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ナマケモノ日記 第13回~社会に溺れかけたナマ子の中学時代~後編

私たちは、NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp/

このナマケモノ日記では、Sottoの事務局勤務経験者で、Sotto随一の怠け者と定評のあるナマ子さんが、その独自の目線から見たSottoのことや生きづらさなどをテーマに、ゆるすぎる文体と独自の感性で綴ってもらいます。
Sottoの活動に興味を持っていただいている方もそうでない方も、物珍しいものを見るように、気軽に覗いていってくださいませ。

前回はコチラ→  ナマケモノ日記 第13回~社会に溺れかけたナマ子の中学時代~前編
第1回はコチラ→ ナマケモノ日記 第1回~はじめまして、ナマ子です~

前編を先にお読みくださいm(_ _)m

親への反抗

 行き場のない感情を音楽の世界に没頭することで何とかやり過ごしていたナマ子ですが、やはりそれだけでは不十分で、溢れ出した感情は反抗という形に変換され、親に向いてしまうのです。

引っ越しを決めた親が悪いんだ!引っ越をしないで、小学校の友達と同じ中学校に通っていれば、こんな苦しい思いはしなくて済んだのに!!
・・・と、やり場のない感情を一番身近な親に向けてしまいました。
これは、当時12歳~13歳という幼いナマ子は、そうやって溜まった思いを発散するしかなかったのです。。。

どうして学校に行けなくなったのか、自分自身もはっきりと理解できておらず、分からないことを分からないままに生きていくことは、当時のナマ子には難しすぎました。。。
だからね、誰かに責任を負ってほしかったのです。。。。
いや、そうせずにはいられませんでした。。

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▲自分の気持ちがよく分からずに一人考え込む中学生のナマ子

結果。。。。。親とは必要最低限のこと意外、ほとんど口をきかない状態になります。。。
ナマ子ママ&パパ。。あの頃はごめんね。。。

どの選択肢が正解?

 今になって思えば、学校に行かなくても生きていく選択肢はあり、他の選択肢だってナマ子ママ&パパは示してくれていたので、思い切って違う環境に飛び込むのもアリだったのかもしれません。
また、当時荒れていたナマ子に選択肢を与えてくれたママ&パパにも感謝しています。

当時は今より視野が狭かったし、どうしても冷静になれなくて。。。。
ただただ一人部屋にこもり、自分が壊れないように恐怖心と闘うことで必死だったのです。
ちなみに。。大人になってから、「あの時提示してくれた他の道を歩めばよかったと思うことがある」とママ&パパに話したことがあるのですが。。。

どうかな~?こっちから出した選択肢の中から選んだとしても、ナマ子には合ってなかった気もする~」と、まさかの返答(/・ω・)/
まぁね、まぁね、、確かに、、そんな気がすることも確かで。。。
時に人間は、かつて選択しなかった方の人生に希望を見出しますが、それも確かなものでは決してないのです。。

ナマ子パパ、倒れる

 話は中学時代に戻ります。
ナマ子の終わりの見えない闘いに、急展開が訪れます。。
ある日、ナマ子パパが仕事中に倒れてしまうのです。。。
ナマ子ママから、パパが倒れたことを聞いても、自分が抱えている恐怖や不安の方が大きくて、何だか他人事のように感じたのを覚えています。
ママは連日病院通いが続き、ナマ子ファミリーはナマ子の不登校どころじゃなくなります。

ここで、ナマ子の面倒を見にきてくれたのが、新キャラであるナマ子バーバ(おばあちゃん)でーす。
実はナマ子バーバ、すごくマイペースかつちょっと変わったところが多い人で、とんがっていた当時のナマ子もバーバには心を許していました。
親と口をきかない生活にも疲れ、どうしていいか分からなくなっていたので、バーバが来てくれたことに、ホッとしたのを覚えています。

 当時のナマ子は、うまく生きられない苦しさを親にぶつける自分を反省しはじめていたのですが、素直に謝ることもできず、意地を張って収集がつかなくなっていたのです。
そして登場したナマ子バーバが放った「ママと口きいてあげなさいよ~かわいそうじゃな~い」という一言に、意地を張っていた心が溶け、少しずつママと話すようになれたのです。

学校に行くことを決意

 幸いナマ子パパの体調は回復し、仕事にも復帰することになります。
ただ身体に負担がかからないようにと、職場に近いところに引っ越す必要が出てきました。
パパのストレスの一因が自分にあることは自覚していたので、引っ越しに反対せず受け入れました。

そして、これ以上パパに迷惑をかけたくなかったナマ子は、残りの中学校生活(約1年半)をもはや捨ててしまおうと決意するのです。
どういうことかというと、自分の感情は一切押し殺し、仮の自分になり学校には毎日行こうと決意したのです。。。
(とにかく極端なナマ子。。)

 実は、ナマ子パパは学校の先生をしていたのです。
だからね、ナマ子が登校拒否を続けていたらパパは肩身の狭い思いをすることが想像できたので、これ以上パパに負担をかけることだけは何が何でも避けたかったのです。
パパが倒れたことで、当時のナマ子がパパのために自分ができることを考えた結果、学校に行くという結論になったのです。

