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本紹介:『漂う子』

こんにちは、くつばこのうたです。ここ最近、暑すぎてアイスを一日に2本とか食べてしまうことが多いです。太りそう…。
今日は『デフ・ヴォイス』の筆者である、丸山正樹さんの本である『漂う子』を紹介したいと思います。

☆漂う子とは?

「漂う子」、この表現はあまり一般的ではないと思います。この本では、紗智ちゃんと言う子がすぐに登場し、そこから、「帰る家などの居場所がない子」のことだと本を読んでいくとすぐに気付きます。でも、「漂う子」はこの意味だけではないと思います。この本には最初にわかる「漂う子」以外にもたくさんの「漂う子」が出てきます。「漂う子」を探しながら読むのも面白いと思いますよ。

☆テーマは?

『デフ・ヴォイス』にははっきりとしたテーマとして「ろう者」がありました。そして、『漂う子』では「居所不明児童」がテーマになっています。居所不明児童とは住民票を移していないのにも関わらず、1年以上どこかに行ったまま帰ってこなくて居場所が不明な児童のことです。それ以外の細かいことは本を読んで欲しいのですが、丸山正樹さんのテーマは「身近に実はいるかもしれないけど、目を向けてなかった存在」を知ってもらおうな気がします。

☆貧困とセット

「居所不明児童」は当然ですが「貧困問題」とセットになっています。「居所不明児童」の多くの親は貧困層です。当然僕の心に思い浮かぶことといえば、前にnoteにも上げたRちゃん。多分この本に出てくるほどまで困窮しているわけではないと思います。多分…。でも、中高の僕の周りにいた人達よりもだいぶ近くにいたと思います。世代間の貧困の連鎖の問題を個人的には強く意識することになりました。

☆伏線などもいっぱい

『デフ・ヴォイス』もそうでしたが、後から振り返ると伏線がたくさん散りばめられているのがよくわかると思います。後半になるにつれて、「そういうことだったのか!」となったり、「ってことは、こっちはこういうことかな?」とどんどん読み進めていくことができます。もちろん、テーマは『デフ・ヴォイス』同様重いものですが、読み終わった後に暗い気持ちになるわけではないところが良いと思います。もちろん、居所不明児童を知らなかった能天気な感じになるわけではないですが、暗い気持ちをずっと長引かせるような作品ではないと思います。

YouTubeとかをだらだらと見てるだけの生活で、生産性のある活動をしたいな、とか思った時には『漂う子』を読んでみると自分の持っていた世界観を少しでも変えてくれると思います。もちろん、当事者の人と触れる経験以上の事はないと思いますが、本を通してそんな世界があるってことを知るだけで、少しは見る目が変わった気がしませんか?


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