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アウトサイダーだよ全員集合!LAC八ヶ岳北杜に集まる不思議で魅力的な仲間たち

山梨県八ヶ岳のふもと、街から少し離れたところにLivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜(以下、LAC八ヶ岳北杜)はある。

もともと企業の保養施設だったらしく、しっかりとした造りの施設と駐車場、そしてその向かいには多目的に使える広いフィールドが広がっている。

オープンしたばかりのこの施設は、プロデューサー兼コミュニティマネージャーの渡鳥ジョニーさんがかねてより構想を練って準備が進められてきた。サムネイルに使用している「Be Outsiders. 〜お外から、はじめよう〜」のイメージ図は、もちろんジョニーさんが考案したものだ。

ジョニーさんの詳しい人柄については、こちらのインタビュー記事をぜひご覧いただきたい。

『世の中おかしいから、自分でおもしろくする』LAC八ヶ岳北杜管理人・渡鳥ジョニーさんがオリジナルな半生を語る

今回はジョニーさんが考える拠点の在り方と、僕がそこで出会った不思議な人たちについてお伝えする。

住む、働く、遊ぶ、学ぶ。中に向かえば頭打ち、でも外に広げていけば可能性は無限大

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ーーLAC八ヶ岳北杜は、土地も含めるとかなり規模の大きい施設で驚きました。ジョニーさんが最初にここにやって来たときはどんな印象でしたか?

「見事に中途半端だな…」という感じでしたね。

東京からは2時間くらいかかりますし、地理的にも車が無いとまず不便。「オープンすれば人は来る」と言う人もいましたが、そんなことはないぞって思ってました。

基礎代謝が大きい施設なので、しっかりと整えていこうとすればとてもじゃないけどお金が足りません。

ーーどんなところから手を入れていったのでしょうか?

優先したのが「コンセプトメイキング」です。

施設の収容人数は約40人。どんなに施設の中にお金をかけても、結局頭打ちになるのは目に見えています。でも、この施設の前に広がる広大な土地、これを活かせれば可能性は無限に広がると思ったんです。

でもそんな時にコロナがやって来ました。

ーーオープンを目前にしてのコロナ。大変だったのではないでしょうか。

コロナにより、世の中のルールがまったく変わってしまったんですよね。人が集まること自体がNGになってしまった。

未来が見えなくなりつつある中で、ウィズコロナやアフターコロナの時代を全人類みんなで作っていかなくてはならない状況になりました。

でも考えてみたら、僕はこれまでバンライフや多拠点生活など、これからの時代にマッチしそうなライフスタイルを自ら体を張ってやってきたんですよね。

キャンプ場やコリビング、住みながらものづくり。「それらを実験する場所にすればいいじゃないか」そう思いました。

ーー具体的にどのような方向性を目指しているのでしょうか。

目指しているのはオフグリッドのキャンプ場です。単なるキャンプ場ではなく、”お外”で暮らしたり働いたりを実現したいんです。

生きるを分解すると「住む、働く、遊ぶ、学ぶ」。

それらを分けて考えるのではなく、一度オン・オフをシャッフルして、「遊びながら働けるんじゃない?」「外でだって暮らせるんじゃない?」そう考えてみる。それだけで色んな可能性があると思うんです。

「コロナ後の世界がどうなっていたら楽しいんだろう?」そんなことを考えながら、家の外、想像の外へと、どんどん広げていく。

暮らしながらそんな実験ができる場所、イノベーションが起きる場所にしていきたいんです。

ーー楽しさを思いながら外へ外へと広げていく。「実験ができる暮らし」ってとてもいいですね。今後の動きを楽しみにしています!

LAC八ヶ岳北杜でハンモック風呂に挑戦中のみちやまさん | 里山ハンモック

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ジョニーさんの熱い構想を聞いたあと、ふと外を見るとなぜかハンモックに揺られている人を発見。変な人がいる!と思い、近寄って話を聞いてみると「ハンモック風呂」なるものを作ったらしく、せっかくなので見せてもらうことにした。

画像3▲ハンモックを木に吊り、その中に水を入れると「ハンモック風呂」になる

画像4▲サウナの後にこのロケーションでの水風呂は最高すぎる…

ーー先ほどのハンモック風呂、とても気持ち良さそうですね。というか、そもそも何者なんですか?

(笑)僕個人の名前は「みちやま」で、「里山ハンモック」という名前でハンモックのワークショップやイベントなどを仕事にしています。

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ジョニーさんとはもともと知り合いで、LACの話を聞いて面白そうだなと思い、ここでハンモック風呂に挑戦することになったんです。

ーーなるほど。ハンモックが仕事っておもしろいですね…なぜハンモックに興味を持ったのですか?

自分がまだ会社員だったとき、たまたま休みの日に高尾山で開かれているツリークライミングイベントに参加したんですね。そのイベントは木の上に登り、上に吊られているハンモックに入るというものでした。

お互いまったく知らない人たちが集まり、一緒に木の上のハンモックを目指すんです。必死になって木を登っていくわけですが、無事にハンモックに入れたときの気持ち良さといったら…。その時間がとても濃く、素晴らしいものに感じたんです。

そのとき登ったメンバーとは、その後も毎週長野で集まるなど、すごく仲良くなったんですよ。「木を登ってハンモックに揺られただけで、これほど素晴らしい体験ができるなんて…」と本当に衝撃を受けました。

ーーそれほどすごい体験だったのですね。でもそこからどうやって仕事に結びつくのでしょうか。

最初は自分でハンモックを買って1人で楽しんでいたのですが、「ハンモックの良さをもっと知ってもらいたい」と思い、友人に声をかけてハンモックピクニックを開いたんです。そしたら、それが思いがけず大好評で(笑)

ハンモックが1つでは足りなくなり、買い足していくうちにいつの間にか20個になってしまったんですよ。

ーー20個ですか!?

