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「10月4周目」の気になる新刊 105冊

毎週更新している、1週間分の気になる新刊情報です。

東京から地方に移住し、大型書店が身の回りになく、続々と世の中に生まれ落ちている本の情報を得にくくなりました。

そこで、出版される本の情報を毎日ネットでチェックするように。気になる新刊をチェックし、気になったものを毎日、下記のように Twitter に投稿しています。



この記事は、その1週間分のまとめです。

なお、本記事の紹介文は、どれも版元が提供しているあらすじからの引用です。

そして、各Amazonリンクにはアフィリエイトタグが貼ってあります。こちらで得るわずかばかりの収益は、次なる新刊に手を伸ばす費用として溶かしていきます。

それでは今週も、どうぞ!

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有限の手段を無限に用いることによって無数の言語表現を作り出す人間精神の働きこそが言語の本質であると指摘したフンボルト、行動主義心理学に基づく言語研究を徹底的に批判し、心・脳がもつ内在的言語能力の研究としての言語学を提唱したチョムスキー、言語の生物学的研究に関する総合的枠組みを提示したレネバーグを取り上げる。


脳のしくみ、心との関係、記憶、私とは何か、未来の脳……「自分の頭で考える」前に知っておきたい脳のこと。基本を押さえ、平易な解説とユーモラスなイラストで脳研究の最前線へひとっ飛び!


家父長制とは、日常的な性差別や女性蔑視を支える考え方と関係性のネットワーク。トランプなど極端なタイプに目を奪われてはならない。日々の「取るに足りない」習慣こそが男性中心主義を強化し、ひいては軍事主義を支えているのだ。シリア内戦から軍事ツーリズム、兵士の妻からカフェテリアの女性まで、幅広い話題で家父長制の手強さともろさを論じる。率直な語りが共感を呼ぶ。


難解さで知られる西田哲学。しかしその向こうには、はつらつとした、あるいは苦悩に沈む一人の人間の姿があった。西田の著作や日記、書簡、同時代人たちの記録をはじめ、膨大な資料を繙くことで、真理を求めて歩みつづけた哲学者の素顔をいきいきと描きだす。残された言葉の一つひとつに豊かな広がりを与える決定的評伝。


19世紀後半以降、記憶研究は想起に内在する無意識的な過程に科学的に迫ろうとする。連想内容に過去の出来事の記憶が関係することを示した英国の人類学者ゴールトン。特異な概念を駆使して想起における無意識の積極的な関与を指摘したドイツの生理学者ゼーモン。潜在記憶研究で著名な現代の心理学者シャクターの著作を収録


フィンランドの美しい自然から生まれたデザイン・テキスタイル・陶磁器の名作たち日本でも人気が定着している北欧デザイン。北欧フィンランドがモダニズムデザインの国として知られるようになるまでには、自然を愛する国民性や国をあげてデザインに取り組んだ歴史的な背景がありました。本書では、1930~1970年代のフィンランドデザインに焦点をあて、名作とその誕生の背景をひもときます。グラフィック・テキスタイル・建築・陶磁器そして絵画まで、時代を越えて愛されるフィンランドデザインの魅力に触れる1冊です。


一度は訪れたい! 有名建築家が手がけた 海外の名建築めぐり若手から大御所建築家が手がけた、海外の美しい建築を紹介します。日本人の“粋”を感じさせる、コンクリートにパルマ椰子製の屋根を乗せたメキシコの文化複合施設「カーサ・ワビ」安藤忠雄、場所の記憶を未来に繋げるというコンセプトでつくられた「エストニア国立博物館」田根  剛、芸術の息遣いに満ちた、人間の身体のような建築物、「台中国家歌劇院」伊東豊雄、全戸からバルコニーの枝が伸びる、南仏モンペリエの白い木「ラルブル・ブラン」藤本壮介等、世界には見応えのある建築物が点在します。美術館・博物館・劇場・高層ビル・社屋・スタジアム・集合住宅・邸宅・学校等、55の美しい建築物を収録。


20世紀初頭、中之島図書館を設計した野口孫市は常に〈豊かな場所〉を希求していた。その建築術を追体験する。*野口孫市は1891年(明治24)に東京帝国大学工科大学造家学科に入学、明治建築界の重鎮・辰野金吾の薫陶を受けた。大学院を卒業し逓信省に3年勤めた後、1899年(明治32)、住友に招かれた。1年余りの欧米建築事情調査に派遣され、1900年、住友本店臨時建築部が発足すると初代技師長に就いた。住友本店臨時建築部は後に世界有数の設計会社となる日建設計の原点である。野口は47歳で亡くなるまで、建築家人生は19年と短いながら、大阪図書館(後の大阪府立中之島図書館)、住友家須磨別邸、日暮別邸、住友活機園(旧伊庭貞剛邸)など数々の名作を残した。


文楽、志ん生、円生、小さん はじめ、アダチ龍光、 千代若・千代菊、牧野周一、波多野栄一ほか 多くの名人・上手、芸人の顔が並ぶ 昭和 寄席 写真集! 昭和40年代「第二次落語演芸ブーム」と言われていた頃、 プログラム用写真撮影を依頼され、今となっては誰も撮ることの できない「綺羅星のごとき芸人」たちの貴重な写真がフィルムに 残された。


『秘密の花園』、『ピーターラビットのおはなし』、『不思議の国のアリス』、「ナルニア国物語」シリーズ、『クマのプーさん』、『第九軍団のワシ』、『やかまし村の子どもたち』……。
夢中になって読みふけった、あの名作が生まれた場所へ。


日本で自動車販売が始まった20世紀初頭から市場が縮小する現代まで、自動車流通システムはいかに構築され、また変化したか。メーカーとディーラーの関係を軸に、経営史の視点で検討する。


