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ナマケモノ日記 第15回~廃墟風のビルが落ち着くナマ子~

私たちは、NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp/

このナマケモノ日記では、Sottoの事務局勤務経験者で、Sotto随一の怠け者と定評のあるナマ子さんが、その独自の目線から見たSottoのことや生きづらさなどをテーマに、ゆるすぎる文体と独自の感性で綴ってもらいます。
Sottoの活動に興味を持っていただいている方もそうでない方も、物珍しいものを見るように、気軽に覗いていってくださいませ。

前回はコチラ→ ナマケモノ日記 第14回~ナマコ・ストランディング ほどよい距離の取り方~
第1回はコチラ→ ナマケモノ日記 第1回~はじめまして、ナマ子です~
マガジン→https://note.com/kyotojsc_sotto/m/mbfeecabab7d6

ナマケモノ日記 第15回~廃墟風のビルが落ち着くナマ子~

 最近、ナマ子ハウスの両隣に高層の建物が建ちつつあり、しばしば日中に工事音に悩まされることに。。。
日によっては昼までグッスリ寝てるナマケモノにとっては致命的。。
そんなことから、引っ越しを切に望むようになっているナマ子です。。。
うーん。まさかの展開~~。

実は何年か前(まだSottoに関わり始める前)に一度、引っ越しをしようかと考えて新居を探した時期がありました。
ここがいい!と思える物件に出会えず、これは引っ越しをするタイミングではないんだな。。と、諦めたことがあります。

引っ越しの多い人生なのもあってか、一箇所に長く留まることをあまり望まないタイプのナマ子。。
もしかしたら~、この両隣の工事は今こそ引っ越しの良いタイミングというサインなのかも~なんて考えちゃったり。。。
そして、そして、何とな~く、ネットで良さげな物件がないかと探してみて、思ったことや思い出したことを今回は書き連ねていこうと思います。。。

王道は好まないナマ子

 お部屋の好みも人によって様々といえど。。
お部屋探しの際って、ある程度好まれる条件(王道の物件)ってあるかと思うのです~。。
立地や設備が良くて、家賃はそこそこで、など。。
そしてやはり、新しめで綺麗な物件がよく望まれるのかな~と。

しかしナマ子の好みの物件は、そんな基準からちょっぴり離れていて。。。
というわけで~。。本日は過去にナマ子が住んだことのある物件の話を語りつつ、何となーくナマ子が落ち着く場や条件について、常に世間のスタンダードからちょいズレ気味のナマ子目線で書いてみようかと思います~。

 ナマ子の場合、綺麗な物件ではなく、少しほの暗い雰囲気を醸し出すやや古びた建物が(廃墟チックなビル)が落ち着くのです。
実際、過去の部屋探しを思い返しても、いかにも怪しげな建物を探して住むのが恒例でした~。

一見すると人が住んでいるとは思えないような佇まいのビルなんて最高で。。
どこか、時の洗礼を受けながらもしっかりとそびえて、ただそこにあるだけで何かを主張しているような、そんな雰囲気がたまらないのです。
でもね、そんな建物って中に入ると案外(?)部屋は広かったり、日当たりも良かったり。。
自分だけが知っている秘密基地にいるような気持ちになれて、なんだかね。。妙に落ち着くのです。

マイペースな住人たちが好き

 あと。。そういう物件は雰囲気が良いだけでなく、隣人さん達の個性も何だか好きで。。
そういう場所を好んで住む人って、どこか社会から自分なりに距離を取って生きている人が多いような気がしていて、各自のペースで過ごしている感じがするのです(ナマ子調べ)。

住人同士では必要以上に干渉し合わず、でもたま~に困ったことがあれば、さりげなく助け合うようなシステムが自然にできている、なんてこともあったりするのです。。。
ナマ子の経験から言えることなので、どこの物件にも言えることではないはずですが。。。

 これはナマ子が初めて、古くて一見怪しげなビルに住んだときのことですが。。
そのビルは駅から徒歩2~3分の場所にあり、車の往来が激しい大通りに面していました。
ビルは5階建てでナマ子は4階に住んでいましたが、1階にはスナックが店舗を構えていました。
これだけでも、一般的には敬遠されがちなの物件かも。。?
しかも2階以上にはそれぞれ5部屋あったのですが、人が住んでいるのは各階2部屋ほどで半分以上空き部屋で。。人気物件ではなかったようです。

ちなみに。。ナマ子の住んでいた階は、ナマ子以外には外国の人が複数人で住んでいたと思われる部屋以外に住人は居なくて。。
一度だけ隣に人が入居したと思ったら、一ヶ月ぐらいで退去したようで。。。(しかもその間、24時間テレビの音がずっと聞こえてくるような謎の状態。。。)
いやぁ~もうこれだけ聞いたら怪しすぎで、住むのやめたい~って思う人が多いかなと?と思うのですが、この環境がナマ子にはフィットし過ぎて、最高に居心地良かったのです。
なんかね~~、世の中の型にはまらず生きているのは自分だけじゃないんだ~~~という安心感があって。。

酔っ払ってもいいじゃない、ナマケモノだもの

 このビルでのホッとするエピソードがあって。。
とある凍える冬の日。。お店で熱燗を浴びるように飲んで記憶を失くしたナマ子。。
ぼやけた断片の記憶と、一緒に飲んでいた人の発言を照らし合わせて後に判明したことは。。
持っていたカバンを駅前の生垣に放置して、何故か財布と部屋の鍵だけをコートのポケットに入れて帰宅していたのです。。(後日警察から連絡があり、カバンは優しい人が交番に届けてくれていました!!!)

