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【キャリア】監査法人の非監査業務とは? 〜決算支援アドバイザリー業務の事例紹介〜

こんにちは、りんりんです!

公認会計士試験に合格された方は、多くの場合、まず監査法人に勤務されることが一般的ですが、監査法人という組織では監査業務だけでなく、非監査業務と呼ばれる、会計等に関するアドバイザリー・コンサルティング業務を提供しているのはご存知でしょうか?

(むしろ、将来的には後者の方が興味がある、という方も多いのでは...!)

非監査業務といっても、その内容は多岐にわたり、会社の課題解決をサポートするような業務だけではなく、会社の業務そのものを代行することもあります。

それらの違い等の解説は他にたくさん執筆されている方がいらっしゃいますので、私のnoteではもっと具体的な業務内容や、キャリアにどうプラスになったか等といった、私自身の生の声をお届けしたいと思います。

今回は、数ある非監査業務の中から、"決算支援アドバイザリー業務"についてお伝えしたいと思います。

監査法人就職活動中の方々、転職・異動検討中の若手の方々に、少しでも参考になるような情報をお届けできれば幸いです。

1. 決算支援アドバイザリー業務とは

一言で言うなら、”経理のお手伝い”です。

企業経理の繁忙期である、四半期・年度末を中心に、支援先の経理の方々と共に経理処理を対応します。

2. 業務内容

経理の決算処理にはいくつかのステップがあり、支援する部署が子会社の経理なのか、親会社経理(連結経理)なのかで、業務内容に少々差が出てきます。決算支援業務といえば、後者に関わることが多い印象です。

子会社経理

連結修正仕訳の起票や、連結パッケージの作成などの業務が中心となります。連結数値作成のための前準備として、親会社経理とのコミュニケーションに係る業務が多く、繁忙期は比較的前半に偏るのかなという印象です。

親会社経理(連結経理)

連結精算表作成のため、子会社から収集したパッケージを合算し、連結修正仕訳を起票するのはもちろんのこと、連結精算表の数値が正しいか(子会社連結パッケージに誤りがないか)を確認するために、監査法人がやるような科目分析を行ったりします。その後、連結精算表が確定した後は、開示作成に向けて、組替表作成・注記作成などの業務も発生します。また、これらの業務の合間に、会計論点の検討、監査法人への各種資料提出などのコミュニケーションも発生します。繁忙期は連結パッケージが確定してからで、比較的後半に偏るイメージがあります。

3. 監査業務との関連性

仕訳を実際に起票する、開示資料を作成するというのは、監査業務では絶対に経験できないことなので、とても良い経験になります。

一方で、科目分析は監査業務でいうところの、リードスケジュールやリスク評価で行う増減分析に似ています。監査でも経理でも同じですが、分析資料を作成することが目的なのではなく、間違いを見落とさないことが重要です。

4. キャリアへの繋がり・感想

経理の気持ちが分かる

会計システムや開示作成システムなどの独特な使用感(使いづらさ)、決算が締まった後に数値を修正することの大変さ、監査対応の負担等々、経理の方々の気持ちが少し分かるようになります。

将来は監査で生きていくんだ!という会計士であっても、経理とのコミュニケーション方法を省みるキッカケにもなり、業務の品質向上にも生きてくるように思います。

経理実務の経験を積める

将来、経理職への転職を考えている場合、監査法人に居ながら経理実務の経験を積めていると言うのは、大きなプラスになると思います。監査業務と経理業務では、仕事の内容・進め方が全く異なります。また、会計システム・開示作成システムも、今や日本の殆どの企業が使用しているでしょう。その点、こういった経験があるだけで、未経験者よりも転職の際に優位に立てるのは想像に難くないと思います。

独立後のサービスのひとつに

独立を考えている方は、この経験を元にして、決算支援をサービスラインのひとつにもできると思います。支援先の良い点があれば参考に、その逆はどうやったら改善出来るかを考えられれば、より付加価値の高い業務を提供できるようになると思います。

コミュニケーションスキル・リーダーシップの向上

みなさんよく分かっていると思いますが、監査法人のチームの在り方は、一般的な会社のそれと比べて少し変わっています。また、シニアになれば、若手のうちからチームを引っ張ることが求められますが、そのやり方に対して、誰かからあまりフィードバックを貰うことも少ないのではないでしょうか。

その点、他の会社のチームコミュニケーションの形を知れるというのは、ビジネスマンとしての厚みを育むことにもなると思います。

しかし責任は重い

決算支援であれば、支援先には一人で行くパターンが多いです。仮に複数人で支援することになったとしても、それぞれ別の業務が割り振られます。

そして、監査業務のように、同じ法人の先輩・上司が作業をレビューしてくれるわけではありません。作業をレビューするのは、クライアント先の経理マネージャーです。そこで間違いを見落としていることを指摘されてしまっていては、支援している意味がありません。

逆に慎重になりすぎて、「担当範囲が終わらなかったので巻き取ってください」というのもよくありません。

ひとりひとりが法人の顔として、代表として、クライアント先で業務を行うことになります。こういったプレッシャーは感じていました。

ですが、裏返せば、それがクライアントの期待でもあります。こういった期待に応えられた時、期待を超えられた時は、非常に感謝されますし、嬉しいものです!

5. まとめ

決算支援アドバイザリー業務は、経理の業務をサポートするだけでなく、監査業務とは異なる視点で、企業運営に貢献できる非常にやりがいのある仕事です。経理の視点を理解することで、将来のキャリアにおいても大きなプラスとなるでしょう。また、独立や転職の際にも貴重な経験となり、サービスの幅を広げるきっかけにもなります。責任は重いですが、その分クライアントからの信頼と感謝を得ることができるため、自己成長を促す絶好のチャンスです。関与する機会があれば、ぜひ積極的にチャレンジしていただきたいと思います!!

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