カップリングは、単なるB面にあらず

MILESTONE 〜胸いっぱいの憂鬱〜

仕事以外で、「マイルストーン」という言葉を聞くことがあるんだなと思ったのが第一印象。でも、小難しいような歌ではなく、GLAYが時折見せるちょっとかわいらしさが垣間見える楽曲で、耳馴染みが良い。メロディーはちょっと高めではあるものの、TERUが声を張り上げて歌うということもないため、緊張感もなく、ゆったりと心を預けておける楽曲。
2枚同時リリースされたシングルのカップリング曲であるため、どうしても表に出る感じではないが、THE GHOST的にコアファン向けにライブで演ってくれたら、会場はちょっとどよめくはず。

イントロのギターがなかなか他の楽曲にはない感じ。ギター前のコーラスから含めて、冬の凜とした空気に触れた感覚になる。とても空は青いのに、風花のように白いものがチラチラと舞っている画がイメージできる。出だしの歌詞が「夏の日のヒーロー」なのに、音から想像するのは冬の絵。あのギターの感じは、夏のジメッとした感じとか、暑さにうだってしまうような感覚とはちょっと違う。
凜として、ふわっと軽い感じがするからこそ、心に暗いものがある時には、この楽曲が少しだけ洗い流してくれるような感覚になれる。ギターのユニゾンがなんとも心地よい。

イントロはフワッと軽い感じなのに、間奏はいつものGLAYな感じ。
ちょっと目新しさがありながらも、ちゃんとそこにバンドの足跡、特徴を残すところに、バンドへの愛を感じる。新しさと定番がちゃんと融合して、それを一つの新しさとして、ファンに届ける。そうやって、バンドがどんどんと進化を続けていく。

AメロのTERUの抑えめで透き通った低めの声、なかなかこれも新鮮。
エンジンが温まり切る前の感じの声は、純度が高い。だからこそ、楽曲全体で見たときも、さらっとした感じが損なわれないのだなと納得。

胸いっぱいに憂鬱を抱えていても、このメロディの明るさにちゃんと救われる。

#GLAY #カップリング #マイルストーン #イントロの新しさと間奏の定番感

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