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記事一覧

バスケットはみんなで楽しむもの/田中真美子①

勝利に向かって、ひたすら努力を重ねる。 これはアスリートの宿命とも言えます。 しかし、そこに「楽しむ心」がなければ、 その努力は単なる苦行に陥ってしまいがちです。 富士通レッドウェーブのパワーフォワード、 田中真美子選手(コートネーム:マナ)が今なお コートに立てているのは、 「楽しむ心」を、バスケットを始めたときに教わったからです。 三つ子の魂百まで 田中選手がバスケットを始めたのは中学生から。 小学生の頃は空手をやっていましたが、 中学では球技系の部活動に入りたい。

【掲載情報】JBpressの連載に書きました。未読の方はぜひ。 サブスクで失われる聴き手の敬意、「レコード芸術」休刊が意味するもの 林田直樹の劇場から覗く世界(10)「レコ芸」の波紋とクラシックCDのゆくえ https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75878

ピアニスト・藤田真央エッセイ #28〈モーツァルトの真骨頂――巨匠ヤノフスキとパリ・デビュー〉

 昨年はイタリアでの公演は1度きりで、あまり縁がない国だなと思っていたのに、今年は数多の公演に呼んでいただけた。それはフランスも同様で、コンサートがないなあと思っていたら、立て続けにオファーがあり、何度もシャルル・ド・ゴール空港を訪れることになった。  そう、今年5月26日、私はパリでのオーケストラ・デビューを果たした。曲は《モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番》、オーケストラはフランス放送フィルハーモニー管弦楽団。指揮はこれまた大ベテラン指揮者、御年84歳のマレク・ヤノフス

夏のひとり旅大冒険記〜南フランス・イタリア編〜

前回の続き。 山の上のエアビーでウクライナ料理 南フランスに戻ったあと、私はひとりニースに向かった。天気もすっかり良くなっていて、エズ村というかわいい村があるよと友人に教えてもらったので行くことにした。 部屋から見える景色につられて山の上にあるエアビーを予約していた私は、夜空港についてから車でしかそこにたどり着く方法がないことを知り、とんでもなく不便なところに2泊することになった。 しかも空港付近のレストランはもうどこも空いてない。日本みたいに24時間のコンビニもどこ

悪魔は全ての名曲を手にしなければならないの?

ジョン・アダムズの”Must The Devil Have All The Good Tunes?(悪魔は全ての名曲を手にしなければならないのか?)”というピアノ協奏曲を大阪と東京で、飯森範親マエストロと、パシフィックフィルと日本センチュリー響の皆様とともに演奏します。決してFamilierな曲ではないので、コンサート来てくださる方に少しでも楽しんでもらえる助けになれば良いなと思い、徒然なるままに書くことにします。 ジョン・アダムズは、アメリカの作曲家で、この曲は2019年

ピカソと武者小路実篤 実篤先生との備忘録

父は若い頃から美術に興味があり、独学で勉強する傍ら沢山の芸術家と親交があり、若い芸術家(の卵)を支援しておりました。 武者小路実篤先生とは、私が生まれる前から父がお付き合いさせて頂いており、亡き父の後も今なお三代に渡る家族ぐるみのお付き合いが続いております。 実篤先生は、私が小さい時の思い出だけですので、覚えている事も限られておりますが、その風格やお人柄ははっきり覚えています。 いつも黒っぽい着物を着て、穏やかで優しい方でした。お孫さんが学校の宿題で困っていると、教科書の初

今日を生き抜くため、少女たちは犯罪に手を染めた――川上未映子が、クライム・サスペンスに挑んだ理由

◆「カネ」「家」「犯罪」、そして「カーニヴァル」——新作の『黄色い家』、夢中になって読み、胸が熱くなりました。これは新聞に連載された長篇ですね。 川上 ありがとうございます。そう言って頂けて、ほっとしました。新聞連載を始めるにあたって、最初になんとなく、女の人たちが疑似家族みたいに暮らしているイメージが浮かんだんです。そのコミュニティがどうやって成り立ち、どう変容していくのかを書きたいと思いました。 ——第一章の「再会」は、二〇二〇年が舞台です。主人公の四十歳の伊藤花は、

