【平家物語】巻01_06 祇王
この章段の清盛は、ほんと極端に、ちょっと暗君成分入ってるレベルで「傲慢不遜な権力者」になっています。「私は芸をお見せに来ただけ、お傍にいる祇王様に申し訳ない」という仏御前に、「じゃあ祇王を追い出そう!」と即答しちゃう清盛の心変わりシーンは「おいおいおいおい!」とツッコミたくなるほどにデフォルメされてたキャラになってます。
あと、追い出した祇王を呼び出して「仏御前の為に何か歌って」とリクエストするくだりも、めっちゃ無神経ですよね~。あまりにも極端すぎて、ギャグめいてて笑っちゃうのですが。
仏御前は若くてちゃきちゃきしてそうだったので、ちょっと現代っぽい、可愛い系の女のコにしてみました。向上心と勢いがあって、けっこう好きです。
そんな彼女が祇王が追い払われるのを見て「やったー!」とならずに、「ああ、私らみたいな存在は、みんなこうやって使い捨てにされるだけなんだ」という境地に一足飛びにたどり着いたところは面白い。
そもそも、白拍子として芸で身を立てることが、権力者である清盛と男女の関係になることとほぼイコールってのが、世知辛いですものね。
いま清盛に気に入られて頂点に片足をかけた、まさにそのときに、「何もかもがしょーもなく思えた」のかな。