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【平家物語】巻01_13 俊寛沙汰 鵜川軍


鹿ケ谷で平家転覆の陰謀を企てている西光法師は、そもそも身分低い出自であり、小才が利いたのが気に入られ、現在の地位に至っている。
彼には師高、師経という子がいた。
師高は加賀守に任せられ、弟・師経がその目代となって任地に赴いた。
道中、国府近くに鵜川という山寺がある。
その寺の僧たちが川のほとりで湯をわかし、水浴びをしていたが、師高一行はそのなかに乱入し、僧たちを追い散らし、その跡で自分たちの馬を洗うなどの暴挙を働いた。これが発端で、国府と、白山神社を中心とする加賀の寺院勢力との争いが起こる。
白山の僧兵たちは目代・師経の館を急襲したが、中はもぬけのカラ。目代たちは夜の間に京へ逃げ戻っていたのだ。白山勢力は、事の次第を比叡山に報告した。

……このページの初裸体です(笑)。この先、残念ながら平家の若手が脱いだりすることはありません。
水遊びといえば、このずっと後、小松家の坊ちゃんたちが水遊びするシーンはありますが、あれはちゃんと服着てるって書いてありますしねぇ。残念だ!(笑)

「馬+けしてうつくしくはないハダカ」という2大要素で、難産でした、今回。。。これさえ描ければ、巻1のあと3回分はつるつるっと行ける気がします。どの巻にも1・2つは必ずこういう、ハードルになる章段があるんですよねぇ。
巻2だと「座主流」。ってこれ、巻2のしょっぱななんですけどね(^^;

講談社学術文庫の解説にも書いてありますように、この事件は別に師経がイジメっ子だってだけの話ではなく、院VS寺院勢力 という図式が背景にあって、院の取り巻き・西光の子どもたちとしては、寺院勢力に対抗する姿勢を見せとく必要があったのです。
だからといって、何も水浴びを襲わんでもいいような気もしますが。殿下乗合といい、当時の男子は、身分低きも高きも「おっ、あいつら集まってる。ナメられないようにちょっと痛めつけとくか!」みたいな、中学校の修学旅行で他校とわざわざもめるヤンキーのようなメンタリティなだったんですかね~。