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映画『グリーンブック』



正反対の個性を持つ二人が
徐々に仲良くなっていく物語はとても好きだ…。

世の中のどす黒い部分も見て
流行りの音楽も楽しんで
何より家族一筋の、腕っ節の強く
気のいい男と、
ピアニストとしての才能を世に認められるも
人種のために差別を受け、
孤独感を内に秘める男が
旅をしながらお互いを認め合っていく。

描かれている問題は恐ろしく根深いものだが
気負いせずに映画として楽しめる作品。
1960年代のファッションや
物語全般の画面から伝わる明るい色調、
そして主役トニーのキャラクターの成せる技。

以前、この映画を「白人側が白人目線で
美談として描いた作品」と酷評したコメントを
読んだことがあったが、
少しそうかもしれないと思った。
Good old daysみたいにノスタルジーで
包み込んで甘い味に仕上がった印象はあったかも。

だけど、この映画の空気を重すぎず
暗すぎないようにすることで
肝心の「人種差別があったし現在もある」
という事実が多くの人に伝わるのではないか。
差別を意識したことも感じたこともない人の中には、
それで苦しんでる人がいるとさえ信じない人もいるのだ。
(実際出会ったことがある。)
事実が克明に描かれて
その衝撃だけが後味に残る映画もあるけれど
『グリーンブック』は
人種差別の存在とその意識を取っ払う方法を
気持ちのいい音楽に乗せて魅せてくれた。

差別って、不安から生まれるものだろう。
相手を知らなすぎるのだ。
誰か一人でも仲良い相手ができたら、
きっとその人の持つ背景のことも
もっと知りたくなるもの。
知ることで偏見は崩せる。

音楽もよかったなあああああ。


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