ナマケモノ日記　第11回～「美しさ」と「醜さ」の狭間で～

私たちは、NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp/

noteではシンポジウムの内容や活動について、関係者のインタビューなどを更新しているのですが、今回は打って変わり、Sottoの事務局勤務経験者で、Sotto随一の怠け者と定評のあるナマ子さんの月刊連載「ナマケモノ日記」をお届けします。

Sottoの内実のことや、ナマ子さん目線での生きづらさなどをテーマに、ゆるすぎる文体と独自の感性で綴ってもらいます。
Sottoの活動に興味を持っていただいている方もそうでない方も、物珍しいものを見る気持ちで、どうぞ覗いていってくださいませ。

前回はコチラ→  ナマケモノ日記　第10回～お一人様でランチを～
第1回はコチラ→ ナマケモノ日記　第1回～はじめまして、ナマ子です～

ナマケモノ日記　第11回～「美しさ」と「醜さ」の狭間で～

「リンダリンダ」の衝撃

ドーブネーズミー　みたいにー　美しく　なりーたいー
写真には　写らない　美しさ　が　あーるーかーらー

　いきなり、ブルーハーツの曲「リンダリンダ」の歌詞から始まった第11回のナマケモノ日記。。。
いきなり何！？また音楽の話！？この前（第8回）も書いてなかった？？じゃないのです。
実はね～。。。
話はさかのぼり、1月某日。。
Sottoの新年会（2次会のカラオケBOX）にて。。

第8回のナマケモノ日記でも書いた通り、ナマ子は超音痴なんですが。。
自分は歌わないけど人の歌を聴いているのは大好きで、たとえ飲み会の2次会会場がカラオケになっても参加はするのです！
1曲ぐらい歌いなよ～！って周りからは言われるのですが、そこはナマ子ガード発動。。
絶対に歌わない頑固なナマ子。。ふふふ。ナマ子 is 頑固。

　そんなわけで、気心知れた皆と過ごすSottoの新年会でも、1曲も歌わずに過ごしたナマ子ですが～。。。
Sottoのメンバーが歌うブルーハーツの「リンダリンダ」を聴いていると、今更ながらこの曲の歌詞ってすごいと感動。。
思えばこの曲を初めて聴いたのは小学生の頃でした。

衝撃とか、そんな言葉では現わせないほどのインパクトで。。。。。ドブネズミを美しいと感じる心って？？？すげーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！
と、当時すごく単純だったナマ子（今も？）は思ったものです。
音楽好きなナマ子はこれまで色々な音楽に触れてきたけれど、もしかしたら後にも先にも、これほどの衝撃を受ける歌詞って、もう無いのかも～と思っちゃう。。

美しいものを求める生き物

　この流れだと、「音楽」をテーマに語る回になりそうですがっ、ちょっと違うのです！
今回のテーマは、「ドブネズミみたいに美しくなりたい」という歌詞に触発されて、ずばり「美醜」についてです。
あおあおあおあおあ、難しいテーマだよ。。。。
毎度のごとくすでに締切を過ぎているので。。。焦っているナマ子です。。。。
焦っているクセに、、、Netflixで映画を立て続けに3本観る始末。。

　人間って、多かれ少なかれ美しいものを求める生き物ではないかと思うのです～。
人間だけじゃなく、他の生き物も、やはりそれぞれのものさしで美しいものを求めているのではないかな～と。
それ自体が良いとか悪いとかって一言では言えないと思うのです（ある種、本能みたいなものなのでね）。

同じ人間でも、何を美しいと感じるかは人によって違って、それが「リンダリンダ」の歌詞には表現されてるのかな～と。
たとえば、一般的には、汚れのないつやつやした毛並みの猫が美しいともてはやされるけど（たとえに猫を使う。。）、ブルーハーツは泥臭く、地面に這いつくばって生きるドブネズミこそ美しいと叫んだんだよね。。
初めて聴いたとき、そんな歌詞にそれまでの価値観が大きく揺さぶられたように思います。。

ナマ子の醜いところ

　そして世の中に美しいものがあれば醜いものもまたあって、同時に人の心にもその両方があり。。
ナマ子だって自分の中に醜さが存在していることを認識しています。
ナマケモノ日記の第4回で書いたように、怒りに燃えるブラックナマ子状態になったり、自分にないものを持っている人を見て、羨ましいを超えて妬ましくなったりすることも。。
ここには書かないだけで、他にも醜いところをたーくさん持っています。。。
もしかしたら、ナマ子って腹黒？って自分で思っちゃうことも。。

▲お腹が黒いナマ子さん（と同じナマケモノとして共感するぬいぐるみのナマステ＆ナマスケ）

こんな腹黒？でナマケモノな自分のことは嫌いじゃないけど（嫌いだったらこんな連載やりません。。）、やっぱりどこか人としてもっと美しくなりたいとか、醜いところをなくしたいと望んでいて、それで苦しんでしまうんだよね。。（脳天気そうなナマ子も悩むのですん。。）
人は美しいものを求めると同時に、醜いものから逃れようとせずにいられないのかもしれない。。なんて思うナマ子。

