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【アビスパ福岡】2019年J2第1節vsFC琉球【素人分析】


素人による素人のためのnoteのお時間です!僕ごときがこんなnoteを作ってしまって申し訳ありません!ただ、少しでも誰かの参考になればと思って僕なりのレビューを作っております!暖かい目でご覧ください!

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我々のボスであるファビオ・ペッキア監督、Jリーグデビューの試合。

この試合の一周間前に行われたサガン鳥栖とのトレーニングマッチでは、細かいパスを繋ぎながら攻めあがるスタイル。そして、ボールを奪うとサイドを中心にグングンと前に人が進んでいくサッカーに新しいアビスパ福岡のスタイルを見せてくれました。

守備面でも同様に前線から激しくボールプレッシングに向かい、攻撃的なボール奪取を狙いに行くというスタイルを展開。二人目、三人目と選手が連動して次のパスコースを消していき、苦し紛れのハイボールをCBの三國選手と實藤選手で処理をしていくというシステマチックな方法を採用していました。そのサッカーに「今年のアビスパは一味違う」と期待値を高めているサポーターも多かったはずです。

そうして、迎えた開幕戦

福岡サポーターとしては小雨のぱらつく日曜日の午後キックオフという過酷な日程でしたが(中には日帰りの人もいるために終了の笛と同時にスタジアムを飛び出なければいけない人も)、情報によると700名近くのサポーターが集まって声援を送ったという情報も。

去年のチームを支えた元フル代表の駒野選手、山瀬選手、またチームを長い間支え続けてきた神山選手といったベテラン勢が契約満了。その代わりとして若い新戦力を加えてのメンバーで迎えた2019シーズン。新しいイタリア人監督は年齢や経験だけで選手を選ぶようではなく、いきなり高卒ルーキーがスタメン。ユース上がりの選手がベンチ入りというスターティングとなりました。これにはサポーターも驚きの声が抑えられませんでした。

ここでスターティングメンバーの紹介をしておきます。

GK:セランテス
DF:石原 實藤 三國 輪湖
MF:松田 田邉 鈴木 木戸
FW:石津 城後

(敬称略)

フォーメーションは4-4-2、注目は開幕スタメンを勝ち取った高卒ルーキーの三國選手。その恵まれた体系をどのように活かしてくるかが気になります。

また個人的なピックアップとして、去年はなかなか出番のなかった木戸選手がサイドハーフとしてどのような活躍をしてくれるかも注目していました。

琉球のスターティングメンバーは

GK:カルバハル
DF:徳元 岡崎 増谷 西岡
MF:上里 風間 田中 中川 富所
FW:鈴木

(敬称略)

J2を長年応援している身からすると名前を聞いたことある選手もチラホラいましたが、琉球も基本ベースは中川選手が1.5列目のような形で下りて4-2-3-1でスタート。

両チームの戦い方としては、ともにショートパスを主体としてじっくりと後ろからパスで組み立てていくサッカーを見せていきます。琉球は新加入の鈴木選手を軸に、アビスパ福岡のCHとCBの間のバイタルエリアと呼ばれるスペースを使って攻撃を組み立てていきます。

鈴木選手が後ろからのボールの受け手となり、セカンドプレーヤーたちが前を向いた状態でドリブルをスタートできるような形で周囲をサポートしていきます。特にドリブラーの中川選手はかかんなドリブルで福岡ディフェンスをかき乱していきます。

序盤の主導権を握ったのは琉球。両チームともに福岡は城後選手、琉球は鈴木選手と前線のポスト的な立ち位置を果たす選手がいましたが、そのクオリティの差が出たような立ち上がりでした。

福岡としてはディフェンスラインとセンターハーフの間のバイタルエリアを誰が対応するのかの対策に苦しみ、そのスペースを自由に使われてしまいました。お互いに似たようなサッカーを展開していたのですが、琉球はそのスペースをディフェンスラインを上げることでカバーしていたので、福岡としても早めに対策を打ちたかった所。

苦しみながらそこのスペースを危険に感じた實藤選手が一列前に飛び出したところの穴を突かれて琉球があっさりと先制。前評判を覆す新聞記者が喜びそうな得点がそこから決まってしまいます。

福岡としてもパスを繋ぐスタイルで攻撃を組み立てていきますが、琉球のプレッシングに押し負けてしまいなかなかボールを前まで運ぶことができません。前線にボールを送ってもなかなか競り勝つことができず、ボールは保持できていながらも選手たちとしては思っているようなプレーができていなかったのではないかと思います。

特に琉球は樋口新監督の元で連動したプレッシングを披露。福岡のサイドバック、センターバックのパスの出しどころを限定していきつつ、前にロングボールを蹴る以外の選択肢を与えないという厳しさを見せ、そのロングボールもしっかりとディフェンスラインが対応していくという思い通りのサッカーを出来たのではないかと思います。

