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#226 【調査結果】すれ違う、上司・部下間のコミュニーケーション

リクルートマネジメントソリューションズさんが今月の22日に公表した「上司・部下間コミュニケーションに関する実態調査」の分析を読んで、思ったことをメモ。


1、すれ違う上司と部下。

テレワーク環境下における上司・部下間のコミュニケーションの実態を明らかにするために、昨年9月にリクルートマネジメントソリューションズが、443名の一般社員、286名の管理職を対象に実施した実態調査です。

さまざまな項目があるのですが、まずは、どのようなコミュニケーションが十分か尋ねた結果を、一般社員と管理職とに分けて集計した結果をご紹介します。

なお、数値は、グラフ下注記の通りですが、6から1の6段階での回答の平均値です。

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青線が一般社員、赤線が管理職ですが、乖離が大きいものは、

☑️ 担当する仕事の意味について説明すること(0.36差で上司が高い)
☑️ 世間話やプライベートに関する雑談をすること(0.34差で部下が高い)
☑️ 仕事や職場の課題について、あなたの意見やアイディアを求めること(0.26差で上司が高い)
☑️ あなたに期待をかけていることを明確に伝えること(0.24差で上司が高い)
☑️ あなたの間違いや足りない点を指摘すること(0.23差で部下が高い)

となっています。

最も差が大きい項目が、仕事に直結する内容ですね…
だからジョブ型を導入する、というのだとしたら、なんか違う気がするのですが…

2番目は、分かりますねぇ。「テレワークでは雑談が大事」とかどこかで読んで、やたらと家族のこととか映っている部屋のこととかで雑談しようとする、というヤツですね。もういいですよぉ…となっているのを反映した乖離でしょう。

3番目は、VUCAな環境下では大事な要素のはずですが、残念ながら、乖離があります。上司は求めていると思っているのに、部下は求められていないと思っている、ということですから、勿体無いですね。

4番目は、心理的安全性に効いてきそうな項目ですがやはり乖離があります。不幸なミスコミュニケーションが発生していそうです。

最後は、いわゆる注意や指導ですね。上司は遠慮している、部下は十分と思っている。これもすれ違ってますね。お互い密かにストレスを溜めてそうです。


2、言いたかったのに言えなかったこと。

次に、フリーコメントで、「上司に/部下に、本当は言いたかったのに言えなかったこと」を聞いている中から、一部をご紹介します。

まず、上司に対して言いたかったのに言えなかったこと、です。

☑️ 毎週やる1on1があまり意味ないのでやめたい
☑️ 一度伝えたはずのことを繰り返し確認される
☑️ 聞くとなぜ分からないんだと説教されるので聞かない
☑️ 自分の話ばかりで話したくなくなる

いやぁ、切ないですねぇ。セツナイ…


次に、部下に対して言いたかったのに言えなかったこと、です。

☑️ 一度依頼した作業をやってくれないが何度も言いづらい
☑️ 早めにやってほしいと言えない
☑️ 頑張ったがミスをした場合、自律的に活動した良さを評価したくて指導をためらう
☑️ もう少しこまめに業務の進捗の報告・相談をして欲しい

…あれ?なぜか先ほど感じた切なさがあまりありません…

なぜ部下に言うことを言えないのでしょう?

この調査では、言いたいことが言えなかった理由も聞いています。
上司の理由で多いのが以下の4つ。

☑️ できる限り、部下の判断に任せたいから(18.9%)
☑️ 部下の気分を害するから(18.9%)
☑️ 話すタイミングがなかったから(16.8%)
☑️ 対面で会う機会がなかったから(15.0%)

うーん…

最初のは分かりますが、だったら「言いたくて言えなかった」ではない気がします。言い訳?

2つ目は、上司の仕事を放棄している気がします。

3つ目、4つ目って理由になるのかなぁ…


3、まとめ

いかがでしたでしょうか?

結果を見ると、正直、テレワークだから、ということだけでなく、そもそも、仕事の進め方が、オフィスという場を共有していることに甘えた、曖昧なものだったことに起因しているように思います。

例えば、「仕事の意味について」の乖離は、以前からあったのではないでしょうか?

それでもなんとかなっていた、とすれば、同じ場にいることで、分かってなさそうであれば、都度指導していたからではないでしょうか?

つまり、そもそも一発できちっと伝える能力がない、ということです。

「タイミングがなかった」「対面で会う機会がなかった」というのがありましたが、これは、これまで「思い付き」でコミュニケーションしていたことの裏返しだと感じます。

昨年の7月の自分の投稿を思い出したのですが、Microsoftのテレワークの調査を受けて、私自身の時間配分がどう変わったかを計測した結果を投稿したことがありました。

詳しくはその投稿をご覧いただくとして、結果としてはミーティング全体に占めるコミュニケーション目的のミーティングの割合は9%から24%に増加していました。

これは、完全テレワークに移行して、わざわざ会議設定しなくても、呼び出さなくても、話ができる機会を作る目的でミーティングを設定したからです。

やり方はさまざまでしょうが、工夫で「タイミング」も「会う機会」も作れるはずです。

現在は、「きちんと伝える/伝わる」コミュニケーションと場の設定を身に付けることが求められています。

その時、前提として、上司が言ったところで部下に思うようには伝わらない、ということは、認識しなければなりません。

だって、部下だって上司に対して「一度伝えたはずのことを繰り返し確認される」わけですから。


最後までお読みいただきありがとうございました。

どこか参考になると頃があれば嬉しいです。

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