02デニム

デザイナーが思う「ダメージジーンズが心底似合う人/ダサい人」

私自身は、穴の空いたジーンズや、切りっぱなしのジーンズは履きません。(単純に趣味じゃないので)ですが、脱色ジーンズという意味では、傷みを加えたジーンズは着用してるかな?
ですが服飾や素材について勉強した際に、ジーンズに魅力的なエピソードがあったのを知り、そこから想いふけっていた内容を、今回は書いていこうと思います。

めっちゃ丈夫な生地が「デニム生地」

元々は鉱夫の作業着だった話は有名ですよね。
帆に使う丈夫な布に、除虫効果のあるインディゴ染めをしてズボンにしたのが、ジーンズです。
とても丈夫で、とても重い生地。
例えばTシャツが6OZを言われるのに対し、一般デニムは14OZ。(*OZ(オンス)重さの単位)改めて、丈夫さが伝わる数字です。


ーンズが傷む→相当な身体的負荷をかけた結果

6OZのTシャツに穴が開くのも数年かかるのに、デニム生地が傷むのは相当です。普通に生活しているだけでは、ジーンズなんて滅多に傷みません。だからこそ作業着に起用されたんですから。

ダメージジーンズがファッション化したのは1970年頃。

当時のヒッピースタイル(superflyみたいな)に反発するようにパンクスタイルが流行ったそうです。ファッションといえばハイブランドが流行を生み、徐々に下層に降りてくるスタイルが主流だったそうですが、ダメージジーンズは、まさに下から生まれたスタイルと言えるでしょう。

(余談ですが、イブ=サンローランがデニム素材を好んで使っていたのも同年ですが、モードを貫くサンローランが使っていたのは生地そのもので、ダメージ加工はしていなかったと思います。。どちらが先であとかがはっきりした文献がなかったので…よくわかりませんが。)


負荷を背負える度量がある人/ただ見た目がお洒落で着ている人

以上のことから、私が考える「ダメージジーンズが似合う人」とは、身体的(または精神的)に大きな負荷をかけた結果、心身が成長した人間だと思っています。

そうゆう苦労を象徴するダメージ具合ですから。

もちろん普通に暮らしてきた人が着ちゃいけない、ことはないですが、本当に似合うかどうかと聞かれたら、ね。


「カッコよさそうな服を着たからカッコイイ」…?

個人的には「これさえ着ればみんなカッコイイ」服は一つもないと思っています。着る人の生き方や志がカッコよければ、どんな服でもカッコイイし、どんな服でもダサい(服に着せられる)感じ。

子供に記念日におめかしするように、大の大人が服に着せられる姿は、あまり見たくありません。

今回はダメージジーンズを取り上げましたが、スーツや着物よりわかりやすいかな?と思ったので。


長々と、ありがとうございました(^ ^)


参考:
服飾専門家より。
Yves Saint-Laurent movie (2014,Jalil Lespert)
In Vogue: An Illustrated History of the World's Most Famous Fashion Magazine Hardcover – 4 Sep 2012

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