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2018カタールテストまとめ その2 ヤマハ&アプリリア、KTM、ビアッジ予想[ 2018年3月15日 発行 Vol. 179 ]

コンテンツ目次

【イタたわGPまくら話】
●契約交渉こぼれ話:ロッシ、ザルコ

・ザルコマネージャー「ライダーの契約金額はリザルトで決まるべき」
・ロッシはそろそろ若手にシートを譲ったら…

【2018カタールテストまとめ その2 ヤマハ&アプリリア、KTM、ビアッジ予想】
●ヤマハ

・ロッシは最終日、なぜ急に速くなったのか?
・ヴィニャーレス、1周タイムを気にしすぎ
・なぜ浮き沈みが激しかったのか?
・ザルコ、今年のマシンはファクトリー機にかなり近い

●アプリリア
・今年はちょっと苦戦しそう…
・燃料タンクについて

●KTM
・判断しがたい
・V4エンジンの角度

●マックス・ビアッジ予想

●2017年と2018年のタイム比較

●カタール戦績まとめ

●カタール開幕戦について

【イタたわGPまくら話】

皆さん、こんにちは。
なんだか今回は、まるで双子でも生んだような気分の管理人のラ・キリコです。

いえねぇ、いつもは『風聞~イタたわGP』って1本出すだけで「やれやれ~」って感じなんですが…
今回はカタールテスト2本分を開幕戦までに出さなければならないってことで、いつもの2倍バタバタしちゃってたもんですから。
で、結局、こうしてギリギリになり、読者の皆様まで、読むのに忙しくさせてしまって…
スミマセン。

おっと、では、急いで恒例のモトGPこぼれ話に行きますね。

契約交渉こぼれ話:ロッシ、ザルコ

・ザルコマネージャー「ライダーの契約金額はリザルトで決まるべき」

翌年に向けての契約交渉と言えば、一昔前は9月ぐらいに始まり…
その後、7月ぐらいにまで繰り上がってたんですが…
いまや、なんと1月から始まっちゃってますもんねぇ。

まぁ、トップライダー陣の契約が切れるのは今年の12月末なんで、契約交渉の話題も早々に加熱しちゃってるわけですが…
そんななか、現在、大注目のヨハン・ザルコ選手のマネージャーことローラン・フェロン氏が、カタールテストの後、インタビューに答えてました。
こちらです。

【契約交渉の時期が年々早まってるようだが…】
「私も理由を考えてたんですよ。いくらなんでも奇妙ですからね。早すぎるでしょ。
考えた結果、まぁ、結局、良いライダーが少ないってことなんでしょうね。
そう言う状況にビッグメーカーもビビってしまい、自分らのマシンに見合うようなライダーを確保できないんじゃないかって危惧してしまうのでしょう。
それで、できるだけ早いうちから各ライダーについて検証し、良いライダーは押さえてしまおうとしてるんじゃないんですか。
まぁ、私の考えですけどね。ただ、ちょっと心配ではありますよね。
何もかもあまりに早すぎて、良いこととは言えないでしょ。」

【それでザルコ選手に関しては、現在、どんな状況?】
「アプリリアからも連絡がありました。
あちこちから連絡が来てるんですが、私としては、まずヨハンにモトGPで1勝あげてもらわないことにはね。
己の本分に集中し、良い結果を出し、そこで初めて交渉に挑まないと。
あちこちに手を出しても無駄ですからね。徐々に選択肢から外していきますよ。」

【選択肢から外すにあたり、既に何かしらのサインは出している?】
「もちろん。良いマシンに乗りたいんでね。まずはファクトリー機ですよ。
ヨハンにはまず第一にそれが必要だから。その結果しだいで、その他のことはついて来るでしょ。」

【カタールテストでザルコ選手は、かつてのタイムアタック用タイヤでの記録に迫るタイムを出していたが…得意なトラックだから?】
「ヨハンはどこのトラックでも速いと思いますよ。ここでだけ速いわけじゃありません。
ブリーラムテストでも良いタイムを出していたでしょ(3日間総合2位、首位ペドロサと0.086秒差)。」

【カタールだけとは言ってないが、しかし、かなり凄い走りができるトラックなのでは?】
「ああ言うライディングのおかげでしょうね。(カタールは)正確な操縦をしなければならない所だから。
ヨハンは好調だし、カタールでは自身の強みをすべて生かしていけるでしょう。」