異端者こそ正しい。いまこそ、逸脱、反世間、反常識、反秩序の世界を覗いてみよう。深沢七郎の本源的人間像、岡本太郎の反近代的縄文精神、竹久夢二の弱者への眼、赤松啓介の非常民など、深い闇の中にある情念を掘り起こしつづけた人たちの仕事を読み直す。


今回のコロナ禍を大きな社会の構造的な歪みの現れととらえ、それが何かを突き止めようと試みる。また、歴史学は、飢饉や疫病を歴史のエピソードとしてとらえるのではなく、時代を動かす歴史の原動力としてとらえなくてはならない。第1部では前者の試みを、第2部では後者、つまり歴史学の生まれ変わりの手がかりをつかもうとする試みである。


躍動するアジア、変動するシティ、イギリス帝国の拡大19世紀後半、相次いで登場したアジア市場向けのイギリス系国際銀行群=イースタン・バンク。イギリス帝国の膨張の力学と躍動するアジア経済の変動のなかで、その生成・発展の過程を明らかにする。


903通の手紙から、ファン・ゴッホ美術館の研究者が265通を精選し、スケッチも全て収録した全2巻豪華函入りの決定版新訳誕生!


近年の社会・経済的な変化に伴い,人々の生活様式のニーズとして簡便化が大きなキーワードになっている.このような中で,加工食品や外食産業,コンビニに代表される中食の発達には著しいものがある.したがって,日本標準商品分類の調味料関連製品やその他の調味料およびスープに分類される調味料は,著しく発達し,変化し拡大している.


主観の真実科学を超えたところで展開される主観の論理としての倫理を追究し、脳科学では到達できない主観の領域から、伝統的、古典的な哲学の意義を示すことを試みる。


市川海老蔵、宮迫博之、田村亮……。なぜ芸能人は半グレ=反社会的勢力と接点を持ってしまうのか?『週刊文春』の特派記者として15年のキャリアを積んだ筆者が、あまり報じられることのない取材の裏側を明かしつつ、芸能人と半グレたちの“夜の生息域”に迫る!・関東連合を芸能人や起業家らと結びつけた“黒幕”の正体・市川海老蔵事件の取材で厄介だった関東連合の情報操作・芸能人、スポーツ選手、政治家が集った「西麻布迎賓館」の実態・金塊強奪犯は、なぜ芸能人と写真を撮れたのか?


かの今江祥智氏から「白眉である」と称され、多くの画家の絵筆を動かし、子どもから大人まで、賢治作品との新たな出会いを創り出す話題のシリーズ、34巻目。「おれは先生なんだぞ。おまえ教育するんだぞ」と、えらそうなことばかりいう先生と、目をつぶり、「だって  だって」といいながら、そこから逃げられない生徒たち。


なぜ私たちはイノベーションにまで効率を求めてしまうのだろう?今日のイノベーションの現場を、立場や専門の異なる著者3名がエスノグラフィックに記述し、対話的に思索した野心的著作


かの今江祥智氏から「白眉である」と称され、多くの画家の絵筆を動かし、子どもから大人まで、賢治作品との新たな出会いを創り出す話題のシリーズ33巻目。「ポラーノの広場?  ああそうだ、わたしも小さいとき何べんも聞いた。野はらのまんなかの祭のあるところだろう。あのつめくさの花の番号を数えて行くというのだろう。」「ああ、それは昔ばなしなんだ。けれども、どうもこの頃もあるらしいんだよ。」


~日本の古典文芸作品から日本の食文化をさぐる~2013年にユネスコ無形文化遺産に<和食;日本人の伝統的な食文化>が登録されて以後、官民あわせて、和食への注目が集まっている。研究の面においても、2018年に和食文化学会が誕生し、文理様々な視点からの和食文化の総合的な研究の進展が期待されている。しかし、和食文化への関心は、主に、栄養・健康・食品・経営といった「物」を中心とした実用的な面に向けられがちであり、食を描いた文芸や絵画については、従来ほとんど関心がはらわれてこなかった。


四季の自然との深い関わりの中で育まれた日本の暮らしと食。そこには季節ごとに恵みをもたらす植物との深い関わりがあった。これまであまり描かれることのなかった、植物と暮らしの関わりを描きだす。


「このジャンルのファンは彼のヴィジュアルな豊かさを讃え、評論家は彼のテーマの密度を誉めるが、彼が同時に、たぶん何にもまして真の映画演出家であるということを強調することがあまりにしばしば忘れられているのだ。」


高山なおみファン待望のレシピ本。神戸に引っ越し一人暮らしをはじめてからの「ひとり分のごはん」の自炊アイデアをまとめた本書。『朝食』『昼食』『夕食』『お客さんが来た時』……食のドキュメンタリー形式で全100レシピ紹介。写真は齋藤圭吾、デザインは立花文穂、編集は赤澤かおり。


取材対象者と新聞記者として出会った、結生と小坂綾子。「なんかまた話したい、って思いました」という結生からのメールをきっかけに、ふたりは結生の人生を振り返る作業を始める。実母からの暴力と、継父からの性的虐待を受けて児童養護施設で育った結生。万引き、援助交際、薬物に囲まれた中高時代の荒れた生活から少年院を経て、自分らしい生き方を模索するなかで抱え込んだ苦悩と葛藤を吐露する。重い過去を引きずりながらも前に進むことをやめない結生の姿を通じて「人が育つこと」「生きること」を問い直したノンフィクション。