鍵はかろうじて失くさずに部屋にたどり着いたまではよかったのですが。。
酔っ払ってフラフラのナマ子は鍵を上手く鍵穴に指せなかっようで。。。
後から判明したのですが、そこでナマ子はどうやら上の階の住人に鍵を開けてもらうように頼んでいたそうです。
お店で一緒に飲んでいたナマ子のお友達が代わりに上の階の住人に謝ったそうな。。。(謎な展開。。)
いやぁぁぁ酔っ払いってサイテイですね~(でも止められない~←完全に開き直っている。。。)。

そして。。。翌朝玄関で目覚めたナマ子。。。
ベッドまで辿り着けなかったようで、玄関で転がって寝ていました(素晴らしいね)。
うーん、これは、さすがに上の階の人に、茶菓子でも持って行って謝った方がいいな。。と思いつつ、どの部屋の人に声をかけたのかも、その人の顔すら覚えていない始末。。。
仕方ないので、ほとんど直感でナマ子の真上に住んでいる人のところに茶菓子を持って行き、恐る恐るチャイムを鳴らしたところ。。。。。

出て来た人が、ナマ子の顔を見るなり爆笑。。。
茶菓子を差し出して平謝りするナマ子に
「いや~いいっすよぜんぜん、また開けられなくなったら、いつでも来てくださーい!」
と温かな言葉をかけてくれたのです~。
怒られても不思議でないのに。。。この器の広さ~、、最高ニャ!!

ゆる~い交流の温かさ

 あとね。。これも同じビルでの出来事ですが。。。
とある日、帰宅するとドアチャイムの横に、セロテープでメッセージの書かれたメモが貼ってあるのです。。。

どうやら上の階の人で(鍵の件とは別の人ね~)、今度引っ越しをするので、いらない新聞紙があれば欲しいとのことでした。。
当時のナマ子は、今となってはもはや懐かしいのですが新聞を取っていて、ナマ子としてもごみ回収に出す手間が省けるので喜んで渡そうと思い、新聞を束にして、メモを貼り付けて玄関の外に出しておきました。
しばらくすると新聞紙はなくなっており、ドアチャイムの横に、またメモ紙が貼られており「ありがとうございます」と記されていました。

何か、メモでやり取りするっていうのも、新聞紙のやりとりといい、今の時代には決して発生しないコミュニケーションの取り方だな~なんて思って、書いていても何だかホッとしたりクスっ。。としてしまったり。。
直接顔を合わせることなく成立する微妙な助け合い。。イイね。。

そして怪しげなビルのファンに

 本当は、他にも書きたいエピソードが色々あるのですが~、書き出すと止まらなくなっちゃうので、ここいらで止めておきます~。 
何かね、過去住んだ物件の居心地の良さに味をしめてか、その後も引っ越す度に、怪しげなビル系を探すクセがつき。。

部屋を探す度に、綺麗めな物件を不動産屋さんからオススメされても。。。
「あっ、もっと古びて廃墟みたいな雰囲気出ているビルとか、一見すると人が住んでいないような物件ないですかね~」と希望を出すのです。。。
不動産屋さんも少し首を傾げながら、「まぁこれとか。。。どうですかね。。。??」みたいな感じで出してくる物件が、超好みだったりするのです~。

新築でめっちゃ綺麗な建物とかって、憧れがないわけではないのですが。。
なんか、なんか落ち着かないんですよ~ね~。。
自分がいちゃいけないような、何か自分がそんなところに住むと、いかにも浮いちゃう気がして。。。
それに比べ、ほの暗い雰囲気が漂う建物や、そんな建物が集まる街って、なんと魅力的なことか・・・。。

綺麗な物件は少し緊張する

 ちなみに、ここまで書くと、今もさぞや怪しげなビルに居んでいるように想像されるかもしれませんが。。。
実は、今住んでいるエリアにはナマ子が好む物件が少なく。。四苦八苦した結果。。
そんなにすごく綺麗!というわけではないのですが、ナマ子基準では綺麗めの建物に住むことにしたのです。

立地や条件が悪くないのもあり、何やかんや言って10年近く住んでいるのですが、実は人生の中で10年同じ場所に住んでいたことがないので、そろそろ動きたい衝動が。。
そして、それと共に最近何だか廃墟風のビル愛が再燃していて。。。

逆にこれといったトラブルもなく、快適なのは快適なんですが。。
この10年ほどは住まいにまつわる紹介したようなエピソードがないのは事実です。。
それに、ちょっとだけ「ちゃんとしなきゃ」と意識しながら住んでいるのは確かかも。。
それは古いビルに住んでいたときにはなかった感覚で。。

どんな物件だって完璧なものはないし、どちらがどうだとか言うつもりはなくて。。
ただ人によって居心地の良い場や、落ち着く場のあり方って異なるなーとと改めて感じる今日このごろ。。

うーん、やっぱり廃墟風のビルが恋しい。。もうちょっとネットで好みの物件を探してみよう~~。
そんなナマ子を見て、ぬいぐるみのナマステとナマスケが危ないところに引っ越すのかと心配してちょっとビビッてますが。。。
きっと、この子達なら、廃墟風のビルの良さも分かるはず~(かなり強引)。

ナマ子

~おまけ~

4コマ漫画

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