『吉祥寺デイズ』山田詠美
山田詠美先生は基地の近くの街で、瞳で恋を交わしメイクラブとかをしてるんだと思ってました。実際は随分前から吉祥寺に住んでいるそう。
2015〜2018年の『女性セブン』の連載をまとめた本。内容はゴシップ含む身近なこと。ゲスや政治家の不倫(もちろんエイミーは不倫ダメとはいいません)、トランプなど。都知事選の時はユリコを応援していたのに、当選してからはディスっていたのが面白かった。
居酒屋で呑んでる時のようなふっつーの話たち。しかしながら「体に悪いものは心に良いの」という小説の名セリフや艶っぽいエピソード、芥川賞選考会、美味しいお酒と食べ物のお話たちがふんだんに盛り込まれていて、エイミーの知的なところ、セクシーなところがにじみ出ている。
10才年下の旦那さん(水木しげるとボブ・ディランが好きな日本人)と結婚したそうで、テレビを見ながらアイス(スーパーカップ)を分けあったり、井の頭公園のサルスベリを見て韻を踏みながら2人でラップをしたりと、なんだかとってもかわいい夫婦の生活にも触れられていた。アフリカ系旦那さんの時はいかにもかっこいい!だったのが、こっちはかわいくてその振れ幅にギャップ萌えした。
ホッピーもクリュッグも。年末に実家で行うカップラーメン食べ比べも。インドのカレーもイタリアのキノコも。世界中の塩の違いも。彼女はそれぞれの美味しさを知っている。色々なものを口に入れ、うまみを見いだしている人。なんて豊かで、チャーミングなんでしょう。
78『吉祥寺デイズ』山田詠美
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