#MeToo運動が起きたことで 、いろいろなことが明らかになった。個人的な出来事だとされてきたことが、そうではなかったことがわかった。暴力と見なされていなかったことが暴力だと認識されるようになってきた。セクハラを受けた側が居場所を失い、声を上げたことで社会の期待を裏切る存在となる。加害者の言うことが信用され、被害者の言うことは思い込みとされる。この論理のすり替えはなぜ起きるのだろう。著者エムケは系統だって論じるのではなく、つぶやくように、自問自答するように、暴力とそれが見過ごされるメカニズムを掘り下げていく。


マリー・アントワネットの「お気に入り」だったローザン、ブザンヴァル、ヴォードルイユ、フェルセン、エステルアジとの交流と当時の宮廷における権力闘争、嫉妬、典型的宮廷貴族像を、最新の研究成果から浮き彫りにする。

歴史のエンジンは本当に「国家」「政治」なのか?
「商業」「資本主義」などをキーワードに世界史の大きな流れを一気につかむ世界はもともとボーダレスだった!
「国家」「生産力」ではなく「商業」「交換」から見ると世界史はこんなにも違って見える。古代の商人から現代のGAFAまで、真に世界を牽引してきた「商業」に着目した新しい歴史の見方。


ネロ、ジル・ド・レ、アレクサンデル6世……血に飢えた皇帝、捕食動物のように残忍な王妃、邪悪な専制君主、凶悪な犯罪者など、10名をとりあげている。古代から近世にいたるまでの陣容であり、全員が身の毛もよだつ恐怖の権化そのものである。  

アミン・ダダ、ポル・ポト、チャールズ・マンソン……  20世紀の専制的な独裁者、大量虐殺者、原理主義者など10名をとりあげている。狂気とイデオロギーを結びつけて、あらゆる過激に走った。  おそるべき人物、悪霊が近現代に集中していることは事実だ。


ハリー・ポッター映画に登場する箒は、またがると空高く飛んで移動することができる魔法の道具です。危険なドラゴンをかわしたり、死喰い人などの闇の勢力から逃れたり、アクションいっぱいのクィディッチの試合をすることもできます。この本は、魔法の箒とそれを制作した人々、そして箒に乗った人々を解説したビジュアルガイドです。映画で使われた箒の美しい写真や、俳優・映画製作陣のコメント、秘蔵資料などを交えながら、箒を一つひとつ紹介。クィディッチのすべてを明かす解説もあります。箒の背後にある歴史を知りたい長年のファンにも、魔法界の旅に踏み出したばかりの新しい世代にもぴったりな、見逃せない一冊です。


「我々は起つ。/過去建築圏より分離し,総ての建築をして真に意義あらしめる新建築圏を創造せんがために――」。東京帝国大学工学部建築学科を卒業した若き建築家6人は,1920年,過去の建築との決別を宣言し,「分離派建築会」を結成した。20世紀初頭の芸術運動の流れを汲み,本邦初の近代建築運動として知られる分離派建築会が追い求めた芸術と建築の融合。自由な芸術を求めたその行跡を辿り,彼らがふたたび様式に美を見出すまでの過程を,32の論考で,あらゆる角度から描き出す。


カウンセリングの第一人者が、その起源から理論・潮流、クライエントとの会話の実際も再現し、カウンセリングの可能性を語り尽くす。公認心理師の国家資格創設を受けてロングセラーを大幅改訂。


カナダ、マニトバ州北部の凍て付く自然。母親と従妹と暮らす14歳のノアが、地図製作者の父親が持ち帰った短波ラジオで最初に聞いたのは、親友ペリーが割れた氷から一輪車ごと湖に落ちたという報せだった。死んだペリーの両親の村で次の夏も過ごすと決めたノア、村には先住民クリーの人びと、罠猟師、宣教師、そして行方不明の父親までが……。


「回転のだましあい」が相手の判断を狂わせている!激しい打ち合いの裏側で繰り広げられる緻密な頭脳戦を現代卓球に必要な知識と併せて徹底解説ラリーを漠然と見ているだけでも楽しいが、ルールや技術、戦術、そしてトップ選手たちの目に見えない駆け引きなどを知ると卓球観戦はさらに楽しくなる。本書では回転の仕組み、戦術的な話、日本人選手の戦型といった卓球観戦を楽しむための基礎知識から「なぜ中国が強いのか」といった多くの人が抱く疑問などを含めた話までを卓球界を引っ張ってきたレジェンドである松下浩二が解説する。


21世紀は複雑になり、20世紀とは異なる価値観や考え方で動いているように見えます。複雑化し多様化する世界を統一的に見ることはできるのか。  武田計測先端知財団は、より高い観点からの統一的な考え方を探るべく、各界の有識者を招き、一般の人を対象とした講演と討論の場となる武田シンポジウムを毎年開催しておりますが、今年はコロナの影響でシンポジウムの公開を中止しました。  本書はそのシンポジウムの内容をまとめたものです。テーマは三点、「遺伝子」、 「AI駆動科学」、  「医療の革新」。多様な視点で私たちのこれからを考察します。


日本の3大ドヤ、寿町の全貌を明かす「読む立体地図」。わずか200m×300mほどの町の中に120軒ものドヤがひしめく。染みつき、絡み合い、裸のまま、心の底からぶつかり、交わり、生きるひとびと。そして、あなたは町の中に入っていく……。


◎仏像は見るものではなく、出会うもの2014年まで奈良国立博物館の学芸部長として、現在は仏教美術の名品を所蔵する半蔵門ミュージアムの館長として、多くの仏像・神像の展示に関わってきた著者。仏教美術史の専門家として、生きた言葉で仏像の魅力を語り続けています。


ソフィアは自分のハブラシにサミーと名づけ,大切につかっていました.しかし,古いからもう使えないという理由でサミーは捨てられてしまい,他のプラスチックごみといっしょに船で運ばれ,海や川を漂います.たくさんのプラスチックごみと遭遇しながら,最後はアホウドリの助けをかりてソフィアの家までかえってきたサミーは,ハブラシとしてではなく,人形の髪をとかしたり,靴のよごれをとったりすることで活躍し,大切にされました.プラスチックごみの現状を知り,環境へ配慮する気持ちを育てます.


