季節外れのホワイトロード

ホワイトロード

季節柄、今じゃない。でも、良曲は季節をも超越する。
31日に聴いた怒髪天の「Winter,again」も冬に聴いてわけではないけれど、やっぱりよかったもん。

この楽曲は、リリース当時、友人が片思いをしていた時のことを思い出す。だから、自分にとっての楽曲というよりも、他の曲と比べると客観的な聴き方をしてしまう節がある。自分に置き換えて聴くというよりは、その友人のストーリーを見ているような感覚。感情で聴くというよりも、この先どうなっていくのだろうとストーリーが気になる感じ。歌詞も、ちょっと俯瞰した目線で書いているように感じるところも多いので、それも一因なのかもしれない。
そうそう、このMVに登場する女性は、同時期にリリースされたライブDVDにも登場している(件のライブDVDは、当時ファンの間ではちょっと…いや、結構炎上したし、私も今でもパッケージになったものよりも、当日生中継されていたWOWOWの映像を観るばかりだ)。それぞれの作品に登場させることで物語をより深いものにしたかったのだろう。2004年、GLAYデビュー10周年の締めくくりの12月の出来事。

頻繁に会う友人が、この楽曲の歌詞にえらく共感したと言っていたことがあった。

片想いの切なさを超えた二人のこの恋は
最初じゃなく最高でもないかもしれないけれど
やがて愛に変わる 最後の恋と呼べる

GLAY公式サブスクリプションアプリ「GLAY」

人間の心の奥に眠る本人ですら気づかない気持ちを言葉にし、メロディに乗せることがなんて上手いのだろうと思わずにはいられない一節。

難しい言葉が並ぶ楽曲もあるし、何ならいまだに意味がわからない楽曲だって正直ある。ただ、敢えて簡易的というか、理解しやすい言葉を紡いで、その楽曲しか持てない世界観を作れたら、それ以上の才能はもう必要ないのではないかと思ってしまう。シンプルで、でもそこに含まれた意味がとにかく深い楽曲は、時に難解な解釈のものよりもずっと深い。ただ、答えがでないから、それでモヤモヤしたりもしている。

GLAY楽曲は、バラード調にかぎって言えば、とにかくベースの音が力強さを感じながらも、ちょっと手を離すとすぐに消えてしまうアプローチが多い。力強いのに優しい。それが良曲のインパクトあるベースラインにつながっているのではないかと考えたりもする。
そのポイントは最後の最後。ベースのメロディのようなアプローチが、楽曲を盛り上げるという感じではないけれど、そこに宿る思い出を機にベースを心に火がついた模様。だからこそ、アウトレットの中ならば、その免罪符にして、「ありがとう!」を伝えるだけ。

 #GLAY #ホワイトロード #ライブの映像は生がなくてもよい

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