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ソフトウェア資産分析 ~ 弁護士ドットコム

さて、今回はソフトウェア資産分析シリーズです。

コロナの影響で注目された企業、株価が上昇している企業などのニュースもよく目にします。

今回とりあげる企業は、コロナの影響で注目されている電子契約サービスの『クラウドサイン』などを提供している弁護士ドットコムです。

このようなテレビCMもやっていましたね

特に、電子化については世の中的な注目を浴びたこともあり、色々な議論を呼びました。それに対して、行政サイドの動きもありました。

このように、今後の電子化社会へ向けて注目されているサービスの1つといって良いでしょう。

さて、ではこういった電子プラットホームなどのサービスを提供しているということで、ソフトウェアがどのようになっているか、みてきましょう。

事業内容

すでに上記で色々述べてきたので、事業内容についてはあまり説明する必要はないかもしれませんが、弁護士ドットコムは社名にもなっている『弁護士ドットコム』をはじめとして、税理士ドットコムや上記で触れたクラウドサインなどの事業を行なっています。

(どうでもいい話ですが、弁護士ドットコム、税理士ドットコムときたら、弁理士ドットコムとか司法書士ドットコムとかもないのかな、とか思ったり)

決算状況

この会社は決算期が3月なので、2020年3月期が直近の年度決算です。

スクリーンショット 2020-07-02 18.39.40

売上は前期比で順調に伸びていますが、利益の方は少し下がっている感じです

こちらは決算説明資料です

スクリーンショット 2020-07-02 18.52.29

広告宣伝費を大きく踏み込んだため、費用が増加して利益を押し下げたことがわかります。

ソフトウェアの状況

さて、それでは、こういった事業を行なって売上も伸ばしている会社がどのようにソフトウェア処理をしているのかをみていきましょう。

資産図1

BSには「ソフトウェア」と「ソフトウェア仮勘定」合わせて、2.7億円ほどの資産が計上されています。前年度末から比較すると1.9億→2.7億なので、0.8億円ほど増加していることになります。

附属明細はこちらの通りです

附属明細sw

増加要因が「社内利用自社制作ソフトウェア」としての記載だけなので具体的にどのサービスのものかはここからでは判断できません。

しかし、決算説明資料や動画などでも言及しているようにクラウドサインには投資しているとのことなので、クラウドサインがソフトウェア増加の大きな要因ではないでしょうか?

今後提供予定のサービスについても触れらているので、そのサービスの制作費用も入っているかもしれません。

また、この会社は個別財務諸表で、売上原価明細があるのでそちらをみてみます。

売上原価図1

他勘定振替でソフトウェア・ソフトウェア仮勘定への資産計上をしている処理ということがわかります。

(附属明細の増加金額と、他勘定振替の金額が合わないのは、外部購入のソフトウェアとかがあるからでしょうかね)

そして、税効果会計の注記はこちらの通りです。

税効果

「減価償却費」で項目がまとまっているので、これだけだとソフトウェアの処理についてはよくわからないです。

以上のように、この会社は、売上を順調に伸ばしつつ、クラウドサインには広告宣伝費を大きくかけたりしてユーザー獲得に向かっています。そして、サービスの充実という意味でもソフトウェア投資を拡大させて、既存サービスの強化や新規サービスの制作を進めているというところでしょうか。

冒頭にも書いたように、社会が紙から電子化へと向かう中で同社の提供するサービスは需要が大きくなっていくものと考えられます。それに伴って自社サービスのソフトウェア投資を拡大していく可能性も高いと思います。今後の動向に注目です。


おまけ

以下、有料にしていますが、ソフトウェアとは関係ないおまけの話です。興味ある方だけ見てもらえればと。

売掛金明細を見て感じたことなどをちょっと感想的に書いているだけです。

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