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#394 「ビジネス頭の体操」 8月25日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


8月25日(水) 即席めん、日本では年○○億食食べられている!?

1958年(昭和33年)のこの日、世界初の即席ラーメンである「チキンラーメン」が日清食品株式会社より発売された「即席ラーメン記念日」です。
うどん1玉6円だった当時1袋(85g)35円と高価だったが、熱湯をかけて3分後には食べられるという手軽さがうけて、爆発的なヒットとなった。


即席ラーメン。
国民食と言っていいほど馴染みのあるものですが、実際どれくらい売れているものなのでしょうか?

一般社団法人日本即席食品工業協会によると、2020年度の即席麺総需要
☑️ 数量ベース:59億7,523万食(前年度比4.5%増)
☑️ 出荷額ベース:6,317億100万円(同4.1%増)

となっています。

内訳は以下の通り。カップ麺が65%を占めています。

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食料産業新聞によると、巣ごもり需要で特に袋麺の需要が伸びたことが分かります。袋麺の需要は以下の通り。
☑️ 数量ベース:20億1,909万食(前年度比17.7%増)
☑️ 出荷額ベース:1,538億8,500万円(同20.3%増)

逆にカップ麺は微減となっています。
☑️ 数量ベース:39億5,613万食(前年度比1.1%減)
☑️ 出荷額ベース:4,778億1,600万円(同0.2%減)

ちなみに、世界ラーメン協会によると世界では2020年1年間で1,165億食(!?)消費されています。

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国別では以下の通り。
日本は5位、ですね。

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昨年2020年度の数字をご紹介してきましたが、『「即席めん」の消費者動向の経年変化に関する調査』によると、1958年から2019年までの「年別即席めん生産量推移」は以下の通り。

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即席めん市場は細かい増減はあるものの長期では成長してきたことが分かります。


最後に、業界最大手日清食品の決算(2021年3月期)をみてみましょう。

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☑️ 売上高:5,061億円(前期比7.9%増)
☑️ 営業利益:555億円(同34.6%増)

と絶好調です。

今回テーマの即席めん事業では、
☑️ 売上高:2,432億円(前期比2.2%増)
☑️ 営業利益:354億円(同18.9%増)

となっています。

日清食品の決算資料で興味深かったのが、「未来の食」という新規事業の手掛け方で、既存コア営業利益の5−10%を継続的に投下すると宣言していることです。

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そして、既存事業が頭打ちになっても新規事業が新たな成長をすることで持続的な利益成長が図れる、という絵を示しています。

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よくある説明、と言えばその通りなのですが、身近な食品メーカーである日清食品の今後を見る目が変わりそうです。


→成長している即席めん市場で高いシェアを持つ日清食品はどのような危機感で新規事業に取り組んでいるのだろうか?また、新規事業はうまくいくだろうか?いくとしたら何が市場に受け入れられるから、となるだろうか?



最後までお読みいただきありがとうございます。

皆様の頭の体操のネタになるところが1つでもあれば嬉しいです。

昨年8月からこのような投稿を続けてきて1年過ぎました。1周したのでもうそろそろやめようと思っていますが、これまでの投稿を以下のマガジンにまとめてありますので、お仕事を離れて頭の体操をしたいときに覗いて見てください。


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