福岡もフォワードの二人はもちろん、サイドハーフ、センターハーフと前にどんどんと枚数をかけてボールを奪いにかかりますが(ゴールが近い位置でボールを奪うことをショートカウンター戦術と呼んだりします)、その連動がいまいちシステマチックに機能しておらず、前からかけにいった網のようなプレスが簡単にはがされてしまい、例のバイタルエリアまで簡単にボールを運ばれてしまうようなプレーを見せてしまいます。

前からボールを奪いに行くためのプレッシングサッカーをするには、相手のディフェンスラインでボールを持っている選手の判断時間を縮めるようなプレッシャーをかけなければいけませんが、琉球の選手たちは落ち着いてパスを回せていたので、結果として中途半端なプレッシングとなってしまった節があるのかもしれません。

琉球の高いレベルのプレスをなんとか掻い潜ろうとする中で個人的に目に付いた選手としては、輪湖選手。

パスの出しどころがないなら、なんとか自分のドリブルからコースを作ってやろうという姿勢は去年の苦しいサッカーの中から変わっていません。もちろんディフェンスの選手ですので、ボールを奪われるとそれだけで大ピンチとなってしまうのですが、それを奪われないのが輪湖選手です。

苦しい試合展開の中で何度もオーバーラップ(ディフェンスの選手が攻撃に参加すること)で前に走って、ピンチの時には全速力で自陣に帰るという運動量を披露してくれました。身長は小柄なほうですが、ファイターとしてチームを鼓舞してくれます。

また、實藤選手もボールタッチ回数が多かった分、凄く目立ちました。

三國選手はそのボディバランスで競り合いなどで圧倒的な強さを見せてくれましたが、攻撃面ではまだまだ課題の残しました。そんな中で頼りにされたのがこの男でした。

ボールを持つとまずは前にボールを送ろうとしっかり顔を上げます。逆サイド、セーフティなパスコースなどピッチを広く見ることができるために攻撃面では彼のパスから攻撃が起点となっていきました。芝生の影響でなかなかパスが思うようにいかない時もありましたが、守備面でも安定したパフォーマンスを見せ、センターバックにいる安心感を強く感じさせてくれました。

その他、気になったのは田邉選手。彼はボールを持った時の原則として「後ろを向かない」というものがあるようにドリブルを使いながらボールを前に前に運んでいく力のある選手でした。サイドの選手がクロスを上げるような展開ではゴール前に飛び込んでいく勢いもありますし、中盤で相手のパスをカットするようなシーンも何度も見られました。

他にも石津選手、鈴木選手、木戸選手などそれぞれの良さを見せてはいたもののチームとして見たときにまだまだ改善点があるという仕上がり方だったように感じました。また、少し引いた目線として気になったことが「サイドバックが孤立してしまいがち」ということが挙げられるのではないでしょうか。サイドバックの輪湖選手、そして石原選手は非常に優秀なプレーヤーたちですが、その選手の足元にボールが入った時に縦のワイドに開いたところに選手がおらず、横のセンターハーフの選手たちのコースも切られてしまっていて、キーパーに下げるか、自分でドリブルをして状況を打開しなければいけないという局面が数えきれないほどありましたが、ショートパスを使って攻撃を組み立てるチームだからこそ、そこのサポートをもう少し考えてやる必要があるのではないかと感じました。

前半はなんとか松田選手の素晴らしいヘディングでのゴールで同点に追いついて終えることができました。

アビスパ福岡の2019年ファーストゴールは松田選手でした。今日の使われ方を見ていると二桁ゴールも夢じゃないような気がします!

前半を終えて1-1。現地では前半の中盤あたりから雨も少しずつ強くなってきましたが、開幕戦の熱さは収まることを知りません。

ハーフタイムを挟んで後半のキックオフです。両チームに選手交代はなく、そしてこのスタジアムにも屋根がほとんどありませんでした。

前半の終盤では福岡がサイドからチャンスを作るシーンが目立ち、あとは誰かが押し込むだけという展開が続いていましたが、後半の立ち上がりに主導権を握ったのは琉球でした。

ボールを奪うとシンプルに縦にボールを運んで行きシンプルにゴールに向かって駒を進めて行く力強さ、そして自分たちのボールキープの展開ではトップの鈴木選手に当てる形からセカンドプレーヤーが活き活きとゴールを目指していくというスタイルで福岡ゴールを脅かしにきます。