ベートーベンは音楽家として有名になった矢先、耳が悪くなり遺書まで書くことに……。しかし音楽の情熱を糧に立ち直り、以降代表作を作り上げる。というように、今では「偉人」と呼ばれる彼らも、私たちと同じように悩み乗り越えてきた人間なのです。本書では、彼らがどんな悩みを抱え、そして解決したのかを追います。10才のきみにこそ読んでもらいたい、勇気づけられる一冊。


コロナ禍によって、わたしたちの生活の地盤は大きく揺らいだ。西洋中世史を専門とする著者は、比較文化論的に現代文明のトータルな危機をクローズアップし、近未来の社会のあり方を問う。本書は、これまでの/これからの社会を基礎から知るための、もっともわかりやすい本だ。


「平成」は社会が激動した30年といわれます。この中で、美容意識も行動も大きく変わり、その発信者、主体者が大きく変化していきました。このような化粧・美容の変化を独自の視点でまとめたのが『平成美容開花』です。 本書では、平成30  年間の女性雑誌の美容記事から読み解いた独自分析や、ポーラ文化研究所が長年実施している美容意識調査のデータ分析も掲載しています。また、平成のトレンドメーク再現、アイメーク変遷など、写真やイラスト等のビジュアルで平成30  年間の変化を紹介しています。改元直後に調査した、これからはじまる令和の化粧への意識も収録しており、平成の化粧がそばにあった方にも、そうでなかった方にも、そして令和の化粧・美容意識の予測にもおすすめの一冊です。


1935年(昭和10年)の芥川賞の創設をひとつの文学的事件として、受賞作を銃後/外地/皇民化の視点から読み解き、「戦時昭和」期の国内の作品や外地の文学がどう受け止められたのか、作家たちの人間模様も緻密に考察して、文学と社会の相互浸透を解明する。


人はさまざまな場面で人に出会います。 友人との出会い、子どもと大人の出会い、別れの出会いもあるかもしれません。 こうした場で胸に手をあてると「こころ」がなにか呟いています。 そして出会いの呟きあいに耳を澄ますと、“たましい”の囁きが聞こえます。 ――困難を前に立ちすくむ人に、どのように出えるか? このことを日々考えるのが《心理臨床》という営みです。 考えや感覚は別々でも、深いところで交わり重なるとき、“たましい”が響きます。


国立の筑波大学を卒業したものの、就職することができなかった著者は、大阪西成区のあいりん地区に足を踏み入れた。ヤクザ…、指名手配犯…、博打場…、生活保護…、マイナスイメージで語られることが多い、あいりん地区。ここで2カ月半の期間、生活をしてみると、どんな景色が見えてくるのか?西成の住人と共に働き、笑い、涙した、78日間の体験ルポ。


面白い本を読んだら誰かと語り合いたい──辺境作家と歴史学者による読書会。古今の名著・怪書をめぐる知的興奮に満ちた対談集。


旅、食、映画や音楽……古希を越え、日々出会えた幸せ。写真を添え綴る「サンデー毎日」人気連載の文庫化。オリジナルカラー文庫。


没後120年。同性愛裁判から獄中の真実、そして死までを新訳書簡で再構成。「どうしようもないけど憎めない」男、ワイルドが甦る!  近年、ニューヨークで刊行された『オスカー・ワイルド全書簡』をもとに、ワイルドが投獄されるきっかけとなった事件の発端から、同性愛裁判、獄中の真実、そして出獄後の放浪、死までを、訳者の詳細な解説と注とともに、ひとつの物語として再構成する。 恋人との愛憎・確執、事件の顛末などが明らかになることにより、深遠な思想とともに、「悲哀の道化師」ワイルドのほんとうの姿を浮かび上がる。


40年ほど前の初夏、京都市郊外。きゃべつ畑で写生をしていた著者は、青虫狩りをするあしなが蜂に魅せられる。はたして彼らの巣はどこにあるのか……。あちらこちらの農家の軒下を探しまわり、ついに、比叡山の麓近くの田舎道に背を向けて建つ、一軒の納屋に行き着く。そこは、新しい巣と、ボロボロに破れた古巣が入り混じってぶら下がる「あしなが蜂の団地」だった――。


三島由紀夫は女性(読者)に何を語ったのか――。岸田今日子、高峰秀子、越路吹雪、宇野千代らとの全集未収録対談と、『婦人公論』発表の作品を中心に、女性誌を舞台にした三島の発言とエッセイを集成。同時代を生きた杉村春子、若尾文子、円地文子、湯浅あつ子ほかの貴重な回想に加え、石井遊佳、北村紗衣、酒井順子、ヤマザキマリによる新規エッセイを収録する。執筆者が全員女性による初の三島読本。


「なぜ本書が、(……)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより) 人はなぜ冒険し、山に登るのか―― 「永久にわからないだろう、わかるはずがない、わかってたまるかこの野郎」と思い続けてきた謎を解き明かしたのは、まさかの「結婚」だった!? 〈事態〉と〈思いつき〉を鍵に、極北で犬橇を走らせながら探検家・角幡唯介がつむぎだす人生論の極北を見よ!


名作には前のめりに沈まぬための知恵が一杯! 「夢がなければ生きていけない」――それって幻想じゃないですか?  昨日より今日、今日より明日の方がよりよい日であってほしい。そう思いたいのが人情だけど。問題山積の現代、いかなるスタンスで生きていくか。夢と希望と絆に飽きた時、読むべき書物、観るべき舞台、映画はこれだ!


