prcss-00の曲目解説

2020年3月8日開催のピアノとギタージャズデュオの音楽会 prcss-00にて演奏する曲の解説をします。なぜこの曲を選んだのか、何を考えて演奏しているのか、そのプロセスをすこし紹介します。それぞれの曲を演奏するにあたって、僕たちがよく聴いた楽曲のSpotifyとApple Musicのリンクを掲載しています。ピアノとギターの編成での演奏を出来るだけ探し、お手本としています。デュオ編成が見当たらなかったものは近い編成のテイクのもの、演奏の雰囲気を参考にしたものを掲載しています。

1. Billie's Bounce
2. My Funny Valentine
3. Spain
4. An Anecdote
5. Lady Bird
6. All The Things You Are
7. I’ll Close My Eyes


Billie's Bounce

12小節の正統派なブルース曲。キーはF。

「基本に立ち返り、ブルースをやろう」ということで、数あるジャズスタンダードのブルース曲から、テーマメロディのかっこよさでこの曲を選びました。というか、ほかにテーマがかっこいいブルースがなかなかないのです。

演奏の準備運動として1曲目に演奏します。


My Funny Valentine

バラードとして演奏されることの多いジャズスタンダード曲。

ビル・エヴァンスとジム・ホールによるピアノとギターでのジャズデュオの名アルバム“Undercurrent”(1962) での神演奏が有名。ピアノとギターのデュオ編成でのアレンジのお手本としてよく聴きました。また、フランスのジャズピアニスト、ミッシェル・ペトルチアー二とその父トニー・ペトルチアー二によるライブアルバム"Conversation"(2001) も名演奏です。

暗い雰囲気で演奏されることが多い曲ですが、なるべく明るくなるようにアレンジしています。今回の演奏では、ジョン・コルトレーン風のクールなピアノイントロが聴きどころ。


Spain

関羽が前々からやりたかった曲。
チャオズ曰く、「キメが多くコスパのわるい曲」。

曲名はスペインなのに中南米的なリズムが特徴。リズムの解釈を巡って度々議論になり、スペインによる南米諸国の植民地化の歴史があーだこーだ...と言いあいながら今のかたちの落ち着きました。

暑苦しくなりがちな曲なので、なるべく暑苦しくならないように演奏します。

An Anecdote

チャオズ作曲の本演奏会で唯一のオリジナル曲。
1930年代のヨーロッパ的な、軽やかで都会的なジャズの雰囲気が特徴的。
曲名は「逸話」を意味します。
ヨーロッパの街中で聴こえてくるストリートミュージックをイメージし、鍵盤ハーモニカとギターで演奏します。


Lady Bird

16小節の短い曲。

最後の2小節のコード進行は作曲者の名前をとり「タッド・ダメロン・ターンアラウンド」と呼ばれ、のちにサックス奏者ジョン・コルトレーンはこれを発展させ数々の名曲をつくったとか。ジャズの勉強のために演奏をはじめました。曲名がてんとう虫であることに気づいたのは数週間前。

さっぱりとした曲なのでお口直しとて聴いてください。


All The Things You Are

デュオを組んではじめて演奏した曲。

「この曲がちゃんと弾ければ1人前」と何かで読んだのを鵜呑みにし、練習をはじめた。転調が多く、コード進行は複雑。むずかしい...。
いつかは上手く弾けるのだろうか。

イントロは、名ベーシスト、ロン・カーターと2人のギタリストによるアルバム"In Memory Of Jim"(2014) のテイクを参考にしています。前述のミッシェル&トニー・ペトルチアー二親子による"Conversation"(2001) でのテイクも名演。


I’ll Close My Eyes

演奏会のおわりにぴったりな雰囲気の明るく軽快な曲。
ブルー・ミッチェルのアルバム”Blue’s Moods”(1960) で演奏されているこの曲がとても心地よく、僕たちが作り出したい雰囲気に近くお手本になるということではじめました。


本イベントの詳細、プレイリストは下記のページに掲載しています。


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