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【日記】4月19日〜4月25日

4月19日
いよいよ金曜日から夏フェアが始まる。緊急事態宣言によって休業要請が出るかもしれない雰囲気を感じつつ、慌ただしく一日が過ぎる。

夜、田渕ひさ子さんの新作を聴く。コロナ禍の中で誰もが心に抱えている不安やどうしようもない寂しさや戸惑いを描いたような繊細な歌に思わず涙がこぼれる。田渕さんの歌声はとても切なくて、とても優しくて、とても暖かい。

4月20日
今週は休みなしで発送作業の日々、らしい。北海道〜九州は航空便で送る。2年ぶりの夏フェアへ向けて会社全体に気合いが漲っている。

夜、しけかけのモクさん「ホッピーエンドe.p.」を聴く。改めて聴き返しながらじっくりと浸る。「逃げ出したくなる衝動、逃げられない現実」という曲の歌詞が文字通りグサリと刺さった。前日の田渕ひさ子さんに続いてモクさんから放たれた言葉の持つ力や歌声に心を鷲掴みにされる。

4月21日
入荷する商品がほとんど無いのに発送作業を行うことに。段ボールには薄いカットソーやスカートが4枚ほどしか入っていない。緊急事態宣言が出て混乱する前に何としても送りたい、ということか。

帰りに立ち寄ったジャズ専門店でアーマッド・ジャマルのCDを数枚購入。が、帰宅してそのうちの1枚は先日購入したCDとほぼ同内容だったことが発覚。残念。

4月22日
もし緊急事態宣言によって百貨店に休業要請が出された場合、休業する店舗にある一部の在庫は返品されることになった。昨年の緊急事態宣言の際は全店舗が休業したので倉庫内が返品の段ボールで埋め尽くされた。今回は半分近くの店舗が休業することになるので量は少なくなるものの倉庫内が再び段ボールだらけになりそう。

そんな中でも、ひとまず明日からは夏のフェアが始まるので大量の商品を発送する。もし東京、関西の店舗が休業することになったら今日送った商品がそのまま全部返ってくるかもしれない。なんとも複雑な気分。

夜、ムーンライダーズ「Bizarre Music For You」を聴く。

4月23日
フェアに向けて作られた大量の商品がやって来る。久しぶりの超多忙な日となる。東京、関西の店舗には数を調整しつつ送る。変異株のコロナに振り回されているのか、国に振り回されているのか。もはや何だかよく分からない。

夜、三度目の緊急事態宣言発令。
ムーンライダーズ「マニア・マニエラ」「青空百景」を立て続けに聴く。効く。

4月24日
午前中、マスクや「SWITCH 佐藤二朗特集号」を買うために短めの外出。緊急事態宣言によって休業する店が多いからか、街はこの一年で最も人で溢れているように見えた。人の流れを見ながら約2週間後の宣言解除予定日辺りが一番酷いことになっているのではないか。

アーマッド・ジャマルを聴く。「バット・ノット・フォー・ミー」という素晴らしいライヴ盤に出会った。アーマッド・ジャマルならではの"間"をたっぷりと持たせたピアノを楽しめるし、リズム隊の軽快なグルーヴも心地良い。このピアノトリオが奏でるのは眉間に皺を寄せて頭を垂れて聴くような音楽ではなく、どんな聴き方をしても楽しめるところが良い。
ホテルのラウンジバーでの演奏を収めたモノラル録音で音質は正直言ってあまり良くはない。が、ヘッドホンで聴いていると気づけば1958年1月のシカゴにタイムスリップしているように錯覚してしまうのはこの少し悪い音質のおかげかもしれない。

太田和彦「風に吹かれて、旅の酒」を読む。2018年〜2019年に書かれた文章をまとめたもので、ちょうどコロナ禍になる前の出来事が描かれている。特に妹夫婦とその子供たちと過ごした2019年夏の話が印象に残った。生き生きとした子供たちの描写はコロナの影響で離れ離れになってしまったであろう寂しさを図らずも浮き彫りにしていて読みながら思わず胸がいっぱいになってしまった。過ぎ去った時間は返ってこない。

夜、ムーンライダーズ「Don't Trust Over Thirty」「最後の晩餐」を聴く。

4月25日
朝からアーマッド・ジャマル「クリスタル」を聴いて、このアーティストのことが何倍も好きになった。1987年の録音。エレクトリックフレットネスベースが独特の音色で鳴っている。
基本的にはピアノトリオの演奏にパーカッションが重なる、という編成。と言ってもトリオとパーカッションが激しくぶつかり合うのではなく、4人それぞれの奏でる音が完璧に混ざり合い融合して一つの大きな塊となっているのが最高にカッコいい。間に挟み込まれたピアノソロの楽曲が清涼剤のような役目を果たしているのがまた素晴らしい。ジャズでもフュージョンでもない、この世に一つしかない音楽が詰め込まれた作品。
ちなみにこの作品を教えてくれたのはカタカナのヒガシノメーコさん。大感謝!

東直己「探偵はバーにいる」を読む。普段は探偵小説を読まない自分なのに思わずグイグイ引き込まれていく。一気に読み終えてしまう。ラストにかけて重苦しい展開が続いたあとにポンと置かれたハッピーエンド。清々しい読後感に酔う。このシリーズを買い込んで連休に読もうかな。
"でも主人公のキャラクターは大泉洋とは違うよなあ"と思いながらこの小説を読むきっかけになった小西康陽さんの本を改めて開くと「主人公はクッキング・パパみたいなシャクレ顎のタフガイ」と書いていて笑ってしまった。ならば一番ハマるのは佐藤二朗さんなのではないか…いや、年齢が合わない。となると桐谷健太か。そんなことをあれこれ考える日曜日。

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