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向き合う、話す、考える

 看護師を長くやっていると、若いときと比べて患者さんに対して思いやりが増えたなぁと感じます。昔はお医者様、先生の手を煩わすなんて、迷惑掛けるなんてもっての他。という考えがはびこっていました。
でも今は患者様と言ってみたり、患者さんが自分の治療を選択できるようになってきています。でもそれって若い人にはいいけど、年齢が上がるにつれて決定する力が難しかったり、考えることができない人がいたりと難しいことも多いのではないかと思います。

看護師にできること

 看護師は患者さんの日常生活のケアや治療のお手伝いに加えて、医師のサポートや薬剤師の変わり、検査のサポートや搬送、掃除やお洗濯。家族の相談などありとあらゆる仕事を担っています。もちろん患者さんやご家族の不安を受け止めて、医師の説明や薬剤師の説明の分からなかったところを分かりやすく崩して、捕捉説明したり、話を聴いて受け止めたりと仕事は多岐にわたります。
 もちろんこれはベテランである私たちだけでなく、新人看護師にも求められます。難しいですが、看護学校てはそういった勉強もしてきます。なので仕事として看護を選ぶとやることが多すぎて、こんなはずではなかった❗とやめてしまう人も多いのがこの仕事だと思います。

患者さんに薦めていること

私は基本がん看護をメインにやっています。病気に悩んでいる人や治療方法に不安を抱える人に寄り添ってアドバイスをするようにしています。
そんな中で医師と共に患者さんにはアドバンスケアプランニングを考えるようにお勧めしています

アドバンスケアプランニング=ACPとは、患者さん本人と家族が医療者や介護提供者などと一緒に、現在の病気だけでなく、意思決定能力が低下する場合に備えて、あらかじめ、終末期を含めた今後の医療や介護について話し合うことや、意思決定が出来なくなったときに備えて、本人に代わって 意志決定する人を選定しておくことも含まれています。

一見読むとえっ?病気になって落ち込んでるのに、こんなことまでかんがえれないよ。死のことなんて考えたくない。と最初は拒否される方が多いのですが、実はとても大切なことなんです。

なぜ話し合いが必要なの?

この話し合いには、“もしもの時”に、自分がどんな治療を受けたいか、または受けたくないか、そして自分という一人の人間が大切にしていること(価値観)などを、前もって大切な人達と話し合っておく、その一部始終が含まれています。

これを読むと『なんだ、今のうちに遺言状を準備しておくように』『エンディングノート書いとけってこと?』と思った方がいるかもしれません。しかしながら、アドバンス・ケア・プランニングと遺言状やエンディングノートを書いておくことには大きく異なる点があります。それは、アドバンス・ケア・プランニングは一人ではできない、ということです。つまり、話し合いには相手が必要ということなのです。当たり前のようですが、この話し合いが実は難しいのです。確かに遺言状の作成もアドバンス・ケア・プランニングの一部ではあります。しかしながらこの話し合いには、“もしもの時”に、自分がどんな治療を受けたいか、または受けたくないか、そして自分という一人の人間が大切にしていること(価値観)などを、前もって大切な人達と話し合っておく、その一部始終が含まれています。


なぜ話し合いができないのか

多くの人にとって自分にはまだ関係ない、できれば先延ばしにしたい、そんな話題なのかもしれません。でも実際にその時が来たら考えられない、考えたくない、話し合えない・・・そういうケースは少なくありません。

私たち医療者は、常に患者さんとそのご家族にとっての最善は何か、を考えながら治療・ケアにあたっています。アドバンス・ケア・プランニングは患者さん
とそのご家族と共に、医療者の双方が考える最善を達成するための一つのツールになり得るものです。とはいえ「今は決めたくない」「考えたくない」と思っている人に無理強いするようなことがあっては意味がないと思っています。だからこそ健康である今。本当は家族に「私はこうなったらこうしてほしい❗」という気持ちを話し合いしておくことがなおさら必要なんです。

一度自分の将来のこと話し合ってみませんか

もしもの際は自分の意思を最大限尊重してほしい、そう思っている人がいましたら、まず自分の意思・希望が何であるかを考えて、それを大切な人と話し合いしっかりと理解してもらうことです。書面に記しておくとなお良いと思います。そして、人間誰しも心が変わることもあります。この話し合いは一度で終わりとはせず、折に触れて継続して話し合っていくことをお勧めします。

看護師にできること

私は患者さんと病気について話すときに、心をほぐしながらacpについて必ず確認して、もしもの時に患者さんが良い選択ができるようにお手伝いできればと思っています。
それができると、気持ちの余裕が出来て全力で治療に取り組むことができる人が多いように思います。日頃からご家族と話し合いが出来ているといいですね。

長文読んでいただきありがとうございました。

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