琉球の新加入でキャプテン、地元出身の上里選手は中盤からフィフティーな縦方向のパスを何度も送り込み、琉球の攻撃のスイッチを入れるような働きをしていました。

上里選手と風間選手という2ボランチのコンビでしたが、上里選手がやや匹目でパサー&全体のバランサーとして、風間選手が場面を見て前に上がっていくような役割でバランスよく中盤をカバーできていたと思います。

福岡としてはそこのあたりのスペースが管理されている中で、球際の強さを持つ石津選手が危険なエリアでボールを受け、運び、チャンスを作ろうと試みます。

縦のコースのパスを受ける役割はもちろん、ドリブルで危険なエリアにボールを運んでいく役割もできるます。彼の存在はもはやなくてはなりません。目に見える数字以上に彼の存在はチームに欠かせません。

ここらで福岡の選手に比べて琉球の選手は比較的やりやすいようにプレーをしていることに気が付きました。もちろんホームだからということもありますし、去年J3を制覇しているという勢いもあるとは思いますが、ピッチに少し注目をしてみると、どうやら福岡のプレッシング面での課題が。

福岡は相手がボールを持っている時に、どんどんと人数をかけてパスコースを消していきますが、それ自体に問題はありません。むしろショートパスを主体として攻撃を組み立てるチームにとってはパスのコースを消されることでやりたことを封じることができるかもしれません。しかし、前に人数をかけすぎてしまうので、危険なエリアに対して田邉選手か鈴木選手の一枚だけしかの残っていないという自体がたびたび起きていました。

そういった状況の中で琉球の攻撃陣は凄くプレーをしやすくなっていたと感じました。相手チームによってやりかたを変えていくことは勝率を高めていくための一つの手段だとは思いますが、琉球は対戦データがなかった等のデータ不足という結論であって欲しいという敗者の言い訳です。

少し話をポジティブに、60分に木戸選手と交代した前川選手について

木戸選手は非常に期待の高まるようなプレーを見せてくれましたが、

その交代で入った前川選手も非常に良い動きをしていました。まずは、彼が投入されるとポジションチェンジが行われました。いままでトップ下と呼ばれる1.5列目のポジションでプレーをしていた石津選手が利き足でシュートを狙える左サイドに移動し、そのまま空いたトップ下に前川選手が入りました。

ボールタッチが非常に柔らかく、その状況判断にも余裕がありました。また、ミドルシュート、パス、ドリブルとどのスキルも高いレベルを持っており、途中交代で投入されて非常に強いインパクトを残しました。石津選手を左サイドに使う事ができることでボールの収まりどころがサイドに移動することで、その縦関係の輪湖選手が前に出てこれるようになるなど相乗効果もありました。

前川選手からはとんでもないスーパーゴールを決めそうな予感がぷんぷんします。個人的に期待値がこの試合で一番高まった一人です。

試合は攻撃的に出た時の裏を突かれたプレーでPKを取られて失点、その後終盤に追加点を許してしまう形で3-1というスコアで試合を閉じます。

選手たちも昇格したてのチームにか杯してしまったことにくやしさを隠し切れない様子でした。サポーターももちろんそうです。

チームのやってることは去年よりも変わったことは見て分かる、しかし結果がそこについてこなかったことに対するショックが天秤にかかって感情が揺れ動きます。

日曜日の夕方キックオフの試合に仕事や学校を投げ出してきているサポーターも少なくありません。雨に打たれ、開幕戦で沖縄まで来たのに、歴史的な勝利を目の前でまざまざと見せつけられたサポーターたち。

それでも選手たちに「まだまだこれからだぞ!」「顔上げろ!」という声援と共に拍手を送っていました。

そして、ファビオ・ペッキア新監督の新しい「アビスパ福岡」を信じて、歌い、喜び、声を出し、顔を上げさせ、怒り狂い、お金を落としまくる他ないのです。

僕たちはファビオ・ペッキア監督を信じるしかないのです。

写真が気になる方はこちらをどうぞ



【おまけ】

アビスパ福岡のサポーターがアウェイに行った時にやる「#アウェイはいいぞ」というハッシュタグ。

現地に行ったサポーターが「来れないやつらのためにも(アビスパ福岡のチャントの歌詞)」、こうやってタグをつけて各地の名所を回る様子などをアップしまくるという文化。控え目に言って最高です(笑)

僕もこのように「#ダゾーンに映らないスタジアム」というタグを使って「来れない奴らのために」情報を発信しようと思っています。

さらに、アビスパ福岡公式サイトがぶちあげたこの企画。

「#博多の森開幕」

SNSのPR隊というめちゃくちゃ面白い企画をぶち上げており、アビスパサポーターの方々がめちゃくちゃ楽しんで投稿をしております。

こんな感じで盛り上がっております。

僕も傑作をいくつか載せているので、よければ見てくれたら嬉しいです。

気になる方

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