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3月22日 春風。

今日は曇りで風のある1日だったが、心は常に温かかった。

『言葉の温度』という本を読み終え、改めて単語が持っているそのものの温もりを考えてみる。文脈によっては冷たくもなり、逆に熱くて仕方がなくなるときもあるが、読んでいても感覚を通る言葉の遣いかたはそうそうできない。

感覚を通れる文章は、読み手を表面上の文字だけでなく、隠された言葉の川に自然と導き、ゆらゆらと流れながら、海へとたどり着かせる。一度川に入ってもらえさえすれば、あとは水の赴くまま身体をゆだねてもらえる気がする。時に川の流れは感情的な濁流、氾濫したものにもなってしまうが。

文章の下に流れる隠された感覚を川と例えてみたが、風のように感じる文章・言葉を遣う人もいる気がする。特に春風だ。

4月。照らす日光、青空、白い雲、桜、若草の緑、街に色が彩り始める。
人は出会いや別れやそのままに、新しい空気に戸惑いながらも、勇気と希望を胸に一歩を踏み出す。

温かな春風は、人の心に彩りを与え、胸いっぱいに息をさせる。冬に感じていた息苦しさを包んでどこかに連れ去っていく。心に余裕を持たせてくれる。生活の中の美しさを気づかせ、大切な誰かに連絡を取りたくなる。

春風を感じてみよう。
(2021.3.22)

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オガワジョージ
いただいたものはすべて創作活動にあて、全国各地を回って作品をつくったり、地域に向けた演劇活動の資金にします。「たった一人でもいいから、人生を動かす」活動をより大きく、豊かに頑張ります。恩返しはいつになるか分かりませんが、必ず、させてください。よろしくお願いします。