ロックヒストリー ロックの歴史 その2

ロックヒストリー ロックの歴史その1より続き 

 その登場によって50年代アメリカの音楽シーンに大きな変化をもたらしたロックミュージックだったが、登場から2年もするとシーンに各種スキャンダルや事故が相次ぎ徐々に当初の勢いは失われていった。ロック誕生前夜にローカルレベルでリズムアンドブルースを「ロックンロール」と命名し、自身のラジオ番組で白人のティーンエイジャーに向け紹介し、ロックミュージック誕生の大きなきっかけを作ったDJのアランフリードが収賄スキャンダルで失墜し、シーンの主役だったエルヴィスプレスリーが徴兵で2年間の活動休止を余儀なくされ(*1)、 チャックベリーは買春容疑で投獄、リトルリチャードはツアー中の飛行機不時着事件がきっかけで牧師に転身、そして極めつけはエルヴィスやチャックベリーに続いてロックンロールの次代を担う存在として期待されていたバディホリー、リッチーバレンス、ビッグホッパーらがツアー中に飛行機事故で亡くなるという大事件があった。

 こうして初期のプリミティヴでエネルギッシュな感触を持ったロックのアーティストが勢いをなくし始めた頃、シーンに新しい勢力として台頭してきたのがロック登場以前の洗練された伝統的な白人ポップスのマナーを守りつつもロックの登場にも影響を受けた新しい感性の若い白人アーティストによるカラフルなイメージのアメリカンポップスだった。

*1・・1950年代のアメリカには若者に対して徴兵義務があった。2次大戦後の東西冷戦の不安定な世界情勢を反映しており、後のヒッピーカルチャー出現のキッカケの一つになった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?