もあダむ、はじめます。


はじめまして。
阿久津京介です。

突然ですがこの度、
「もあダむ」
という”ひとりぼっち”創作ユニットを作ることにしました。
ユニット設立の経緯や、込めた想いなどをここに残しておきます。
いつでも初心に戻れるように。変わらないように。


去る2022年12月。
所属していた劇団を退団して、ぼくはひとりになりました。
(退団に至るまでの経緯については、ぼくのもう一つのノートをご覧ください。そして本件は、まだ終わっていません。)

その劇団を退団するまでの約9か月は、ぼくのキャリアを語る上で決して忘れることのできない時間です。
しかし、事実としてぼくは、自らの意思で退団しました。
退団せざるを得ませんでした。
大仰なことを言えば、ぼくの正義がそうさせました。
許すことができませんでした。


だから、「ひとりになった」といっても、
これは自分で決めたことです。
ぼくは自分で、ひとりになることを選びました。


やめることを考えました。

止めることができないなら
気付くことができないなら
関係のない他者を巻き込んでしまうなら
裏切ってしまうなら
その可能性があるなら。

ぼくは創作を続けていいのか。続ける資格があるのか。

いつかどこかで、ぼくの大切なひとたちを無自覚に傷付けるのではないか。
気付いていないだけで、もしかしたらもう既に傷付けてしまっているのではないか。
とても怖くなりました。


孤独。


ぼくは、ついに演劇を、創作を、表現することを、やめることができませんでした。



ぼくが続けることで救える人がいるかもしれない。
楽しみにしてくれている人がいるかもしれない。
何度もやめようと思うたびにそんなことを考えて、
結局続けることを選んでしまいました。



きっとぼくは、極めて自己中心的な人間なんだと思います。


もしそれ以外でぼくが創作を続ける理由があるとしたらそれは、これまでぼくと関わってくれた方や、応援してくれる方の存在です。

綺麗ごとに聞こえるかもしれません。
だから、信じなくてもいいです。
それでも仕方がないと思います。
けど、本当です。
その人たちのおかげで、また舞台に立ちたい、前に進みたい、何かを届けたい、表現したいという気持ちになることができました。

ひとりになってはじめて、
ひとりじゃないことを知りました。

だから。心から感謝しています。

こんなぼくを支えてくれて、応援してくれて
心から、ありがとうございます。
それ以上の言葉が出てこないのが本当にもどかしいです。


でも、だから、ぼくは創作を続けます。



「劇団」というカタチ。
「劇団員」と「主宰」という断続した関係。

例えばぼくが主宰の劇団を立ち上げたとして
誰かとずっと一緒に創作を続けたとして
その大切な劇団員たちを傷付けない自信が、
今のぼくにはありません。

だからこそ、これを劇団にはしません。

くだらない上下関係や役職のせいで言えないことが増えるなら
大切なことを忘れてしまうなら
大切なひとを傷付けてしまうなら
ぼくはずっとひとりでいい。


でもぼくは、ひとりでは何もできません。
人としてもまだまだ未熟です。
未熟すぎて嫌になります。

だからユニット。
その場限りの、
ぼく以外固定メンバーのいないユニット。

上手くいかなければ、責任は全部ぼくにある。
上手くいくなら、それは周りの人たちのおかげ。
ぼくのことを嫌いになったら離れればいい。
好きになってくれたらまた一緒にやればいい。

その場限りだからこそ、お互いがお互いのためを想って発言ができる、作品のためを想って行動できる、平等で、公平なユニットにしたいです。


周りの人への感謝を忘れないために
自分以外の誰かを苦しめないために
誰も傷付けないために
これからもずっと、ぼくはひとりで居続けます。



ぼくの知らない誰か。ぼくのことを知らない誰か。
ここではないどこかの世界中の人たちが、
みんな幸せになったらいい。
ちょっと前まで、未熟なぼくは、心からそう思っていました。
それなのに、
世界では戦争が起こってしまいました。
不可能だと知ってしまいました。

だからせめて、
ぼくと関わる人には幸せになってほしいです。
ぼくはぼくの周りにいる人たちを傷付けたくありません。
そのために「言葉」を尽くしたいです。


言葉。
ぼくたち人類が生み出した最大の発明。
最大の武器。最大の盾。

幸せの基準は人それぞれだから。
「良い」と思えるものは違うから。

お互いに言葉を尽くすことを絶対にやめない。

それが、自己中心的なぼくの、ぼくによる創作ユニットの目標です。


ぼくは、ぼくの言葉であなたを幸せにします。
だから、どうか、あなたの幸せを教えてください。


今年の8月上旬。
王子小劇場というところで旗揚げ公演を行います。
演劇をします。創作をします。
「孤独」をテーマにした本を描きました。
あなたに観てほしいです。



はじめまして。もあダむです。



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