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耕作放棄地からゼロスタート。唐泊VILLAGEは日々変わりゆく新しい村 | LAC福岡唐泊コミュニティマネージャー・高松直紀さんインタビュー

遣唐使が停泊した場所として知られる「唐泊」(福岡市西区にある宮浦地区の漁村・漁港部分の総称)。そこに新しくLivingAnywhere Commons福岡唐泊(以下、LAC福岡唐泊)として加わったのが「唐泊VILLAGE」です。

『ワ―ケーション×キャンプ』という一風変わったコンセプトを持つ「LAC福岡唐泊」は、一体どんな場所なのでしょうか?

新しい村づくりをすすめるLAC福岡唐泊コミュニティマネージャーの高松直紀(たかまつ なおき)さんにお話を伺いました。

元大工の高松さんはなぜ、キャンプ場の責任者になった?

――高松さんが勤めている「株式会社 VILLAGE INC(ヴィレッジインク)」は、全国にキャンプ場を作られているユニークな組織と伺いました。高松さんはどのような経緯で、「唐泊VILLAGE」の運営責任者になったのでしょうか?

もともとは大工でした。辞めてから海外を旅して日本に帰ってきたら、なんとなく九州に行きたいと思ったんです(笑)

たまたま「部屋が空いてるから、ちょっと遊びに来ないか?」と言われて唐津市に移り、1年半ぐらい友人と住んでいました。

そこで出会った人たちとのつながりで、今の上司である(株式会社 VILLAGE INC執行役員の加納氏)に飲み会で「今、キャンプ場を作ってるんだけど、一緒にやらない?」と誘われて、入社することになりました。

唐津市の県営キャンプ場のリニューアルに携わった後、「唐泊VILLAGE」の運営責任者になりました。

――唐泊VILLAGEはどのような場所なんですか?

「唐泊VILLAGE」は、西九州道今宿ICから25分、福岡市内から車で40分ぐらいの場所にあります。元々は2ヘクタールに及ぶ耕作放棄地で、10年近く放置されていたところをVILLAGE INCで開拓しました。すぐ近くには唐泊漁港があり、「唐泊恵比須かき」というブランド牡蠣が有名ですね。

キャンプ施設を主体とする「唐泊VILLAGE」では、中央広場にはドリンクを提供するTIPI BAR、テントサウナや温水シャワー、ガスや水道はもちろん、調理道具・冷蔵庫も備えた キッチンがあります。

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持ち込みキャンプから手ぶらで気軽に楽しむキャンプまで、さまざまな楽しみ方ができます。

ただ「LAC福岡唐泊」として利用できるのは唐泊VILLAGEの一部で、それが「インスタントハウス」です。

――インスタントハウスについて詳しく教えてください。

画像2▲冬でも快適に過ごせるインスタントハウス

インスタントハウスは、株式会社LIFULLが開発したキャンプキットです。

断熱材を使っているため、冬でも快適に過ごすことができます。テント泊が苦手な方にも敷居が低くてオススメですよ。

画像3▲インスタントハウスの中はとても暖かそう

LAC福岡唐泊から少し先に行くと、美しい砂浜「うしろ浜」から玄界灘に落ちる夕日を眺める絶好のビュースポットもあります。

展望台のある裏山など海も山も楽しめる立地なのでぜひ足を運んでもらいたいですね。

画像4▲唐泊VILLAGEの敷地内にはオシャレなテントが並ぶ

新たな村づくりの一端を担う、ローカルギルドとは

――LAC福岡唐泊の受け皿となる唐泊VILLAGEには、食や健康など一定ジャンルで活動する組織「ローカルギルド」があると伺いましたが、どういった活動をされているのでしょうか?

