「花屋日記」40. そして運命を見守る者は。
やがてパトカーが到着した。
警察の方が調べてくださったところ、おじいさんは何駅も先の病院から、何キロも徘徊していた人だということが分かった。おそらく認知症なのだろう。
「怪我もしているし、病院に送り届けます」
ということになり、おじいさんはパトカーに乗せられた。不安そうな表情のおじいさんに
「大丈夫ですよ、怪我の手当てをしてもらうためですから。また元気になったらお会いしましょうね!」
と言ったら、痩せた右手を上げて「ありがとうね」と微笑んでくれた。私たちはそれを見て、やっと