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二十四節気の養生法【2021 小寒】

 明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 1月5日から1月19日(大寒の前日)までの2週間が「小寒」です。いよいよ冬も残り二節気となりました。「寒の入り」でもあり立春の前日が「寒の明け」。
夜明け前が一番寒くて暗いと言われるように、この30日間が最も寒い時期になりますね。暦便覧には「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也 」とあります。
 中国では、「冬至」から九日ずつ(1×9天(天とは日のこと)、2×9天、3×9天という風に)数えながら9回目の九日間、九九天(9×9天=81日)後の春を待つ習慣があるそうです。昔から冬至になると、「九九消寒図」という白い梅の花を書いて9日ごとに花びらを1枚ずつ赤く塗って春を待ち、またさまざまな薬膳入りのお粥やしゃぶしゃぶなどカラダを温めるごちそうを食べるそうです。

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 そして、三番目の三九天(9日間)が一年で一番寒い9日間と考えますが、今年は1月8日~1月16日の9日間が三九天となります。  
 漢方ではこの一番寒い季節に「陰陽論」に従い、夏の病気を治療する「夏病冬治」が行われます。「三九貼三九天灸」というお灸や専用の膏薬をツボに貼って喘息やアレルギー、慢性消化器疾患、リウマチなどの原因となる体質を改善します。夏病冬治といっても実際には春に起こりやすい症状の予防が目的です。「三九天」の治療効能は、温陽益気、健脾補腎益肺、袪風散寒、通経活絡。つまり陽気の不足、消化器系、呼吸器系の気血不足や風寒邪気の侵襲、気血の巡りの低下などを改善して免疫力を高め邪気に負けないカラダを作るのです。花粉症など春にツライ症状がある方は、このような早めの対策で春の症状が楽になりますよ。
 日本では、なかなか三九貼の膏薬などを処方してもらえる漢方医はありませんので、手軽にできるせんねん灸などでやってみるのも効果的です。
背中にある風や喘息などのツボや、足にある脾胃、腎のツボにせんねん灸をするのも効果的です。

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 小寒の七十二侯の初侯は「芹乃栄う (せりすなはちさかう)」と言い「セリが群れをなして生え、凍っていた泉が流れ出し、キジが鳴き始める」季節です。セリの性味は[涼、辛・甘]、帰経は[肺・肝・膀胱]、効能は[袪風湿、清熱、利湿、涼血止血、清胃滌熱、清熱解毒などがあります]
 去痰、食欲増進、緩下(便秘解消)、利尿作用や鎮痛作用もあり、神経痛、リウマチには陰干しした茎葉を布袋に入れて入浴剤として使われます。
 春の七草はこのせりのほかなずな・ははこぐさ・はこべ・ほとけのざ・すずな・すずしろの7種。この時期日本では健康を願って「七草がゆ」をいただきますね。お正月の間に飲み過ぎ食べ過ぎで弱った胃腸を調える効果もあります。
秋田県では根をきりたんぽ鍋の材料として好まれるそうです。セリ科の生薬は、当帰、川芎、茴香、柴胡などが有名で、さまざまな漢方薬によく登場しますね。
 中国では、一年で一番寒いこの時期の臘八節 (旧暦の12月8日今年は1月20日)に、もち米、緑豆、小豆、氷砂糖、くり、はすの実、ユリ、山芋、ナツメ、白きくらげ、竜眼、クルミなどを入れた臘八粥 (ろうはちがゆ)と言うお粥を食べるそうです。臘八節(ろうはちせつ)は、お釈迦様が悟りを開いたとされる仏教と儒教のお祝いの日で、お寺でのイベントがあったり、参拝者に臘八粥を振舞われ、この日を過ぎるといよいよ春節を迎える準備をはじめるそうです。日本でも中国でも長い歴史に培われた文化や伝統食がありますね。

