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反社会性パーソナリティ障害についての様々な論文

世の中、刑務所に入ってしまう犯罪者について、特に調べている心理学の先生や脳科学者の先生などもいます。
これまで、犯罪者はあまり「意思決定できる能力の有無」という面で、精神鑑定をされていたのですが、実は、脳科学で見ると、けっこう「健常者とそもそも脳が違ってるで」っていう事例がいくつかの論文から出ています。

いくつか、ひっかかったのをご紹介します。
本当は、たぶん残虐犯罪で死刑になるような犯罪者や無期刑になるほどひどい場合は、やはり脳内を調べて、せめて人類の知識くらいには役立ってもらいたいものです。被害者の気持ちを考えると、単に死刑にして終わりではどうもなあ・・・と思います。

パーソナリティ障害の基本
どういう特徴があるかはこちらをご覧ください。ちょっと種類が多いのですが、反社会性パーソナリティ障害が一番、要注意です。

特に反社会性パーソナリティ障害


これは有名な京大の先生の論文でして、サイコパスはしれっと平気でうそをつく理屈の解明です。
引用します。

「概要 「サイコパス」は反社会性パーソナリティ障害として分類されており、良心の呵責や罪悪感、共感性の欠如 といった特徴が指摘されています。サイコパスは平然と嘘をつく、ともされていますが、その背景にある心理 学的・神経科学的メカニズムは解明されていませんでした。 京都大学こころの未来研究センター 阿部修士 特定准教授、米国ハーバード大学 Joshua D. Greene 教授、 米国ニューメキシコ大学 Kent A. Kiehl 教授らの研究グループは、米国ニューメキシコ州の刑務所に収監中の 囚人を対象に、移動可能な mobile MRI 装置を用いた脳機能画像研究を実施しました。嘘をつく割合を測定す る心理学的な課題を実施中に機能的磁気共鳴画像法 fMRI)で脳活動の測定を行ったところ、嘘をつく割合が 高い囚人の群において、サイコパス傾向が高いほど嘘をつく際の反応時間が速い傾向にあり、また葛藤の検出 などの心理過程に関わるとされる前部帯状回の活動が低いことが明らかになりました。これらの実験結果は、 サイコパスがためらうことなく、半ば自動的に嘘をついてしまう傾向があり、その背景に前部帯状回の活動低 下があることを示唆する、世界でも初の知見です。 本成果は、2018 年 7 月 3 日に英国の国際学術誌「Social Cognitive and Affective Neuroscience」のオンラ イン版に掲載されました。」

https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/embed/jaresearchresearch_results2018documents180703_401.pdf


こっちは、ストーカー加害者の論文

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcl/55/3/55_471/_pdf

「ストーカー病の精神医学的分類
以上のように、加害者と被害者との関係性や目的をもとにパターン化できる
ストーカーだが、精神医学的な面からもストーカー病を分類することができ、関係性や目的との間に、ある程度の関連があることが明らかになっている。
執着型は、自己愛性パーソナリティ障害傾向がストーカー化の因子となりや
すい。
同様に、一方型は、統合失調症や妄想性障害などにみられる被害妄想的思考、求愛型は、広汎性発達障害傾向、破壊型は、反社会性パーソナリティ障害傾向が因子になりやすい。

機能的MRI 研究により、主として線条体と呼ばれる報酬に関連する部位と、前部帯状回という身体/心の“痛み”に関係する領域の関与が示されている(Takaha shi et.al, Science 2009)。」

「その脳機能的な原因として、感情の整理を司る脳のモジュールのようなものが存在していて、そこに何らかの障害が生じているのではないかと思われる。
あくまで筆者の推測であるが、「アレキシサイミア」(失感情症)と呼ばれる疾患に類縁していると考えている。アレキシサイミアとは、自身の感情を自覚・認知・表現することが苦手なことで、特に空想力や想像力に欠ける傾向がある病気である。感情の認知に関与している脳の右半球と言語を司る左半球との連絡に機能的な障害があると考えられている。

他に
偏桃体の活動が活発だと、好き嫌いが激しくなる。結果としてなにかのきっかけで、好き嫌い→憎悪 が激しくなると、連続殺人事件の犯人になってしまう、という話が養老先生の本にありました。

おお、この方の説明丁寧ですな!!
私より親切だぞwww →少しは見習えwww

https://studyhacker.net/what-is-sociopath



おおー、なるほど。勉強になりますね。


好き嫌いの問題は、こちらに本能的な問題であることを解説していますので、ぜひ合わせてごらんください。


やっぱり、私が思うに、犯罪の予防には、毎年か1年おきに全国民に精神健康診断を実施して、「サイコパスかもしれないから、こういう感情にならないようにしましょう」とか「こういう行動はいけないので、もしものときは心療内科にいきましょう」という指導をすべきだと思うのです。
ちなみに、幸福ホルモンといわれる、オキシトシンを増やす薬などもあるようなので、まあ、普通の他の精神病治療と一緒です。

個人個人は違う脳を持っているだから、脳の健康を維持するために、きちんと健康診断 → まずければ、注意指導 → ひどいときは薬やカウンセリングなど治療 ・・・とすべきかなと思います。

それで、犯罪が一気に減ればいいじゃないかなと思います。
被害者が減るべきだし、犯罪未遂だって怖いめにあわないことが大切です。


AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!