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〈糊がけについて〉

私の所で織っている葛布の帯地には全て葛粉の糊がかかっています
葛布に葛粉で糊をかけることは、葛布の伝統的な産地・静岡で教わりました 葛粉は奈良吉野のもの
蔓と根とが離れ離れにそれぞれ別の工程を経て 布の上で再び出会う 
私は糊がけの度に 絵本・長谷川義史の『じゃがいもポテトくん』をいつも思い出しては 葛も喜んでいるのかなぁと 想像を膨らませています
もしも葛の葉で染めた糸を使えば 蔓、根、葉 が揃います その構想は今心の中であたためています

糊がけといっても一般的に想定されるような「ハリ」を出すためではありません 経糸と緯糸を馴染ませることと、ほんの少しの撥水性を持たせるためで、ほんの少量です。糸の保護にも繋がるかなと思っています

葛粉の糊は水洗いしても落ちないと聞いたことがあるのですが、私の個人的な感覚では、経年により、または使用や水洗いにより、少しずつ落ちていく感じがします

糊成分がなくてももちろん帯としてご使用いただくには問題ありませんが、布を切らずに仕立ててあり接着芯などを使っていない場合に限り、糊がけをし直し仕立て直すことも可能ではないかと思っています しかし やったことが無いので

今年は私の手元にある帯で試してみようと思っています 結果をまたレポートします

その他 葛布の帯のお手入れについて これも完全に私の独断によるものではありますが、webサイト内にまとめてありますので ご参考にしてください

https://kuzunonuno.com/how-to-care/

ご縁あってお手元に届いた帯、末永くご愛用いただけますように

葛布八寸帯地 無地 「blanc」

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