パパはそんなことを望んでいたのかと今考えると、決してそんなことなかったと思うのですが、当時のナマ子なりに一生懸命考えたうえでの結論でした。
それからというもの、ナマ子は自分の決断に途方に暮れながらも従い、何とか中学校に通い卒業を果たします(その間もラクじゃなかったけどね。。)。

 自分を捨てて学校に行くという14歳のナマ子の決断、それが正しかったのかは未だに分かりません。。。
ただ、一つおそらく確かなことは、、ナマ子パパがあの時倒れていなければ、あのまま学校に行けない日々が続いていて、今の自分とは違う道を歩むことになっていたんじゃないかということです。
それが良い方に行っていたのか悪い方に行っていたのかは、本当に分からないのです。。

唐突な展開から、ほとんど無理矢理に登校拒否に終わりを告げたナマ子ではありますが。。
お察しの通り、まだまだ、闘いの日々は続く人生となるのです。。。
高校に入ってもまた色々なことがあり。。
ひとまず、ナマ子の中学時代の振り返りはここまでにしておきます。

大人になれないって、実は素晴らしい?

 実は今回のナマケモノ日記は、引きこもっていた当時よく聴いていた曲を聴きながら書いてみました。
あの頃のことは、今でも思い出すと感情を大きく揺さぶられる部分のため、書いている間は確実に心でタイムスリップしていました(大丈夫~??って思われそうですが。。大丈夫よー)。

実際、自分でも驚くぐらいに当時の記憶や感覚がリアルに蘇ってきて、涙が溢れ、嗚咽してしまうほど泣いてしまう場面もありました。。
何というか。。書いていて思ったのは、当時と今の自分って、変わらない部分がすごく多いな~と。。。

もちろん、色んな経験を経て冷静に考えられるようになったり、うまくいかない現実への対処法を学んだり、昔ほど極端な選択はしなくなったりということはあるけど、それでも根っこの部分はあの頃とずっと変わらずで。。
大人になれていない大人。。そんな言葉が自分にはふさわしいように思うのです。。

まぁ。。そもそも~、大人って何なんでしょうね??
今でこそナマケモノを自称したり、ぬいぐるみをキャッキャ言いながら紹介したりしていますが、こんなナマ子も大人になれない自分に苦しんでいた時期がありました。
でもね~。
大人になれずに子供のような感覚を持っていられるっていうのは、見方によっては素晴らしいことかも?なんて思ったり。。

うーん。。例えるなら、成犬なのにお肉やおもちゃを前に出されると子犬のようにはしゃいじゃう姿って、かわいいじゃない???←ちょっと違うか。。。。
まぁ。。とにかく変わらない部分をしっかり持っている自分を褒めてあげたいと思います。

最後に

 最後にお伝えしたいのは、ナマ子はパパが倒れたことから自分を押し殺して学校に行くことにしましたが、これはあくまでナマ子一人の経験であって、他の人に「こうした方がいい」と勧めているわけではありません。
人それぞれ状況は違うので、ナマ子の経験は誰かには簡単に当てはめられないしね。。(当時のナマ子に他の人の経験が当てはめられなかったように。。)

今、事情は違えど昔のナマ子みたいに学校に行けなくて、そんな自分に苦しんでいる人がいたら、、いいアドバイスはできないのですが、どうか自分の素直な気持ちと自分のことを大事にしてあげてほしい。。。ナマ子はそう思っています。
そのうえで、何らかの決断をしないといけないタイミングが来ることもあるかと思いますが、大人になっても正しい答えは分からないので。。
せめて自分を大切にして、自分なりの答えを出してみてほしい、なんて思ったり。。

その結果として学校に行くとか行かないとか、そういう答えになったとしても、それ以前に自分の気持ちの方が大切なので。。
でも、当時のナマ子は自分を押し殺しても学校に行くことが自分にとっては大事なことだと感じていたわけだし、「自分を大事にする」って一口で言っても曖昧で難しいね。。(このテーマだけでナマケモノ日記一回分書けそうだわ。。)
とにかく、今つらい思いをしている人が感じていることや大切にしている思い、それは大切なもので決して否定されるべきじゃない、とナマ子は思います。

 いずれ、ナマ子のこれまた波乱の高校時代のこと(ナマ高?)も書いてみたいのですが、これがね。。。どうまとめればいいやら。。
高校も波乱なんかい!って言われるかもだけど、それぐらいナマ子の生きづらさ街道は続くのです(;´Д`)

まぁまぁ。。またナマ子の昔のことを書いた時は、ぜひ読んでもらえるとナマ子ハウスのぬいぐるみたちも喜びます(って。。なぜか、ここで意味もなく、突然ぬいぐるみを登場させる。。)。

ではでは、疲れたし現実に戻って早速寝まーす😪グゥースピスピ

ナマ子

~おまけ~

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▲ナマ子ママが送ってくれた手作りマスクを着けるナマステ&ナマスケ

~追記~
この記事では書ききれなかったエピソードについて話をSottoラジオ第31,32回でナマ子さんが話してくれています。
ぜひこちらもチェックしてみてください!↓


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