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#374 「ビジネス頭の体操」 7月28日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


7月28日(水) がんの原因、肝炎のキャリアは200万人!?

2010年5月の世界保健機関(WHO)総会で7月28日を世界肝炎デーとすることを決議した「世界肝炎デー」です。2004年にヨーロッパと中東の患者のグループが10月1日の「国際C型肝炎啓発デー」として始めたのが始まり。

肝炎
耳にはしますが、どのような病気なのでしょうか?

厚生労働省「知って、肝炎」というHPによると、肝臓は、人間の体内で最大の臓器。消化管から取り込んだ栄養を利用しやすい形に変えたり、毒物を分解したり、体内の物質のバランスを維持したりなど、生命を支えるために重要な多くのはたらきを担っています。この肝臓の細胞が壊れてしまった状態が、肝炎です。
肝炎には、原因により、ウイルス性(A 型、B 型、C 型、D 型、E 型など)、薬物性、アルコール性、自己免疫性などの種類があり、このうち、ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスに感染することによって起こります。


ウィルス性肝炎には以下のようなものがあります。

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WHOが「世界肝炎デー」の対象としているのは、慢性化し放置すると肝がんや肝硬変となりうるB型とC型ウイルス性肝炎です。全世界でB型肝炎ウイルス感染者(体内にウイルスがいる人)は20億人、B型肝炎の罹患者(肝炎を発症している人)は5億人とされ、C型肝炎罹患者は1500万人に上ると試算されています。また年間150万人がB型、C型肝炎に関連して亡くなっていると推計されています。
(出典:同友会グループHP


厚生労働省によると日本のB・C型肝炎のキャリア数は200万人〜250万人と推定され、患者数は49万人にもなります。

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肝炎は肝がんの原因の80%を占めると言われており、「沈黙の臓器」と言われる肝臓は自覚症状がないまま病気が進行してしまうという点で恐ろしい病気です。
そのため、WHO、そして厚生労働省ではウィルス検査を受けることを啓蒙活動しており、その一環として「世界肝炎デー」が設けられている、ということになります。

ちなみに、厚生労働省「2020年人口動態統計月報年報の概況」によると、ウィルス性肝炎による死亡者数は2,201人、肝がんによる死亡者数は24,839人、となっています。
2020年の死亡数が1,372,648人ですから、割合は2%にも満たないことになりますが、無症状のうちにウィルス検査を行い、治療をすることで防止できる病気です。

厚生労働省では各自治体における肝炎ウィルス検査の実績を毎年公表しています。令和元年度の実績では、B・C型合わせて検査は54万人に実施され、陽性率は0.4%ほどとなっています。

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→肝炎。自覚症状がない病気というのは他にもあるが、予防や治療が可能なものも多く、国などの啓蒙活動は多くの予算を投じて行われている。一方でその効果には疑問もある。もっと少ない予算でリスクを正しく認知してもらうためにはどのような方法が考えられるだろうか?



なお、肝炎に関しては、以下の投稿の2月26日「血液銀行開業記念日」で、「ライシャワー事件」によって売血による輸血から肝炎にかかることが大きな問題になったことを献血制度の変遷とともに取り上げました。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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昨年7月からこのような投稿を続けてきてほぼ1年になります。以下のマガジンにまとめてありますので、お仕事を離れて頭の体操をしたいときに覗いてみてください。


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