ケアを受けない者はいない。にもかかわらず、ケア活動もケア活動を担う人々も、長い歴史の中で軽視あるいは無視されてきた。本書は、〈ケアに満ちた民主主義〉を訴えてきた米国のフェミニスト政治学者トロントが、「ブラウン民主主義賞」を受賞した際の講演録を訳出。トロントは、民主主義の定義を「ケア責任の配分に関わるもの」だとし、新たな民主主義の再編が必要であると語る。あわせて日本のフェミニスト政治学者である訳者が、危機に瀕した日本の政治状況を分析するとともに、トロントが提示するケアに満ちた民主主義の実現がなぜ必要なのか、それがなぜより善く生きる社会への変革であるのかを解説する。


パリの死刑執行人〈ムッシュー・ド・パリ〉を代々務めるサンソン家の4代目当主として、ルイ16世、マリー・アントワネット、ロベスピエール、サン‐ジュストら、3000人余を手にかけた男、シャルル‐アンリ・サンソン――サンソン家に代々伝わる資料と直接取材を基に、フランスを代表する文豪バルザックが描く、革命期を生きた処刑人の物語を、待望の本邦初訳!


●カフカなど海外文学の影響を受けて、夢と現実、常識と非常識、正気と狂気、さらには生と死の境界を超越して人の世の不確実性を描き、そのあたらしさと実験性をもって、中国文壇で「先鋒派」と呼ばれた余華。ノーベル文学賞の候補として常にその名が挙げられる余華の、先鋒派時代の最後を締めくくる作品にして、はじめての長篇。ファンのあいだで長く邦訳が待たれていた幻の名作。 


日本はどこへ向かっていたのか?満洲事変の翌年、日本を取材するために来日した『ル・プチ・パリジヤン』紙の特派員アンドレ・ヴィオリスは、当時、若手将校から崇拝の的になっていた荒木貞夫(陸相)のほか、平沼騏一郎、安部磯雄らとも対面し、そのやりとりを含む日本人の肉声を記録したルポ(Le Japon et son empire, Grasset, Paris)を1933年に刊行した。本書はその全訳に詳細な注を付した一冊である。五・一五事件による政党政治の終焉を目の当たりにしたフランス人は、岐路に立つ日本社会をどのように捉えたのか。風雲急を告げる時代の空気を今日に伝える貴重な記録である。


哲学カフェ、子どもの哲学、企業内哲学対話をやってみたい人のための必携ハンドブック。経験豊かな実践者が執筆を担当。人の集め方、場所の決め方、問いの出し方、対話の進め方、使える道具、困った時の対応の仕方など具体的な解決案が満載。対話に必要な哲学史と哲学説の知識も一通り学べる。誰でもが使える対話と思考のためのガイドブック。


ギリシャ美術が身近になる格好の入門書。神々や英雄の物語だけでなく、ふつうの人間の日常も主題として、詩情ゆたかに表現していたギリシャ美術。2500年前のアートを読み解いていきましょう。


目のつけどころがいい人は世界をどう観ているか? データ予測、意思決定、創造的思考……あらゆる知的生産の土台となる「見えないもの」を観る力――。メトロポリタン美術館、ボストン美術館で活躍し、イェール・ハーバード大で学んだ著者が明かす、全米100校で採用された知覚力トレーニング


「モナ・リザの値段は? 」「落書きのような絵がなぜ何億円もするの? 」「廃業した浮世絵師たちはどうなった? 」「美術館は金持ちなの? 」「贋作とわかったら価値が変わるのはなぜ? 」……美術には、お金にまつわる素朴な疑問がたくさんあります。本書は、美術作品を眺めながら、美術家たちがどのように生き、作品がどのように扱われてきたのかを、経済視点で読み解いていきます。


「モダンラブ」は、ニューヨークタイムズ紙の日曜版に2004年から掲載されている、恋愛に限らない広義の“愛"をトピックにしている大人気コラムです。著者は、作家やジャーナリストを中心としたひとたちで、彼らが語る物語はすべて実話であり、その多様性には驚くばかり。そのなかから厳選された21の物語を収録しています。


東日本大震災からコロナ禍まで。災間ニッポンを稀代のコラムニスト10年分のツイートで読み解く。私はふだんあんまり自分をほめるタイプの人間ではないのだが、今回ばかりは言わせてもらう。本書は大傑作である。(小田嶋隆「あとがき」より)災間、それは、2011年の東日本大震災(福島原発事故)311と、2020年コロナ禍との間を時期を指す。それはまるで第一次世界大戦と第二次世界大戦の間(戦間期)と同じように世の中がどんどんと悪くなる時代であった。いったいそこで何が起こっていたのか。


本の見つけ方。ネット検索の極意。現場で調査。値を測定。そして人の声を聴く。専門家でないからこそできる「調査のデザイン」により、これらを縦横無尽に組み立てながら、統計や分析で調べていく方法を具体的に解説。ロングセラー『自分で調べる技術』に科学的な視点を加えて新たに書き下ろす。「知的生産の技術」への一歩。


「悲劇的なもの」への憧憬と渇仰。それは三島由紀夫にとって存在の深部から湧出する抑えがたい欲動であった。自己を衝き動かす「前意味論的欲動」は、彼の文学を研ぎ澄ませ昇華させると同時に、彼自身を血と死へ接近させてゆく。衝撃的な自決から半世紀。身を挺して生涯を完結させた作家の精神と作品の深奥に分け入る評伝。


