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レシピの値打ち

こんばんナマステ💜Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨

この動画を視て考えさせられたことがあって、それは閉店する飲食店はレシピを無料で譲るべきというもの。

前段としてこの動画があっての続編なので、まずはこちらから視聴してほしい。

とくに個人店が閉店する際、レシピがなんらかのかたちで承継されたり、それが無理でも保存できないかなっていうのが元々の話。

これは自分もよく友達と話すことなんだけど、唯一無二の味が次々失われていくのは本当に悲しい。

そういう会話のなかで映像アーカイヴ化がいい、なんて話も出ている。

どのタイミングでどう手を動かす、とかってレシピだけだと読み取れないことが多いからね。

再現性という意味でレシピよりは確実に当人からの直接指導に近づけるだろうと。

んで、動画の話に戻る。

いざレシピを承継する際にそれを有償化してしまうと、前任者と後継者の間にトラブルが生じる危険性が高い。

というよりそうなった店のケースを見てきている。

そこで前任者はレシピを無償で提供するけれど、後継者はレシピを保存する会社に手数料を払うことは必要。

そこがヴォランティアになってしまうと続かないからという。

説得力はすごくあるし、実際廃業する際に同業者がレシピを承継して続いている名物料理というのは存在する。

無償か、付き合い程度の金銭授受があるかってところだよね。

そーゆー文化が一般的になればいいけど、実際には数はすごく少ない。

後継者がおらず、インスパイア店も現れず、誰にも承継しなければ、そのレシピは闇に葬られてしまう。

高崎市では行政が廃業店主と開業希望者をマッチングする取り組みを行なっているという話も紹介されたし、それはいいと思うけれど。

ここで自分が言いたいのは、無償提供では結局レシピ承継は増えていかないんじゃないかということ。

それが何でなのかという話。

これは飲食店に限らない調査だし、少し時代も古いけど、中小企業庁の廃業調査を見ていくと、

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/h28/shoukibodeta/html/b1_2_6_4.html

廃業を考えている理由の圧倒的1位は高齢化、次に業績、後継者不在、今後の業績悪化見込みと続く。

後継者不在っていうのは高齢化と表裏一体だし、業績悪化見込みも業績の延長線上。

結局は高齢化・後継者不在と業績のふたつの理由がほとんどで、かつ前者が圧倒的に多い。

そして廃業をしたいが、現時点で廃業できない理由として1位にきているのは廃業後の生活に困るためであると。

このふたつは繋がっているとみていい。

サラリーマンが定年後再雇用などを繰り返してもせいぜい70歳くらいまでしか働いていないのに、より肉体労働に近い飲食業で後期高齢者になっても働いているのはなぜか。

国民年金と預貯金取り崩しだけでは生活が厳しいから他ならない。

自宅ならまだいいけど、テナントを借りている場合は6番目の理由としても挙げられている原状復帰費用が出せないから続けているケースもある。

高齢店主のワンオペか夫婦でやっている飲食店が建て替えや立ち退きを理由に閉店するのはまさにこれ。

その費用を出さなくていいから喜んで辞めれるんだよ。

このように経済的理由があって廃業したくてもできないでいる、マルクスのいうところの人間疎外にはまっている飲食店主が非常に多いのね。

そんなときレシピさえ売れば安心して余生を送れるというのなら、それはきちんと値付けをして早めに売却すべきだと思うのよ。

廃業費用に困っているのならある程度まとまったお金で売り、そうでなければ顧問名義で月に数万円ってところかなと。

大きな金が動けば確かにトラブルになる可能性がある。

そうではなくあくまで細々と暮らせる程度の「足し」としてレシピを資産化できればいいのかなと。

そこは口約束ではなく、士業などをうまく噛ませていく必要もあるし、行政による土台づくりというのもあるだろうけど。

課題は山積みだけど、ひとまずレシピの有償譲渡で多くの高齢店主を救える可能性があるという提起だけはさせていただきたい。

それじゃあバイバイナマステ💜暑寒煮切でしたっ✨

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