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協会の理事長を選挙で決めるのはアリか?

協会総研

理事長がずっと変わらない協会もあれば、ときどき理事長が交代する協会もあります。
両者はどう違うのでしょうか?
今回は「理事長の位置づけ」について解説します。

「理事長の位置づけ」2つの考え方

理事長は会員か否か

協会は会員の集まりです。
あまりこのことを意識することはないかもしれませんが、言われてみれば確かにそうだと思えるでしょう。

では、ここで質問です。
理事長は、会員なのでしょうか?
理事は、会員なのでしょうか?
協会のスタッフは、会員なのでしょうか?

じつは、これについては2つの考え方があります。

理事長は会員である説

1つは、

  • 協会の理事長や理事

  • 事務局長や事務スタッフ

みんな会員である、という考え方。

この考え方の場合、

  • 理事長

  • 理事

  • 事務局長

  • 事務スタッフ

といった中心メンバーは、会員のなかから選ばれることになります。

たとえば、定期的に(2年であることが多い)総会を開き、選挙をするなどして、次の任期の役員を決める、といった方式がとられます。
民主的だと言えるでしょう。

全員が会員なので、たとえ理事長であっても会員であることに変わりはありません。
したがって理事長も会費を払うことになります。

町内会などもこれと似ています。

  • 町内会に出席する人は全員、町内会のメンバーです。

  • 町内会の役員はメンバーのなかから選ばれます。

  • 役員も町内会費は払います。

理事長は会員でない説

もう1つは、

  • 協会の理事長や理事

  • 事務局長や事務スタッフ

いずれも会員ではないという考え方。

この考え方の協会に、選挙はありません。
会員の中から選ばれるわけではないからです。

理事長は辞任しないかぎりずっと理事長です。

  • 理事

  • 事務局長

  • 事務スタッフ

といった「運営メンバー」は理事長が選びます。

基本、これらの「運営メンバー」は会員とはみなされません。
したがって会費を払うこともありません。
ただし、「運営メンバー」は会員ではないため、協会の資格を名乗ることはできません。
資格を名乗れるのは会員だけだからです。

「理事長の位置づけ」どちらがよいか

  • 選挙のある方式

  • 選挙のない方式

どちらが良く、どちらが悪いのでしょうか?

協会の多くは「非民主的」

一般的な感覚では、前者(選挙のある方式)のほうが民主的であり、したがって「良い」ように思えます。
いっぽう後者は非民主的で、なんだか独裁国家のように見えるかもしれません。

ところが、じつのところ、世の中にある協会のうち、前者(=選挙方式)をとっている協会は多くありません。
民主的な協会は、意外と少ないようです。
ほとんどの協会は、後者(=選挙のない方式)をとっています。

とくに善悪の区別はない

では、民主的でないことが運営上悪いことかというと、こと協会にとってはそうでもないようです。
理事長が独裁国家のように権力を振りまわし、会員の行動を束縛しているわけではないからです。

したがって

  • 選挙のある方式

  • 選挙のない方式

どちらが良い・悪いの区別はとくになく、たんに選択の問題だと考えられます。

選挙方式の協会が少ない理由

前述したように、選挙で理事長を選ぶ協会は多くありません。
ほとんどの協会は、選挙のない方式をとっています。
これには主に2つの理由があります。

協会を起業の器として使っている

理由その1は、そもそも協会を作った本人が、起業の器として協会を作っているからです。
起業目的の協会の場合、これは考えてみれば無理もありません。

会社を立てて起業する人は、

  • 自分自身が社長になる

  • 当面、社長の立場を誰かに渡す考えはない

のが普通です。

同様に、協会を立てて起業する人は、

  • 自分自身が理事長になる

  • 当面、理事長の立場を誰かに渡す考えはない

のが普通です。

(政府や自治体が外郭団体として協会を作ることがありますが、こうした場合であれば、選挙方式が採用されることがありえます)

理事長に立候補する会員は少ない

理由その2は、仮に選挙方式をとったとしても、会員が「我こそは」と立候補する場面が想像しにくいからです。

第一に、「いつか理事長になりたいから会員になる」そんな会員はまず、いません。
会社に入社する人のなかには「いつか社長になる」を目的とする人がいるかもしれませんが、協会の会員になる人は、

  • 協会の資格が欲しいから入会する

  • 協会のコミュニティに参加したいから入会する

どちらかであり、理事長になることが入会動機でるケースは考えにくいのです。

第二に、昨今の日本人は「自分がリーダーになろう」とあまり思わないようです。
これには日本の学校教育がリーダー育成を重視していなかったという、根深い問題が背後に潜んでいます。
協会を運営する側もそのことを感覚的に理解しています。
たとえ選挙をしたところで「いまの理事長(創業理事長)が立候補するだけで、ほかの候補もおらず、そのまま続投する」結果になるのであれば、選挙方式を採用する意味はあまりないものと認識しているのでしょう。

まとめ

理事長の決め方は、「理事長が会員であるかどうか」により異なります。
理事長が会員である場合は、会員のなかから選挙で理事長が選ばれることになります。
理事長は会員でない場合は、選挙が行われることは基本、ありません。

世の中の協会の大部分は、協会を起業の器として使っているという理由もあり、「選挙のしくみがない」協会です。
だからといって、それが協会の運営上、問題があるわけではありません。
「選挙のしくみがない」ことに不満を抱く会員も、ほとんどいないのが日本の実情です。




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