらいに訪れるのがちょうどいいそうです。私は回転寿司店に入りマグロの中トロを食べました。ネタが大きく口の中でとろけて至福でした。

画像21▲駐車料金は普通車4時間100円と超良心的

イバフォルニアマーケット

一通り散策を終えて阿字ヶ浦海岸に戻ると、ビーチのマーケット会場には黒山の人集りができていました。焼きそばやジュースなど飲食店の他、可愛いオリジナルの食器を売っているお店や工作体験、ビーチサウナなど大人も子供も楽しめるバラエティ豊かなラインナップで私も胸を弾ませました。

特に子供の姿が多く認められ、小池さんが話していた『子供の頃、親に連れられて阿字ヶ浦にやってきた人が大人になって家庭を持ち、自分の子供を連れてきてほしい』という理想の阿字ヶ浦に近づいている印象を受けました。

画像22▲晴天に恵まれて何よりです

また、小池さんは『地元のメンバーだけでなく沢山の人に関わってもらい一緒に新しいものを創っていく場にしたい』と仰っていました。

実際、マーケットに出店していた古着屋さんを中心に今後ビーチで古着マーケットの開催を準備していたり、子供が色々な事を体験できるキッザニアのようなイベントやアーティストを招いてのライブなど色々なことを考えているそうです。
それによって人がまた人を呼び、阿字ヶ浦を多拠点居住の一つにしてもらえるような場所にすることを目指しています。

米・カリフォルニア州の愛称は「The Golden State(ゴールデン・ステート)」。
この名は西部開拓時代のゴールドラッシュに由来しています。まさに令和のゴールドラッシュを起こすために活動的に動いている様子がひしひしと伝わってきました。

【結論】LACひたちなかはワーケーションにオススメ!

私は今回初めてLACひたちなかを体験してみて、人と人の関わりの強さを感じました。愛する地元の海を再び元気にするため立ち上がったイバフォルニアプロジェクト。

けれども、それが内輪だけで終わらず、LACという新しいコミュニティを受け入れることで新しい風を吹き込もうとする勇気。普通なら排他的になってしまいそうなところを、あえて外部の人を積極的に巻き込むことで大きく変わろうとしている。
そんな阿字ヶ浦の人たちの覚悟を一泊二日という短い滞在で十二分に感じることができました。

私もその熱量に感化され、『色んなことに挑戦するぞ!』とやる気になっております。ぜひまたここを訪れて、私もワーケーションがしたいですね。現状にどこか不満を抱えて生きている方は、LACひたちなかでもその他の拠点でも、一度行って見ることをオススメします!色々な人がいて刺激的ですよ(笑)!

そして、その中でも特にひたちなか、阿字ヶ浦に関心を持ってくれた皆さん。
LACひたちなかでのんびり気ままに働くもよし。
イバフォルニアプロジェクトに参画して応援するもよし。
自分の好きなような生活が送れる素敵な環境です。
もしも何か面白いことがしたいと思ったら、ぜひLACひたちなかへお越しください!

《ライター・山根遼介》

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