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 冬の養生法の基本は「温陽補腎」ですが、温陽補腎の養生をする効果的な方法の一つが「足湯」「足浴」です。「寒凝血瘀」といって、寒い冬は手足の血流が悪くなり、末端冷え症の人も多くなりますが、こんな人にも「足浴」がオススメです。日本では寒い冬は「ゆったりと温泉に浸かって」というところですが、中国には近場に温泉が無いということもあり「足浴」がポピュラーです。生薬の入った入浴剤を入れて、少し熱めの足浴をすると全身がポカポカして、じんわり汗ばむほどに温まります。
 中医学は足を非常に大切に考えます。足陽明胃経、足太陽小腸経、足少陽胆経の終点で、足太陰脾経、足少陰腎経、足厥陰肝経の起点であり全身の経絡と深く繋がっています。経絡とは、気血の通り道です。
 黄帝内経霊枢本輸編に「腎は涌泉より出づ、涌泉なるものは足心なり」と書かれており、足は成長・発育・生殖・老化とかかわりの深い腎との関係も密接です。
 足浴のお湯はすぐに冷めてしまうので少し熱めがオススメ。出来ればポットなどを近くに用意して、冷めたら足し湯をして温度調整しましょう。
ぬるいお湯に浸かっているとかえって冷えてしまいます。時間は10~15分ぐらいでポカポカしてきます。
 夜に足浴をすると睡眠が改善され、朝にすると頭をシャキッとさせる醒脳作用があると言われています。ただし食後30分ぐらいは避けましょう。
 子どもでも簡単に出来て、しもやけ予防になります。また年配の人は入浴のため裸になって寒邪を受けたり心臓病(ヒートショック)の危険があるので足浴のほうが良いと考える人も少なくありません。
足浴によく使われる生薬は川椒、麻黄、桂枝、生姜、艾葉(よもぎ)など。足浴は冬に限らず春は陽気がカラダに貯まるように、夏は暑邪を吹き飛ばし、秋は肺を潤してくれ年中効果的です。自宅で気軽に行える伝統療法として重宝されており、中医学の「上病下治」(上半身の病気を下半身で治療する)という考えを日常生活に取り入れています。薬よりずっと効果的ですので面倒がらずに足湯習慣をつくりましょう。  

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京都伝統中医学研究所の"小寒におすすめの薬膳茶&薬膳食材"

1.「温陽補腎」の薬膳茶&食材  
温陽を補い気血を巡らせるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
 薬膳茶では、「からだを温める黒のお茶」、「なつめと生姜のチャイ」、「黒薔薇茶」、「肝腎かなめ茶」、「気血巡茶」など
 薬膳食材では、「新彊なつめ」、「枸杞の実」、「竜眼」、「蓮の実」、「松の実」、「マイカイ花」、「桂花」、「茉莉花」、「紅花」など 
 薬膳鍋セット「薬膳火鍋」、「手足冰凍鍋」、「冬の美肌薬膳鍋」、「四物鍋」は、薬膳食材もセットになってオススメ。
腎を補い働きを高めるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
 薬膳茶では、「肝腎かなめ茶」、「なつめ薬膳茶」、「なつめ竜眼茶」、「からだを温める黒のお茶」、「全部食べられる薬膳茶 桂棗黒豆茶」など
 薬膳食材では、「黒きくらげ」、「新彊なつめ」、「枸杞の実」、「竜眼」、「金針菜」、「紅花」、「マイカイ花」など

2.いろいろお豆のお汁粉セット…をお粥に!
 薬膳スィーツとして「いろいろお豆のお汁粉セット」を販売していますが、中身は「小豆・緑豆・金時豆・蓮の実・黒豆」の五種の豆類です。五色をバランスよく配合して五行周流。ココナツミルク味で味付けて東南アジア風のスィーツとして人気がありますが、この季節はこれをそのまま「いろいろお豆のお粥」にもアレンジするのがオススメです。年末年始に飲み過ぎ食べ過ぎたという方は、ぜひお試しください。お腹の調子がグッと楽になりますよ。お好みで百合やヤマイモ、白きくらげなどを加えてもOK。

3.漢方入浴剤 
 ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」もこの季節の養生にオススメ。

中医学の知恵を毎日のくらしに活かして、体質改善や病気の予防に役立てて下さい。

商品は各ショップでお買い求めいただけます。
京都伝統中医学研究所 楽天市場店 https://www.rakuten.co.jp/iktcm/
京都伝統中医学研究所 ヤフー店 https://store.shopping.yahoo.co.jp/iktcm/
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  次回は、1月20日「大寒」ですね。いよいよこれからが本当の冬本番。
気温もグッと低下し0℃以上に上がらない日や所もあります。
屋外での長話や活動はくれぐれも冷えに注意し、しっかり防寒対策をしてお過ごしください! 
 

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