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【知的障害の兄を育てる母を見てきて】大変さと凄さを改めて実感したお話

子どもを出産し、子育てをすること。

望んで出産しても、子育てが忙しく自分の時間が取れないなど、おそらく大変な時期はあるのだと思っています。


もしその自分が産んだ子どもが障害児だったら。


私には想像できない大変さがあると思っています。

これまで、きょうだい児の思いを書いてきましたが、今回はきょうだい児から見る障害児を育てる大変さを書きたいと思います。(私は出産した経験がないので、ところどこは想像で書きますのでご容赦ください)


障害受容


想像するに障害児を育てる前に大変だと思うことは、障害受容することです。

障害が悪いことではありません。

しかし、妊娠中から障害児が産まれてくることを望む人はいないと思っています。

元気で丈夫な子どもが産まれてくることを誰もが願っているはずです。

そのため、自分が産んだ子どもが障害児であったら、そう簡単には気持ちが整理できないと思います。


兄は知的障害のため、出産すぐには障害児であることはわかっていなかったです。

2歳児3歳児健診で、障害があることがわかったと聞いた記憶があります。

私は残念ながら産まれていないため、兄に障害があるとわかった際に母がどういった気持ちになり、それを受け入れるためにどの程度の時間がかかったかは想像できません。

しかし、そう簡単に障害を受容できたとは思いません。

このことについて話を聞いたことがありませんが、ただ、計り知れない困難があったと思っています。

そこから8年、母は私を出産しました。

この長さが、なんとなく障害受容や子育ての大変さを物語っている気がします。


障害児を育てる


母の子育てを見て、もちろん大変だと思います。

子どもが言うのはどうかと思いますが、すごく大変だと感じています。


その理由としては、いつまでも送り迎えが続くからです。

幼稚園、小学生ぐらいまでは一般的に親は習い事などに送り迎えをするとは思いますが、中学生になれば自分で塾にも、部活の試合にも行けると思います。

そのため、小学校を卒業すると親にとっては、短時間勤務を止めることができたり、自分の時間が増えたりするのかなと考えます。


一方で兄の場合は、永遠に送り迎えが続きます。

兄ももちろん、一人で登下校ができるように練習しました。

できるようになっても、問題が起きたりと、安心して一人で登下校をすることは厳しいです。

だからと言っても、スクールバスを利用するのではなく、一人で登下校ができるようになってほしいという思いが母にはあり登下校を練習していました。

学校には何とか1人で登下校ができるようになっても、習い事は送迎しないといけないなど、一般的に比べるとおそらく送り迎えに掛かる時間は長いと思います。

それにも関わらず、母は兄に多くの習い事をさせ、社会との関わりや経験をたくさん積ませることをしていたと感じています。



私が見ていてもう1つ大変だと感じることは、パニックを抑えることです。

障害特性上、嫌なことや思い通りにいかない、先が見えないなどの状況では兄はパニックになることが多くあります。

これは幼い頃から変わっていません。

しかし、兄の体は成長し、母よりも背が高くなり、力が強くなりどんどん成長します。

すると、今まで止めらていたパニックも力が強くなるにつれ、暴れる大きさが大きくなったりと母1人ではどうにもできません。

周りの男性1人でもおそらく厳しいです。

そんな兄にきちんと向き合い、パニックを治めることはとても大変なことだと感じています。



今回は2つ挙げましたが、これだけに限らず毎日の生活の食事、着替え、勉強、お風呂など一般的には幼少期を過ぎると1人でできることが、終わることなく続いていきます。

私はもし自分がやらなきゃいけないとなったらと考えると、大変すぎて続けられる気がしません。


今は、兄が施設にいるためこのようなことは週末ぐらいで済みますが、施設に入るまでの20年以上このような面倒を見続けてきた、加えて私を育ててきたと考えると頭が下がる思いです。

兄が成長すれば、自ずと母は歳をとり、体力も若い頃のようには続きません。

それでも、兄の体は大きくなりこれまで以上の力が必要になることが増えていました。


この一生子育てが終わらないことが、大変であり、それを続ける母が私はすごいなと思っています。

もっと体を労ってほしいし、休んでほしいけど、家事や兄の面倒を見ることは代わりたくないというわがままな私の思いです。


最後に


障害児に限らず、子育ては大変でそれを続けている親はすごいと思っています。

その子育てが一生続いていく人生を送る母は偉大な母です。

今回は、きょうだい児から見る知的障害の兄を育てる母の大変さや凄さを書いてきました。

他の家族も、同じような生活を送っているわけではないので、一例に過ぎませんが、障害児を育てる親の苦労や凄さが少しでも伝わればいいなと思っております。


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