「働く」って何だろう? 「仕事」をするのは何のため?  「障害のある人の労働」をテーマに、障害者が働くさまざまな企業や事業所の事例を紹介します。テレワークの広がりやAIの導入など人々の働き方が大きく転換するなかで、誰もが笑顔で働ける社会のあり方を考えます。


作家は何を読んできたのか、それらは人生にどんな影響を与えたのか。最強の「中二病」小説、それぞれの青春時代の読書、価値観をひっくりかえされた本、国語辞典の「読み方」など……6人の小説家が自身をふり返り、おすすめの本と独得な読み方を紹介するユニークな読書案内。うち1冊は自己紹介をかねて自作をとりあげる。中日新聞/東京新聞夕刊での好評連載を書籍化。巻末には6人の執筆者へのQ&Aも収録。


空前絶後のわかりやすさ、贅言不要のおもしろさ! 伝説の名著がついに文庫化! ブラックホールはどんな一生を辿るの? ビッグバンとインフレイションって何が起こったの? 光より速く遠ざかる星があるって本当? 暗黒物質の正体って?  重力波の観測って何がすごいの? そもそも宇宙は、どうやって始まったの? 異端の天才物理学者が宇宙の謎に迫る、目からウロコの面白講義、いよいよ開講! 第一章 ブラックホール 空間と時間の混ざり合う場所 第二章 ビッグバン 人はなぜ宇宙をイメージできないのか?


人はどこから来てどこへ行くのか?  がんから生還した人気エッセイストが治療や瞑想の経験や仏教・神道・心理学を渉猟をしながら生老病死や時間と存在について辿り着いた境地を語る。


人体37兆個、すべての細胞内でドラマが起こっている! そして、侵入者=ウイルスの視点から見てみると…? 生命観がガラリと変わる!どのように誕生し、どう進化してきたのか?巨大生物も微生物も、単細胞生物も多細胞生物も、あらゆる生物は細胞からできている。脂質の膜で覆われたその内部では、いったい何が起きているのか?DNAを格納し、増殖の場となる。タンパク質をつくり出し、生命現象の舞台となる。そして、ウイルスが感染し、病気を生じさせる現場にも……。


身近であり基本の図形である三角形を貼り合わせてできる四角形や五角形などの多角形の世界と、それらを組み合わせてできる立体、多面体の世界の不思議な性質や関係性を、特に「数え上げ」の理論を中心に解説していきます。「多面体の頂点、辺、面の数の間に成立するオイラーの多面体定理」や「格子点の数から面積を計算することができるピックの公式」、そして「正多面体が、正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の5種類に限る」という多面体の基礎を学び、さらに一般次元の凸多面体論へ続きます。また、凸多面体のトレンドとして、双対性と反射性などの現代数学の入り口にも触れていきます。第1部 凸多面体の起源を探る 第1章 三角形分割と多角形 第2章 オイラーの多面体定理 第3章 ピックの公式


知ってる?夜明けの直前が、一番暗いって。「今の自分にできることなど何もないと思っていたけど、可能なことが一つある」職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。互いに友情も恋も感じていないけれど、おせっかいな者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになるーー。人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。


わたしたちは「家族」になれるのか? ◎アメリカ大統領選を左右する存在のひとつ、福音派  evangelicalと呼ばれるキリスト教右派はこれまで共和党の大票田として、同性婚、人工妊娠中絶、公立学校での祈りの実践、銃規制など文化的価値観のかかわる政治決定を左右してきた。  ◎本書は、アメリカを舞台に1950年代からはじまった同性愛者の権利運動が、福音派を中心とする保守から激しい反動(バックラッシュ)を受けながらも、いかに自分たちの権利向上を訴え、2015年に同性婚(婚姻の平等)を実現したのか、その半世紀以上にわたるダイナミックな歴史を辿る。 


韓国の人気作家イム・キョンソンが、最愛の作家である村上春樹について心を込めて綴ったエッセイ。「この本はこれまでに私が書いてきたどんな本とも文体と調子が違う。この本に込められているものは、本当に大切で意味のあるものを丁寧に扱おうとする謙虚な心に似ているはずだ。そういう意味で、この本を手にとってくれるみなさんは、私のいちばん深い心のなかを垣間見て、理解してくださることと信じている。」


「自分のマンガ」が、きっとある――世界がみたManga、マンガ、まんが2019年、大英博物館で開催され大好評を博した「マンガ展」公式図録の日本語版。時代や掲載誌・出版社を横断し、広く文化としてのマンガを俯瞰するユニークな構成。名作の原画を含む図版を多数掲載、著名な漫画家や編集者のインタビューや、美術や歴史の観点からの考察記事も充実、マンガファン垂涎の一冊。


1944年、首相暗殺に失敗した陸軍中尉のグンゾーは瀕死の状態で朝鮮に流され、死の淵で神秘的な食べ物と出会う。未体験の滋味と幸福感――それは「焼餃子」だった。覚醒したグンゾーはかくして人々に幸せをもたらす「究極の餃子」を探す旅に出ることに。朝鮮のマンドゥ、モンゴルのボーズ、ソ連のペリメニ……様々な餃子と出会い、仲間も増えていく。前代未聞の熱々エンタテイメント、餃子をめぐる究極の大河ロマン小説!


