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『なに本気になってんの?』って言われたのをずっと覚えてる。


確かあれは小学4年生の12月だった。その時期はちょうど学校の持久走大会の練習期間で、僕は張り切っていた。

2時間目と3時間目の間にあるフリータイム(長めの休み時間)に僕は校庭で一生懸命走って練習していた。3年生のときはあまり結果が振るわなかった持久走大会で勝ちたかったのだ。

フリータイムの間に校庭を何周もし、汗だくのまま下駄箱に向かった。下駄箱の前まできたそのとき、汗だくで息の上がった僕に同級生の男の子が言った。

「なに本気になってんの?お前より早いやついっぱいいるんだから勝てないよ(本番で)」。

そう言った彼はどこか馬鹿にするような目で僕を見ていた。僕はその時のことを今でもたまに思い出す。

多分ずっと忘れない。

今僕は好きなものを本気でやるための進路を選んだ。何かで一番の写真家になってやりたいと思う。冷めた目で見てくるやつもいる。自分に負けそうになるときもある。

でもそんな時に思い出す。努力を重ね、持久走大会で初めて2位を取ったときのこと。勝てないと思っていたやつに努力で勝ったこと。今まで全力でやった結果、後悔したことなんて1回もないこと。

そして、好きなこと」に全力で向かっているやつが1番かっこいいこと。そいつが1番強いこと。

何と思われても僕は好きなものをずっと好きでいようと思うし、「好き」と言っていくし、「好き」をしていく。そして自分に勝つ。

そんなことを改めて思い出させてくれた『BLUE GIANT』という映画であった。

映画館の階段から

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