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👸中原淳一さんに褒めてもらえる女性でありたい【Magazine ひまわり それいゆ/中原淳一】

「お上品」な人になりたいと思っています。
でも、これって凄く難しい。
なぜって、定義がなんともぼんやりしているから。


ブランドのバックを持ったとしても、
流行りのお洋服に身を包んだとしても、
私の思う「お上品」には近づかないのです。


私の中の「お上品な女性」に一番近いイメージに出会いました。
それが中原淳一さんの描いた女性画です

キュッと細いウエスト、
線が細く華奢な体つき、
きりりとした眉に少しつり気味の大きな瞳、
凛とした強さを感じさせる表情、
ぐんと美しく上に広がった睫毛、
すらりと伸びた長い腕と足、
何度見ても心を奪われてしまうのです。


どうしてこんなにも惹かれる のか、そう思って、作者である中原淳一さんについての書籍を手に取りました。

そこに綴られていた中原淳一さんの女性に関する考え方がとても素敵で、それらは私の理想とぴたりと当てはまりました。それが中原淳一さんの作品にときめいた理由なのだと思います。

中原淳一さんは日本が貧しかった戦後に、女性に向けた雑誌「ひまわり」や「それいゆ」を手掛けた方です。

現代と違いほとんどの女性が表を着飾ることにお金をかけることのできなかった時代、そのような環境でも「美しく」生きることを諦めないでほしい、その願いを雑誌に込めて日本に送り続けた人でした。そしてその雑誌を多くの女性が夢中になって読んでいたのです。

「美しい心は幸福を作る」
・本当にいいものは長い時間がかかる
・いい習慣を持つのは素晴らしいこと
・一日だけ良いことをするのは優しい
・美しいものを崩すのは簡単なこと
・一度なくしたいい習慣はまた持ちにくい
・美しい心の人は幸福な人

これらは実際に雑誌に掲載されていたいくつかの見出しです。

「当たり前すぎ、そんなのわかっているよ」と、そう思うでしょうか。
「素敵な女性になるために必要な情報じゃない」と、そう思うでしょうか。


私はこれらの紙面を見たとき、美しい日本語で、美しい生き方や美しい心の持ち方を教えてもらえる機会は、現代社会にはほとんどないことだなとはっとさせられ、恐怖すら感じました。


決して豊かではなく、物質的には恵まれてはいなかったかもしれないけれど、
こういう言葉が身近にあって、
それらを憧れて夢中になって読んでいた女性たちが沢山いた時代だったと考えたら、
1人1人の心はきっと今よりずっと豊だったのではないでしょうか。


美しい心はどんな時にでも自分の意識しだいで手に入れることができる、ということを教えてくれる中原淳一さんの言葉たちは、私をいつも勇気づけてくれます。



「言葉」や「イラスト」で表現された女性像に近づくことは、実存する人をお手本にすることよりはるかに難しいことだけど、
もし中原淳一さんが現代に生きていたとして、出会うことができたとしたら、
「素敵な女性だね」「私が思い描いていた女性像だよ」と褒めてもらえるように日々を生きたいと思うのです。

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