手塚プロダクション × 復刊ドットコム 豪華タイアップ企画 第2弾。永遠の名作、手塚治虫による『火の鳥《オリジナル版》』が、手に取りやすく読みやすい、新たな造本でよみがえる!巨匠・手塚治虫の代表作にして、日本漫画史上不滅の傑作『火の鳥』。


シリアの商業都市アレッポに生まれ、電気技師として働いていたアラー・アルジャリールさんは、内戦が激化するなか、負傷者や市街地に取り残された猫の救出活動を開始します。その活動は、報道をつうじて世界中の人たちに知られるようになります。そしてFacebookでつながった人たちからの支援を受けて、「サンクチュアリ」と呼ばれる猫の保護施設をつくり、空爆で傷ついた猫たちを保護していきます。自らの危険もかえりみず、人間やどうぶつたちの命を必死に守るアラーさんの活動をつうじて、シリア内戦の悲惨な現実、戦争の愚かさを訴えかけます--。


もしかしたら読解力がないのかも…?こんな不安は本書が解決します。文献学を研究する著者は、古今東西、日本語、英語、フランス語、中国語などさまざまな言語で書かれた数十万冊もの書籍を読み解いてきた、まさに「読解のスペシャリスト」。そもそも「読解力」とはなんでしょう?著者は、「読解力」とは「読む力」「書く力」「考える力」「伝える力」の総合力だといいます。なんだか難しそうだと感じた人も安心してください。本書では、著者自身の豊富な経験のなかから、中学生のうちに知っておきたかったと思える、基本的な考え方や、現在も役に立っている習慣だけを厳選してコンパクトにまとめました。


本当のことはいつだって、偽物が教えてくれる!? ウォーホルなしでつくられたウォーホル作品は本物か? 高クオリティーすぎて、それ自体で価値のついた“オリジナル贋作絵画”とは? バナナ味とバナナの違いが明らかにする味覚の真実とは? いんちき化石を信じた18世紀の博物学者の顛末とは? 天然ダイヤモンドと人工ダイヤモンドはどちらが道徳的か? ネイチャー・ドキュメンタリーは本当に“自然”なのか? and more…!


「どうすれば科学者になれるのか」?研究生活、論文、ノーベル賞、科学の面白さ……日本の科学研究を牽引した著者が実例を交えて案内する。科学を見る目がガラッと変わる、全ての人に必読の書!


この書物が常にひろく読まれて来たのは、人間の生き方についての知恵を、広汎に縦横に与えるという魅力のためである――。孔子とその弟子の言行を記録した対話篇、論語。そこには、教養や学び、友情、道徳、政治、国家といった普遍的な主題をめぐる思考が刻み込まれている。中国における古今の注釈書だけでなく、日本の江戸時代における伊藤仁斎や荻生徂徠らの解釈を比較検討。中国古典研究の碩学が口述によって全章を解説する。


巨大隕石の衝突により出現したメキシコのセノーテ、呪術者たちによるいけにえの儀式、発掘された6000年前の最古の藍染、台湾原住民に施された顔の刺青、インディアン達によるゴーストダンスと青く染め抜かれたシャツ、南洋で見つかった土器、海の青い稲妻──。  太古から信仰され、神聖な色とみなされていた「青」。 


はかりきれいないものを、本は包んでやってくる。ポストに届く手紙のような書評集。日々書店店頭に立ちながら、さまざまな媒体で凛々しく透明感のある文章で様々な本を紹介してきた著者による書評集。ラジオから流れて来るパーソナリティーの思わず耳を傾けたくなるウィスパーボイスのような、あるいは遠く離れた知人から届く手紙のような、心に届く丁寧な文章で、新潮クレスト・ブックスに代表される外国文学をはじめ、日本文学、エッセイなど、書店の棚でひっそり読者に手にとられるのを待っている本たちの魅力が綴られます。


ハリウッドで書かれたあまりにも早い遺作、著者の遺稿を再現した版からの初邦訳。映画界を舞台にした、初訳三作を含む短編四作品、西海岸から妻や娘、仲間たちに送った書簡二十四通を併録。最晩年のフィッツジェラルドを知る最良の一冊、日本オリジナル編集!


20世紀フランスを代表する作曲家、オリヴィエ・メシアン(1908–92)の伝記。ロリオ=メシアン夫人が生前に管理していた膨大な資料をもとに、これまで公式発言の奥に隠れて見えなかった人間メシアンの真実に迫る。東京音楽大学教授・現代フランス音楽研究の第一人者の藤田茂が、読みやすい文章で訳した。


神話を下敷きにしたジョイス、ハードボイルドなチャンドラー、「方法」を提唱したヴァレリー。彼らは日々の生活を作品に昇華させた。19世紀後半~20世紀前半の世界文学史を転換させた名作を一気に紹介。


「なにかお話を聞かせて!」馬車に乗り合わせた少女にせがまれ、男の人はとっておきの話をはじめました。まずしい靴屋の息子のハンスが、たった一人でコペンハーゲンに旅立つ話です。歌ったり、おしばいをしたいというハンスの夢は途中で挫折しましたが、苦労のすえ、お話を書くことで、ついに自分の王国を手に入れました。この少年こそ、人々の心に残る童話をたくさん書いたハンス・クリスチャン・アンデルセンだったのです。『空とぶトランク』や『親指姫』『みにくいアヒルの子』『はだかの王様』『雪の女王』など、アンデルセン童話の名場面をたくみに織り込んだ伝記絵本。


近代市民精神の発見であると共に、寅彦随筆の転換ともなった「丸善と三越」をはじめ、「読書論」「人生論」「科学者とあたま」「科学に志す人へ」「わが中学時代の勉強法」「『徒然草』の鑑賞」等29篇収録。解説・角川源義、若松英輔。


今後の人生の孤独感を乗り越えるために、どうすればいいか。生きるうえでの仲間を作りたい。そのために長期計画でいろいろ模索している。もの作りの仲間を作りたい。私は結局、何かを作るのが好きだし、何かを作るのが好きな人が、好きなのだ。今、コロナで世の中は右往左往してるけど、少しずつ落ち着いていくだろう。思いがけないことを知るチャンスかもしれない。とにかく私は目の前のことを、変わらず今日もやっていこう。