【ザルコ選手はモト2から昇格してモトGPですぐに速い走りを披露していたし、今年はナカガミ、モルビデッリ、シャーリン選手らも良い走りをしているが…
どうしたらモト2機のような単純なマシンから、モトGP機のような複雑なのに上手く乗り換えられるのか?】

「モト2って言うのは、けっこう良いクラスだと思うんですよ。
マシンはワンメイクで電制システムも使わず、まさにライダー自身が違いを生み出していけるでしょ。
それは本当に重要なことだし、だからこそ良いクラスになってるわけだしね。
今後、エンジンはトライアンフに変わるし、電制システムも導入するって言うんで、それがチームやライダーにとって言い訳になってしまうんじゃないかと心配してるんですけどね。
モト2クラスはホンダのエンジンだからこそ良かったんじゃないかって思うんですよ。
多くの選手が好フィーリングを得て、マシンを起こし、スピードを上げていけるような出来のものでしょ。
電制システムが導入されたら、ライダー云々ではなく、作業の違いになってしまうだろうしね。」

【モトGPには6メーカーが参戦しているが優秀ライダーはそう多くはないわけで…つまり、各チームはその選手に見合うよう契約金額を上げていかなければならないと言うこと?】
「まるでF1みたいですよね。金銭的な話をすべきなのかどうかは分かりませんが…問題はどんどん増えていってますよね。
よし、はっきり言いましょう。ロレンソがドカンとやってしまったせいで、すべての話が進んでいかなくなってしまってるんですよ(※2年間で約33億円の契約金ながら、昨年は0勝だったこと)。
(ドゥカティは)ロレンソのことを信頼しすぎ、しかし、結局、他のライダーの方が速かった…ロレンソよりも上だったわけでしょ。
まぁ、確かに、『どうしてなんだ!?』って感じですよね。
私としては、状況を変えていかなければならないと思うんですよ。優秀ならば、高く支払うべきだとね。
ライダーへの報酬は、どれだけリザルトを出したかで決まるべきでしょう。
基本に立ち返るべきなんですよ。」

・ロッシはそろそろ若手にシートを譲ったら…

う~ん…
ザルコ選手のマネージャーさんの口ぶりからすると、けっこう値切られてるって感じですかねぇ。
まぁ、あのヴァレンティーノ・ロッシ選手でさえ、ヤマハに値切られてるんじゃないかって噂が流れるほどですから。

そうそう、そのロッシ選手なんですが…
イタリアのモトGPファンからも、そろそろ若手ライダーにシートを譲ってやっても良いんじゃないか…なんて声もたまに上がってきてるんですよ。
まぁ、この場合、若手ライダーと言えば、ザルコ選手のことなんですが…

でもね、そう言う意見に対し、当『風聞~イタたわGP』でもお馴染みのジョヴァンニ・ザマーニ記者(イタリア衛星放送『SKY』レポーター)が、こんな風に反論しておりました。

「ヴァレンティーノ・ロッシは39才とは言え、いまだに速いし、他に類を見ないようなやる気を見せ、そのうえ、一心不乱な作業振りなんですよ。
水曜の夜(カタールテスト開始前夜)、皆、もうホテルに引き上げてしまっているのに、ロッシはテストに向けてマッテオ・フラミーニと一緒にボックス内で電制システムの研究をしてたって話なんですからね。
ザルコの方がロッシよりも良いのではと思う者もいるだろうし、確かにザルコはビッグライダーだと言うことを証明しているが、私としてはヴィニャーレスにしろロッシにしろ、契約更改は然るべきだと思いますよ。
ロッシより、むしろヴィニャーレスの方が現在の環境に馴染んでいないのではないかとも思えますしね。
例えば、カタールテスト最終日に『道に迷い、1日半の作業を無駄にしてしまった』と言っていたんですが…
ロッシより、むしろ、ヴィニャーレスの契約更改の方がちょっと早すぎてしまったのではないでしょうかね。
でも、とにかく、私としてはヤマハが両選手で続けていくのは適切なことだと思います。
ただし、ヤマハがザルコに最新ファクトリー機を提供しないのは間違ってると思いますけどね。」

まぁ、とにかく、ザルコ選手は良い移籍先が決まるといいですね。

おっと、すっかり長くなっちゃった。
そろそろ本文の方を始めますか!
今回は、カタールテストのまとめ『その2』ってことで…
ヤマハ、アプリリア、KTMについてと、あと、マックス・ビアッジ皇帝様が今年のモトGPについて色々と語っております。

んでは、カタールGPに向けての予習って意味でも、お楽しみくださいませ!

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