"ラフ3"ことラフマニノフのピアノ協奏曲第3番秘話と、忘れたくない想い

有料
500

ピアニスト・藤田真央エッセイ#20〈Toi toi toi!――NYカーネギーホール・デビューの日〉

 Toi toi toi!  私たち演奏家は舞台袖からステージへ一歩踏み出す際、この言葉で鼓舞される。ステージマネージャーや調律師からのこの言葉を合図にステージへのドアが開き、拍手を浴びながら歩き出すのだ。この光景は、音楽家であったら誰もが憧れ一度はその舞台で演奏したいと熱望するであろうカーネギーホールでも同じだった。  Toi toi toi……この言葉の意味を正確には理解していないが、おそらく「楽しんで」「頑張って」のような意味なのだろう。人様の目に触れるこのような連

「石川直樹 しれとこ写真学校」体験記

こんにちは!スタッフの平野です。 10月1~2日、 写真ゼロ番地知床の新たな試みとして、斜里町内で「石川直樹 しれとこ写真学校」が開催されました。 写真ゼロ番地知床とは、2016年春に地元の写真好き有志が、斜里町の観光ポスターを撮影した写真家・石川直樹さんとともに立ち上げたプロジェクト。 「知床を撮るのではなく、知床で撮る」というテーマのもと、誰もがイメージする知床を写真に写すだけでなく、新しい・多様な知床のイメージを探しながら、ワークショップや写真展・映像展などの企画

10月7日に亡くなった、日本を代表する作曲家・一柳慧の業績を振り返る。

 2022年10月8日の午後、大手メディアは一斉に、一柳慧(いちやなぎ・とし)が89歳でこの世を去ったことを報じた。  一柳は2018年に文化勲章を受章しているが、1937年に始まる歴史の長い勲章であるにもかかわらず、実は作曲家としては歴代で3人目。それだけでも稀有な存在であることは伝わるだろうか?  新型コロナによるパンデミックが起こるまでは、80代とは思えぬほど精力的に活動しており、現代音楽の演奏会などでも度々お元気な姿をみせていたし、パンデミック後もお見かけする機会

珠玉の藤田嗣治コレクション! 軽井沢安東美術館がまもなく開館

10月2日に開かれた軽井沢安東美術館開館記念展のプレス内覧会に参加した。(開館は10月8日13:00) 藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作品ばかり150点を展示。珠玉のコレクションとはこのことではないだろうか。個人コレクションなので小ぶりな作品が多いが、逆に親しみが湧く。「自宅にお招きするような空間に!」というのがコンセプト。代表理事の安東泰志さんによると、さまざまに旅を重ねながらも戦後はフランスに帰化せざるをえなくなった藤田の紆余曲折の人生を自らの人生に重ね合わせて共感し

ピアニスト・藤田真央#11「ヴェルビエ音楽祭――アルゲリッチの代わりに立つ」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」 ★今後の更新予定★ #12  10月5日(水)正午 #13  10月25日(火)正午  夏の欧州は、各地で音楽祭が花盛り。7月にはロッケンハウス室内楽フェスティバル、ヴェルビエ音楽祭、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティバルと、わたしもずいぶん飛び回って、あちらこちらで演奏をしてきました。  音楽祭はその土地の空気や、その街ならではの音楽の楽しみ方を肌で感じられるのがいいですね。たとえばラ・ロック・ダンテロン国際

ニューヨークから見える「日本」という国

ニューヨークに来て早くも2ヶ月が経とうとしている。久しぶりにコンフォートゾーンをガッツリ抜け出し(というかここまで抜け出したのは間違いなく人生初)慣れない環境で過ごしてみて、感じることが山ほどあって毎日忙しい。 ニューヨークという街 日本から一歩出てみると、日本のことが本当によくわかる。特にニューヨークなんていう街は、はっきり言って色々と「真反対」だ。 日本のように、ゴミひとつ落ちていないきれいな道路も、勝手に音が流れるという気遣いをしてくれるウォシュレット付きのハイテ