読書の集中力(Pさん)

 最近、ぜんぜん集中力がなくて本が読み通せない。
 こんなだっただろうか?
 前に、「ドグラ・マグラ」を四日、「虚航船団」を二日くらいで読んだ記憶があった。それがいちばん集中して本を読んでいた記憶である。青春期だった。
 コードウェイナー・スミスなどを読むときも、かなり根詰めて読んでいた記憶がある。SFを読んでいた頃は、本当にタイムトライアル気分で読んでいた。時間とページ数を計りながら読んでいたこともあった。その頃は、割と計測主義だった。
 確かに、計量的に読むのは今考えると良くなかったかもしれないが、しかし、割と今頭の芯に残っているのは、そういう頃の読書の記憶だったりする。
 これを、定量的ではなく、実存的に? 表現するとしたら、なにかに「浸り込む」というのに近いかもしれない。
 なにを何時間に幾ら、というのではなく、気がついたら、腰まで浸かっていた、というような経験を生み出すのが、きっといいのだろう。

 関係ない話。ユーチューブの動画で、あることはわかっていたが、道路をひたすら走るというのを、十時間近くアップロードしている人がいた。何がというわけでなくても、眺めていると面白い。ものすごく長い区間で工事をしていたりする。
 あれを、暇になったら眺めていようと思った。

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