「美しさ」と「醜さ」の共生関係

　そんなことを考えていたんですが、いまいち文章として考えをまとめられず、ナマケモノ日記を編集してくれている担当に相談をすることに。。
すると、「ブルーハーツの歌詞にしてもそうだけど、何かを『美しい』と評価した瞬間、そこには『醜い』ものも同時に生まれてしまうのかも？」というようなことを言われて。。

つまり、何かを「美しい」と評価するにはそのための基準が必要なワケで、たとえば「リンダリンダ」の歌詞で言うと、「ドブネズミ的な生き方（泥臭く生きること）＝美」という基準があるわけですが、世の中にはペルシャ猫や土佐犬やカメレオンたちのように、様々な生き方があるわけで。。（たとえが全部動物。。あっ！！！肝心のナマケモノを忘れていたーーー）
普段「醜い」側に分類されるドブネズミを「美しい」側に持ってきたら、それ以外の生き方で、反対方面にあるものを「醜い」側に追いやってしまう。。
つまり、関係が逆転しただけで、美醜によって優劣がつけられる構造自体に変わりはないし、美を求めることによって生まれる苦しみはなくならないと。。

こんなことを編集担当さんに言われ、初めて「リンダリンダ」を聴いたときと似たような衝撃を受けたのです。。（どーーーーーーーーーーーん）←分かりやすい衝撃音。。
「〇〇が美しい」と言ったときに、同時に「〇〇でないものは美しくない」という評価も生まれてしまう、というような考えはナマ子にはなかったので。。。
あぁぁ　そういうこともあるのかーーーーーーと。おどろきぃ（きぃきぃきぃ）。

　もしかしたら、ナマ子自身、「リンダリンダ」を聴くときも、何かに対して「美しい」と言うときも、無意識のうちにその対極の「醜い」ものをこの世に作り出してしまっていたのかも。。なんて思ったり。。。
そんなことを延々と考えていた結果。。。。今回の記事はこれまでのナマケモノ日記でも最高級に筆が進まず。。
書けたと思ったら、何が言いたいのかはっきりしない文章になっていたり。。
なんとなんと、合計で３回も書き直すハメに。。。（のーーーーーーーーーーーーん）

きっと自分の内面においても同じで、「自分の○○なところが好きだ」という考えがあると、そこに当てはまらない部分は嫌いになってしまうこともあるんじゃないかと。。
自分の良いところを認識したら嫌いなところも生まれて、結果として自分自身を好きになれない（人によるけど、人間はマイナスな方を見やすかったりもするし）、そんなこともあるんじゃないかな～と思うのです。。
じゃあ、最初から何かを「美しい」とか「良い」とか評価しなければいい、っていうことは言えるのかもしれないけど、やっぱり比較して優劣をつけたがるのは人間としてやめられない気も。。
ああーーーーん！どうしたらいいのーーん。。。

醜さを許すこと

　これだ！っていう答えは見つからないけど、ナマ子なりに考えてみた結果。。
自分の醜い部分も許してあげる、っていうことができたらいいのかな～～と。。
嫌いな自分を好きになるとか、認めて受け入れる！ってなかなかできないと思うのです。

そこまでいかなくても、自分の中に醜いところやだめなところがあるのを、嫌いなままでもいいから何とか許してあげる、、（あげるあげる）
それくらいならかろうじてできるし、逆に言うとそれくらいしかできることってない気もする。。
それだって難しいことだし、ずっと自分の醜い部分と付き合っていくのも楽じゃないけどね。。(；・∀・)

　ナマ子は今だって「美しさ」と「醜さ」の狭間で悩みながら生きていますが、それでもここ数年でそれ以前よりはマシになりました。。
やはり、Sottoのことを知って活動に加わったことが一因としてあるのかな～と。
Sottoの研修（過去に記事で紹介しています～）を受けて、他の個性的なメンバーと活動を共にするうちに、考え方が柔軟になったというか、ちょっと視野が広がった気がします。
とはいえ、、コンディションが悪いときなんかはやっぱり、ナマ子の醜い部分が顔を出してくるんだけどね。。（ニョキ）

　「リンダリンダ」から「美醜」について考え始めて、結局着地点が見つからない今で（汗）、考えれば考えるほどに難しくなっていく一方で。。
今回はちゃんと書けてるかな。。とちょっと不安。。（これまでもちゃんと書けてたの？？というセルフツッコミ。。）
m(_ _)m
「美醜」についてはずっと考えていきたいテーマなので、またナマ子なりに考えがまとまったら、またナマケモノ日記で書こうかな。。
おととい買ったとり天弁当の余りが冷蔵庫にあるから、それ食べて今日はもう寝よう。。
ﾑｼｬﾑｼｬ。。zzZZ。。

ナマ子