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米澤穂信 『氷菓』 読書感想

こんにちは、ジニーです。

暖かくなってきたかと思ったら、また寒くなってきましたね。
風邪などひかないように普段から気をつけていきたいですね。

今回の読書感想は米澤穂信さんの「氷菓」です。
これまで米澤さんの作品は「満願」や「儚い羊たちの晩餐」など、なかなか重めの、いわゆるイヤミス系が多かったのですが今作はアニメ化もされたポップな作品です。

■作品の簡単な紹介

舞台は岐阜県の高校。
神山高校という学校に通う、折木奉太郎(オレキホウタロウ)が主人公です。

はるか遠い異国の地から届いた実の姉からの手紙で古典部に入部することになった奉太郎。
時を同じくして古典部に入部した女子生徒、千反田える。

この出会いから奉太郎の高校生活は、彼を取り巻く古典部にまつわる謎解きライフに変わっていきます。

■日常の謎系ミステリー

作品は連作短編という形になっていて、一つの話に一つ、いわゆる日常の謎が出てきて、その謎解きをするという流れになっています。

ただ、連作短編なので、全編を通しての謎もしっかりと用意されており、最終的にその謎が明かされていく形となります。

読み終えてみると、なるほど、「氷菓」というタイトルの意味がわかってきます。
ネタバレにはならないので少し具体的な話をすると、この「氷菓」という言葉は古典部の文集のタイトルです。
文集そのものもは30年近く前の古典部が編成したものであり、その時、古典部に起こった謎を解き明かしていきます。

■アニメ化するだけあってライトな読みやすさ

ライトノベルにも感じるような、非常に読みやすい作品でした。
ページ数もそのまで多くはなく、さっくりと読める感じですね。
読書があまり得意ではないという方でもとっつきやすいと思います。

ただ、無気力系男子の皮肉でシニカルな言い回しや考え方が中心になるため、そのが受け入れられないという相性はあるかもしれませんね。

いずれにしても、「満願」などとは違う、米澤さんの新しい側面を見れたような気がします。
色んなタイプの作品を書けるというのは作家さんとしての大きな武器でもありますね。

なお、氷菓は「神山高校」シリーズとして続くようですので、折を見て、他の作品も読んでみようと思います。

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