海外で育てると子供が「生意気になる」は本当か

こんにちは。野本です。

ツイッターを見ていたら、「子供を海外で育てたら生意気になった」という趣旨のお母さんの声が紹介されていました。

日本では親や先生の言うことに逆らうと、「素直じゃない」と叱られますよね。ところが、今流行りの欧米式教育では「批判的思考」を育てます。親の言うことや、ときには書籍に書いてあることでも、子供たちは、おかしいと思えば遠慮なく指摘するよう、指導されるのです。

情報があふれる時代、書いてあることを「本当か、嘘か」見抜く力は重要。子供たちは、なんに対しても疑問を持つことを推奨されます。

あるマレーシアの学校では、環境破壊をテーマにした授業で、自宅での環境をチェックするという内容の宿題が出ました。親たちは購入した革製品などを子供たちから批判され、「お母さん、もう少し環境を考えて」などと言われ、戦々恐々だったそう。

我が子もそうです。親の私が間違っていると思えば、遠慮なく指摘してきます。「片付けなさい!」と怒鳴れば、「ママ、怒鳴ることでは何も解決しないんだよ」と言われるし、「お母さんの方が偉いんだから、言うこと聞きなさい」と言っても、通用しません。

特に今流行のインターナショナル・バカロレアなどの教育方式では、もはや、親と子、先生と子は対等なんですね。

かつては本などで知識をたくさん学んだ「知識持ち」が尊敬されていましたが、今ではインターネットで瞬時に情報が引き出せるため、必ずしも年長者が本当の意味での「知識もち」とは限りません。それどころか、年長者が10年も前に学んだ内容は凄まじいスピードで風化し、ほとんど役立たない情報に成り果てていることすらあるのです。

今、子供に「仮想通貨って知ってる?」と聞けば、「先生に口座作るように言われたよ」と返されるし、「Wikipediaは信用しちゃダメよ」と言えば、「知ってる。僕編集権もらって編集したことあるから」と言われる、「シンギュラリティが来るみたいよ」と言えば、「Youtubeで世界中の科学者がそれ前提に議論してるよ」と言われるといった具合です。「お母さんが何かを教えようとするのは、江戸時代の人が巻物を使えっていうのと同じだよ」と言われたこともあります。

もう親が教えられることは、少なくなりました。

ただし。

こういう教育を受けた子供たちが日本社会にあう人材なのか、といわれると、ちょっと難しいだろうな、と思いますね。だから、日本で働きたいと思っている人は、やはり日本の教育を受けた方が無難なのかも知れません。

とはいえ、今後日本社会でも、観光業界のようにお客さんがグローバルな人々、という業界が増えていくでしょう。すると、お客さんである海外の人々に合わせて、日本社会の人々の考えも、少しずつ変化していくのではないでしょうか。

そのときには日本でもこの「生意気な子供たち」が活躍する時代となるかも知れませんね。

(終わり)




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