ロックヒストリー ロックの歴史 その4

ロックヒストリー ロックの歴史 その3 より続き

1960年代に入り、よりスマートかつスムーズになっていくロックシーンだったが、その人気をさらに効果的にブーストさせるようなムーブメントを業界が仕掛けるようになってきた。最初に訪れたのはツイストというダンスのムーブメントだった。

元は黒人のリズムアンドブルースのバンド、ハンクバラッド&ミッドナイターズのシングルB面曲として世に出た「ザ・ツイスト」という曲を発端に広まったムーブメントだったが、誰でも手軽に踊れるシンプルなダンスと軽快なサウンドが受け、TV番組「ディッククラークショー」がツイストのイメージを強く押し出したチャビーチェッカーのようなアイドル歌手を仕掛け、老若男女に広まり爆発的なムーブメントとなった。

ツイストの名が冠してあればとにかく何でも売れる、とばかりにツイスト関係のレコードが発売され、流行のポピュラー音楽とは一見無関係に思えるジャズミュージシャンまでもがツイストを意識した曲を出したり、何年も前の楽曲でもツイストが踊れそうな曲ならば寄せ集めてオムニバス盤を発売したり、ブームが過熱するに連れ雑なやり方が目立ち始め、ツイストに続くマッシュポテト等他のダンスステップも考案されたが、粗製乱造気味となったツイストブームは63年頃までには下火を迎える事になってしまう。

ロックンロールはそのルーツとなったリズムアンドブルースの時点で、若者がパーティで踊るためのダンスミュージックという側面も強かったため、このような形のブームが出現したのはごく自然な流れでもあったが、テクノロジーが進化し豊かな時代背景を反映して当時はまだ目新しかったTVというニューメディアと結びついてムーブメントの流行の規模をより大きく、スピードアップさせた事は60年代初頭ならではの現象だったのではないだろうか。




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