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【黒い砂漠】分岐するシナリオで見える同じ世界の異なるもの(ネタバレ編1)

韓国の「Pearl Abyss」が運営する『黒い砂漠』ですが、かなり出来のいいMMOながら1つ残念なところが。
ちょっと伝えベタというか、すとんと落ちる物語の作りじゃないんです。

わかりやすく言えば、わかりにくい。
というのも、そう複雑ではないものの歴史や政治まで絡む硬派な”剣と魔法の世界”が舞台になっている、いわゆるラノベっぽくない重厚な筋書きです。
『転スラ』と『十二国記』くらい違う。
いちばんMMOに手を出しそうな層にピンとこなさそうな感じです。
既プレイヤーにも「ストーリーわからんから見てない派」は多いようで。
なかなかの、つまずきっぷり。

たとえば..

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こちら序盤の舞台になる、セレンディア領ハイデルについて。

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こんな感じで説明はあるんですが、かなり断片的。
この、ジョルダイン・デュカスってひとが初見プレイで推奨されるメインのクエストでは重要人物キーマンっぽいんですね。
要所で差し込まれるムービーでそれはわかるんですが、あちこちで話を聞いたりして断片ピースを集めないと”なぜ?”がわかりません。
この動機なぜ?を知らないままムービーを眺めても、ちょっと伝わってこない。

開始直後、バレノスという土地にある遺跡の1つでもある古代の石室で目を覚ますプレイヤーですが、すっかり記憶を失って倒れていたところを遺跡の調査に訪れていたエダンという男に助けられて..

無題

と、この調査隊を率いていたのが”ジャレット・ドモンガット”お嬢様。
ハイデルという都市の領主クルシオ・ドモンガットの末娘です。
産出される天然資源”黒結晶”に目をつけた大国カルフェオンに攻め込まれ、陥落したハイデルの城から救出された、ドモンガット家で唯一の血筋。
このとき彼女を助けたのは、話を進めると出てくる西部警備キャンプにいるクリフ隊長でした。ちなみに領主クルシオ・ドモンガットも城が落ちる前に人質として捕らえられていたおかげで生きています。
かなり男気溢れるひとなのか、人質になっても自らの命を顧みず徹底抗戦の姿勢を崩さないよう言明していたとか。これに折れたカルフェオン側は降伏勧告から終戦条約の申し入れに切り替えますが、内容はハイデルからすれば惨憺たるものでした。それでも争いが終わるのであればと申し入れを受けたことで、大国カルフェオンとの戦争は幕を閉じました。

そんな領主の末娘の婚約者が、ジョルダイン・デュカスです。
カルフェオンが招いた戦乱で両親を亡くして、ハイデル軍へ入隊。
めきめき頭角を現し、クリフ隊長の推薦を受けて領主の侍従長になります。領主の覚えも良く、未来の領主としても知られ始めています。

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ただ、このジョルダイン・デュカスは復讐のひとなんですね。
両親を亡くし、カルフェオン憎し。
さらには、カルフェオンに攻め入られて大敗したものの、ハイデルは発展を遂げ、活気をとり戻しつつあります。カルフェオンの商団組織を中心にして商圏が拡大した影響ですが、富は搾取され、資源はカルフェオンへと流れているのもジョルダインにはおもしろくありません。
ただ、これは終戦条約に”交易と外交はカルフェオンを通すこと”や”産出した黒結晶はカルフェオンに納めること”などが盛り込まれているためで、異議を申し立てるのは難しくもあります。

ここまでは序盤の押さえておきたいところ。

で、ようやくと記憶もなく放り込まれた冒険者プレイヤーについて..
そろそろ終わらせたい序盤ネタバレ完結編(予定)に続きます。