積ん読について(Pさん)

 先日、ツイッターで、「本は未読の本を集めてこそ意味がある」というようなことを言っている人がいた。
 僕は、積んでいるような本は、なくてもよいと思う。今、積む、ということは買っていても読んでいない本があるということは、買ったときに買う必要がなかった本だということだ。
 何ヶ月単位で置いてあってそのうち手をつけるのならまだしも、何年か読まずに置いてある、ということは、本質的にいらない本であったということだと思う。
 しかし、現実的には、そんな本は減らずに増えるばかりである。それは、基本的には単なる怠惰であって、ひいき目に見てその人が、金やスペースの問題をなんとも思っていないなら何でもないのかもしれないが、決して誇るべきことではないと思う。
 この「誇る人」の精神は、いわゆる、テスト勉強してない自慢をする学生と同程度なのではないか。
 コレクターだと、完全に言い切るのならいい。その本は希少だから、あるいは持っているだけで価値がある、中身を読む必要がない、というなら。しかし、その人は、本を読む上で、読んでいない本が多くあってもそれが自分によい効果を生むかのように言っていた。繰り返しになるが、僕はそんな風な、見ているだけで効果を発するようなものでは本はないと信じている。
 この、裏にうしろめたさや見栄などが隠れていそうなさまも、テスト勉強してない自慢をする学生と、似た構造なんじゃないかと思う。

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