唐泊VILLAGEには「一緒に村づくりをしよう」というコンセプトがあり、ローカルギルドというメンバーシップがあって、いくつかの団体と共に活動をしています。

まずローカルギルドに入ると、施設内に拠点を設置でき、いつでも好きなときに泊まることができます。そのかわり、ギルドのみなさんは「唐泊VILLAGE」でなんらかの役割を果たす必要があります。

ただ、LACのユーザーさんに関してはそこの関わり方は自由なのでご心配無用です。もちろん興味のある方は、ぜひローカルギルドに入ってもらえたらうれしいですね。

――ローカルギルドの活動をもう少し教えていただけますか。

ローカルギルドは、施設内に本当に家を建てるような形で活動拠点をつくってもらっています。好きなスタイルで建て、その中で自由に活動し、いろんな人とのつながりの中でギルドが徐々にできあがっています。

例えば、飲食チーム(「フードサービス」まんまるキッチン)のギルドは、宿泊のお客さまに提供するメニューを一緒に考えたり、メイン食材を提供してくれたりします。

そのほか、野外ヨガ活動を主催するギルド(「ヨガ 環境アート」エシカラナ)や、ウエディングフォトを撮ってくれるローカルギルド(「フォトスタジオ」フォトバス)もあります。

コロナ禍にスタートした「唐泊VILLAGE」は常連さんに支えられている

――「唐泊VILLAGE」はコロナ禍にオープンされたとのことですが、不安はなかったのでしょうか?

もちろん不安はありましたが、コロナ禍でより一層「家族と過ごす時間」に注目が集まっていました。

唐泊VILLAGEには、ファミリーで楽しく過ごせる環境があります。
ですので、コロナ禍ではありましたが予定は変えずにオープンすることにしました。

――実際にオープンされていかがでしたか?

キャンプ需要は高いと感じましたね。
緊急事態宣言が発令されたときであっても、土日にはある程度の人が集まっていました。

もちろん色々と工夫はしていて、先月はハロウィンだったので「唐泊VILLAGE」内をハロウィン仕様にして、ワークショップ形式でジャック・オー・ランタン(パンプキンのお化けランタン)を子どもたちと一緒につくりました。

取り出したかぼちゃの中身をスタッフがスープにしてふるまったら、とても喜んでもらえましたよ。

――とても楽しそうです!

お客さんの口コミ効果なのか、少しずつリピート率も上がってきています。

一番うれしいのは、お客さん同士で仲良くなって「また今度一緒に来ようね」という関係性が生まれていることですね。

「一緒に村づくりをしよう」というコンセプト通りに、すごく良いコミュニティになってきていると思います。

「唐泊VILLAGE」は進化していく、変わり続ける村

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――高松さんは、唐泊VILLAGE(LAC福岡唐泊)をこれからどのような場所にしていきたいですか?

唐泊VILLAGEが掲げるコンセプト「一緒に村づくりをしよう」のように、みんなが参加できて、その瞬間、瞬間を共有できたり、味わえたりできる場所にしたいですね。

具体的な例をあげると、まず遊歩道の整備ですね。

敷地の右手に裏山があり、その山の上に展望台があるのですが「唐泊VILLAGE」側からの登山道がないんですね。こういったところもお客さんと一緒に整備して村のコンテンツを増やしたいです。

遊歩道に限らず、場内で「こういうところに〇〇があったらいいよね」みたいなことを考えるところから一緒にできたら良いなと思います。

――実際に、お客様と一緒に施設内の何かを作ったことはありますか?

ブランコを作りました。あと「ピザ窯を設置して欲しい」という声があがったので、まさに今お客さまと一緒に作っている最中です。

――なんだか、リアル版『あつまれ どうぶつの森』みたいですね!できあがりが楽しみです。

たしかにそれに近いかもしれません(笑)

いろんなものが少しずつ場内にできる楽しみは、「唐泊VILLAGE」の常連さんたちにとっても楽しさ倍増なんじゃないかな。進化していく、変わり続ける村を見に来てほしいです。

――最後に、LAC福岡唐泊の楽しみ方やイベント企画があれば教えてください。

キャンプって夏のイメージが強いですが、実はそんなことないんですね。

キャンプに最適なのは「春秋」です。
虫も少なくて、よい季節なんですよ。冬は冬で焚き火がとても心地よくなるので冬キャンプもおすすめ。冬のTIPI BARはお湯割や、ココアなどを追加して心も体も暖めれるような仕様にしていきます。運がよければ料理好きなスタッフが作るあったかいスペシャルメニューも味わえるかも!?

唐泊VILLAGE(LAC福岡唐泊)ではキャンプを通じて四季を感じられるので、ぜひみなさんで遊びに来てください!

《ライター・えびはらまさこ

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