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手稲の色

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手稲の色リスト。随時追加、更新しています。
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#帯

野葡萄

うちの敷地内にある野葡萄 秋に色づいた実を採って野葡萄チンキを作るのだけど とにかく生育欲旺盛で夏にどんどん伸びる蔓は染料にならないものかとずっと思っていた 茎は赤く いかにも染まりそうな風貌 剪定したのはこれ↑より少し前、どんどん伸びる蔓を採って、試しに染めてみることにした 染料の量が少なめで、媒染液濃度も薄めにしたが、相変わらず絹は濃く染まる  緑がペースにあるグレー〜黒に近い濃い色 イタヤカエデ染めの色と系統は似ている とても綺麗な色 野葡萄の実は肝臓に効

ゲンノショウコ

昨夏(2020)採取した庭のゲンノショウコ 乾燥して保管したものを染料として座繰り糸と葛苧を染めた ゲンノショウコはアイヌ語で「ponrayta(ポンライタ)」 お腹の薬として用いていたようだ 糸を触っていると手がスベスベになってくる。皮膚を修復する薬効成分は染色でも生きているのかもしれない。 絹は艶かしい茶の中に赤の潜む濃い色に染まる。 葛は赤紫を含んだようなマットなグレー。 鉄媒染

繊維を取るための蔓を採取するときには葉を落とします その落とした葉を集めて染料とし 絹・座繰り糸を染めました 経糸の絹糸を葛の葉で染め 蔓から取った繊維を緯糸に 布を織り 仕上げに根から取れる葛粉の糊をかけると 一度離れ離れになった葛の 葉、蔓、根が 布となって再び出会い混ざり合う アイヌ語で葛のことをオイカラ(oykar)と言うそうです 『oykar(オイカラ/葛)』というタイトルの帯地を間もなく織ろうと思っています

蕗の薹

今年最初の染めは蕗の薹(フキノトウ) 冬の間雪の重みで固まった落ち葉を突き破って出てくる柔らかい緑は半年間白一色だった私達の目にはとても鮮やかで 採りたい食べたいと思うのはもちろんのこと 染めたいと思うのも本能的な感覚なのではないだろうか 経験上 食べて美味しいくらいの芽吹きの頃に採取すると少し緑に近い黄色に染まり トウが完全に立つ頃に採取するとより黄色味が増す 今回はその中間、花の咲き始めの頃のものを採取した  ふきのとうの花は甘く良い香りがする 煮出した時の苦味の