長く読み継がれてきた童話から、映画化されたYA小説、21世紀のダークファンタジーまで、将来に残したい本、時代を代表するベストセラーなど100点を書影とともに紹介。物語の世界、影響関係や時代背景などを簡潔かつ丁寧に説明。


栄養の宝庫、豆。高級食材ではないが、持続可能な社会を目指す現代の貴重なタンパク源として注目されている。大豆やインゲン豆のほか世界の珍しい豆と料理法を多数紹介、人間と豆の九千年の歴史を楽しく読み解く。レシピ付。


●Netflixはどうやって190カ国で2億人を獲得できたのか?●共同創業者が初めて明かすNetflixビジネスとカルチャーの真髄。■Netflixの「脱ルール」カルチャー *ルールが必要になる人材を雇わない *社員の意思決定を尊重する *不要な社内規定を全部捨てよ *承認プロセスは全廃していい *引き留めたくない社員は辞めさせる


東京・阿佐谷で育ち、ピアニスト兼文筆家として活躍する著者が、井伏鱒二や太宰治も親しんだ「文士の町」としての阿佐谷の記憶と、いまも暮らすこの町の魅力を徒然に綴る。


終戦以降現在まで、日本の現代文学の総括的な評価・分析を行うという、類例のない評論集。日本文学を代表する60作品を選び論評を加える。文学運動・作家論などコラムも充実。


内面に渦巻く暴力性と、冷え冷えとしたニヒリズムを個人の問題としてでなく、近代の病として世に問うた三島由紀夫。死後50年、その内なる叫びを掬い取った決定的評伝。


「1964年から68年の5年間、私は全学連と全共闘など過激派と呼ばれた学生たちの写真を、その中の一人として撮っていた」(著者、本書より)。当時、警察の追及を逃れて写真のネガフィルムとベタ焼きを隠し続け、72年まで半年ごとに住居を変えながら、B5判のスケッチブックに貼り付けたベタ焼きを残した。2018年に全共闘50周年を迎え、北井は汚れたスケッチブックを取り出し、全ページをスキャナーで複写して、デジタル印刷で鮮明に蘇らせた。


二つの戦争を生き延びた韓国画家の、情熱的な半生ペク・ヨンス(1922~2018)は、第二次世界大戦と朝鮮戦争を生き延びた、韓国を代表する画家。その激動の半生を綴ったのが本書である。日本統治下の朝鮮・水原で生まれ、2歳のときに父が死去、母に連れられ、叔父が住む大阪に転居し、中学卒業後、大阪美術学校で洋画を学ぶ。校長は、吉川英治『宮本武蔵』の挿絵で知られる矢野橋村だった。矢野宅に起居しながら絵を学ぶ門下生としての生活がユーモラスに綴られる。


1891年に生まれ、1981年に世を去った祖父は、おのが半生を二冊のノートに綴っていた。戦争の記憶と美の崇高、ふたつともに捉えられ離れられなかったその生涯を、手稿を託された孫――作家ヘルトマンスが読み解いていく。 ベルギーにおけるオランダ語文学の「現在」を紹介するシリーズ「フランダースの声」第四弾。


映画監督・傅楡、そして台湾の、等身大の物語  傅楡は華僑の両親を持ち、台湾で生まれた。5歳の時に戒厳令が解除され、台湾は民主化へと動き出す。思春期を迎える頃、周囲には「中華民国防衛戦」のスローガンが流行し、アイドルに夢中だった中学時代、台湾は史上初の総統直接選挙に熱狂していた。 やがて彼女はドキュメンタリー映画と出会い、「ひまわり運動」を撮り始める――。


クラシック音楽はどこから来て、どこへ向かうのか? 神の音楽から人の音楽へ、そして世界音楽の時代へ──。 因果関係(ストーリー)が見える納得の音楽史! 西洋音楽の「西洋」って? その基盤となった古代ギリシャの音楽観とは? 多大な影響を与える3大宗教とは?── クラシック音楽の解説本は数あれど、


世界の女性はどこでどのように活躍し、抑圧され、差別され、生活しているのか。グローバル化、インターネットの発達等の現代的テーマも盛り込み、ますます洗練されたカラフルな地図とインフォグラフィックによって視覚的にあぶり出す。好評既刊『地図でみる世界の女性』の改訂版。オールカラー。


1887年仏領グアドループに生まれ、1910年代にはフランス本国の外交官として中国に赴任、長編詩『遠征』が国際的に激賞されるもまもなく詩作を封印し、第二次大戦前にはミュンヘン会談に臨席。戦後にノーベル賞を受賞、近代カリブ海文学の父とみなされたこの詩人の生涯はしかし、ある特異な自己神話化に彩られていた。とくに中国時代の手紙や初期詩篇を紹介し、詩人の全容を初めて浮き彫りにする労作。


一年に一度、先祖を迎えてともに過ごす夏の数日間、「お盆」。盆踊りやお盆休みなど、私たちの生活に浸透している行事だが、その本来の意味は忘れられているのではないだろか。今回、有志で「お盆研究会」を結成し、お盆を中心として国内外で様々な先祖・死者供養の儀式を調査した。遠野、郡上、アイスランド。その脈絡もない3箇所を訪れ、各地で脈々と続く風習を通して私たちが感じたものとは…。


近代ヨーロッパの医学と哲学を根源的に批判することを通じて、構築を目指した「医学的人間学」とは何か。その人間学を理論的に根拠づける「ゲシュタルトクライス」とは何か。修業時代のさまざまな出会い、同時代の思想家たちとの人的交流から、彼独自の医療実践がどのように形成されていったのか赤裸々に物語られる。二度の世界大戦を生き抜いたドイツの医者哲学者による自伝的告白の書。



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