そうしたらどこから話を聞きつけたのか、他のイベントを運営する人から「ハンモックを貸してもらえないか」と連絡がきたんです。そこからブログなどでハンモックイベントの情報を発信していると、「いくらでハンモックを貸してもらえますか?」という問い合わせが増えて、結果的にそれが仕事になっていった感じですね。

ーー好きなことをしていたら自然とそれが仕事になるなんて、なんという理想の働き方…!今後もハンモックを仕事として続けていくんですか?

僕はこれまでたくさんの職種を経験してきて、ほとんどの仕事はすぐに飽きちゃったんですよね。根が飽き性なんです。でもハンモックだけは全然飽きが来ないんですよ。ハンモックには、すべての業種につながる広さや深さがある。だからこれからもハンモックに関わっていくと思いますね。

ーーハンモックがそれほど深いとは…。ハンモックに対する見方が変わりそうです。みちやまさん、お話を聞かせていただきありがとうございました!

ダンボールを使ったイベントを開きながら全国行脚中の小仙浩司(こせんこうじ)さん | みんなのダンボールマン

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ハンモックの話を聞き終わってソファーに座っていると、向こうから変な帽子をかぶった人がニコニコしながら近づいてきた。不安になって近くにいたジョニーさんに聞くと「あの方はダンボールマンですよ」と訳のわからないことを言う。

混乱したまま、とりあえずダンボールマンに突撃してみた。

ーーあの、すみません。つかぬことをお聞きしますがダンボールマンですか…?

あ、はい。ダンボールマンの小仙と言います。

ーーえーと、ダンボールマンというのはお仕事なんでしょうか…?

そうですね。もともとはダンボールに印刷をする会社に勤めていて、異業種交流会などに顔を出していたらいつの間にか「ダンボールの人」「ダンボールマン」と呼ばれるようになっていたんです。

そしたらオーダーメイドのダンボール箱を作りたいという人から相談が来るようになって。

「ここだったら作ってくれると思いますよ」なんて形で紹介していたら紹介料をいただけることになり、またいつの間にかそれが仕事になっていたんですよ。

今はそれに加えてダンボールを使ったワークショップを開いたり、ダンボールの什器を作ったりもしています。

ーースゴイ…。ちなみにダンボールにはもともと興味があったんですか?

はい。僕が前職の会社に入ったのは、ダンボールに印刷されているグラフィックに興味があったからなんです。特にバナナのダンボール箱は、デザインが華やかで箱の強度も強いのでオススメですね。

ーーバナナのダンボール箱をそんな視点で見たことはありませんでした…。ちなみにワークショップとはどのようなことをするのですか?

主に子ども向けのものをやっていて、ダンボールに似顔絵やキャラクターを描いてもらうんですね。それを百円で買い取るんです。

ーーえっ、買ってどうするんですか?

それをまたその場で百円で売るんですよ(笑)

子どもたちは自分の作品がお金になれば喜びますし、商品として販売されることを知ると真剣に取り組むんです。

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子どもが作った商品は外国の方などがおもしろがって買ってくれたり、その子のお母さんが「初めて自分の子どもがした仕事だから」と買って帰ったりすることもありますね。

ーー…それは素敵!ダンボールを通じて色々な魅力を提供されているんですね。今後もこういった活動を続けていくんですか?

そうですね。基本的には出会った人とおもしろいと思ったことをすぐにやれる状態でいたいですね。

加えて僕はダンボールのように、世の中から見向きされていないものが好きなんですね。価値が見出されてなかったものが、少しでも見出されるようになるのがうれしいんです。

最近だとプラスチックが世の中で嫌われているじゃないですか。だから次はプラスチックマンもいいかなって思ってます。

ーー発想が最高です(笑)おもしろいお話を聞かせていただきありがとうございました!

まとめ:LAC八ヶ岳北杜で出会ったアウトサイダーは、「好き」を追いかけ続ける子どもみたいな人たちばかりだった

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LAC八ヶ岳北杜の施設内を歩いていると、こんな張り紙がされていることに気づく。

Sustainable
Creative
Resilient
Well-being

これらの意味するところは、

持続可能であること
創造的であること
しなやかであること
幸福であること

だと思う。きっとこの拠点で大切にしているキーワードなのだろう。

そこでふと、今日出会った人たちは全員そんな感じの人たちだったよな、と気づく。

取り組んでいることへの興味や関心が強く、放っておけばずっとそのテーマを追い続けていそうな人たち。
生き方はその人だけのものと言えるほど創造的で、どんなときも変化を前向きにとらえるしなやかさを感じた。
何よりみんな子どものような表情で、楽しそうに話をしていたのが印象的だった。

アウトサイダーは一般的に「よそ者」や「異分子」など、ちょっとネガティブな意味合いを含んでいるけど、それは裏返せば「社会常識の枠にはまらない人たち」とも言える。

自分の興味や関心、つまりは「好き」に向かって一直線に駆け出すことのできる人たち、そういう人たちをアウトサイダーと呼ぶに違いない。

LAC八ヶ岳北杜には、こんな面白いアウトサイダーたちが集まり、どんどん面白いアイデアが生まれている。

そのアイデアをさらに膨らめ、実現するためにも、今よりもたくさんのアウトサイダーが必要だ。ぜひ我こそは!という方は拠点を訪れていただきたい。

僕も自分の好きを追い続ける”アウトサイダー”として、近いうちにまたLAC八ヶ岳北杜を訪れようと思う。

《ライター・長濱裕作


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