【グローバル子育ての現場から】やる気のない子供はどうしたら動くのか

こんにちは! マレーシア在住6年の野本です。

最近、海外で子供を教育する保護者の皆さんからの相談をいただきます。悩みごとのナンバーワンは、「子供のやる気がない!」です。

さて。マレーシアなどの欧米式の教育に馴染めないお子さんには、
ー受け身である
ー質問が苦手である

という人が少なくありません。

ただ、先生の言うことを聞いていれば良い日本の学校とは違い、アクティブラーニングでは、わからないことを質問する、課題を自分で設定する、という能力が重要になってきます。

本人がやる気がない、興味が持てないことは、いくら優秀な先生が良いシステムで頑張って教えても、入っていきません。

なぜやる気が無くなるのか

マレーシアのSTEM塾を手伝う中で、たくさんのお子さんを見るのですが、小さな幼児はだいたい好奇心の塊です(中にはとってもシャイなお子さんもいますが)。「なぜ、なぜ」とうるさいくらいに質問したり、元気に探検したりする子が大半です。そのまま大きくなれば好奇心でいっぱいの人になるでしょう。

そうなっていない場合、その子が「やる気をなくした」原因があるのです。

原因は、学校かも知れないし、家庭かも知れないです。退屈な勉強を強要されているうちに「勉強はつまらんものである」とインプットされた子もいるでしょう。親にあれはダメ、これはダメと言われ、毎日机に座らされて計算ドリルをやらされたりしているうちに、いつの間にか勉強大嫌いになってしまう……。

ある学校の先生はやる気が全くなくなった子を、「ゾンビになってしまった子供」と呼んでいました。
実は我が家もまさにそんな感じで、日本の小学校1年生が終わるころには、まるでゾンビでした。

好奇心を殺さないということ

息子は、幸い、マレーシアに来て元気を取り戻しました。そして今では、「知りたいと思った時にすぐ調べる癖をつけないと、好奇心がしぼんでしまう」とよく言っています。彼にとっては好奇心が全てなのだそうです。

息子のホームスクールでは、知りたいと思ったことを先生がトコトン教えてくれます。
例えば、小学生の頃、「タイムマシンってあるんですか」と聞くと、「ヒントとなる特殊相対性理論という考え方があってね」と教えてくれたり、「サイン、コサインってなんですか」と聞いたら、三角関数を教えてくれたり、と言った具合です。

疑問や興味を持って質問しても、家や学校で「あとでね」「もう少し大きくなってから」「今は目の前のことをやるべき」などといわれ続けると、質問する気持ちがなくなって行くのだと、彼は語っています。これも一理ありますね。

なんでもやらせてみよう

じゃあ、従来型の教育で、何事にも興味ややる気を失ってしまった子は、一体どうすればいいんだろう?

私は専門家ではありませんが、相談を受けたら、ゲームでも漫画でもスポーツでも料理でも、本人がやりたいことを思う存分やらせてみたらどうですか、と答えています。

そういうと、だいたいすごくビックリされます。

うちはYoutubeや漫画は子供に見せてないんです」ってお母さん、多いです。気持ちはわかりますが、今の子供たちはデジタル世代。例えばYooutubeから見つかる興味だって多いのです。

常夏のマレーシアから今年オリンピックに初出場したフィギュアスケートのジュリアン・イー選手にインタビューしたら、小さい頃にYoutubeで有名フィギュアスケーターの映像をみて古い選手たちに憧れたそうです。

同じくマレーシアで和食のチャンピオンになったシェフは、小さい頃に「料理の鉄人」を見て強く影響され和食に興味を持ったと話していました。

両方とも、本ではおそらく学べません。動画がなければ、多分彼らの人生はだいぶ違ったものになっていたでしょうね。

我が家もYoutubeが大好き。初めはヒカキンやはじめしゃちょー、ゲーム実況やアニメなどに夢中でした。だんだんロシアやドイツのライフハックなどの海外の動画を見るようになり、今は、科学動画や数学動画、それからマイケル・ジャクソンに夢中で片っ端から歌と踊りを覚えています。

もちろん、そのままネットの世界に沈没しちゃう人もいるでしょう。反対に、そうじゃない人もいるでしょう。結局のところ、その先の人生をどう生きるかは、選択肢を見極めた上で、その子が考えるしかありません。

残念ながら、今の時代、親にできることは少ないです。広い世界を見せ、選択肢を与えるくらいしかできることはないと思っています。(終わり)


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