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フランス手話を広めるのは悪?

こんにちは、うたです。あと一週間で夏休みという気力だけで、課題をこなす日々です。
昨日LSAFについてざっくりと説明したので、今日は現状の問題点とかについて話していきたいと思います。

☆フランス手話の流入

ここ十数年、フランスのNPOが中心となって、旧植民地の国々にフランス手話を導入するようになってきました。これは、先進国で1990年代から手話文化を大切にしよう、手話を使って教育をしようという風潮ができたことがきっかけです。これにより、LSAFを使って授業をする学校とフランス手話を使って授業をする学校の両方が誕生することなりました。さらには、LSAFを使って授業をしていた学校が、健聴者の校長先生によってフランス手話を教えるように変わることもあるそうです。

☆フランス手話とLSAFに混在の問題

LSAFとフランス手話が混在することで困ったことがあります。まずは人材育成。フランス手話を覚えて手話通訳できるようになったと思ったら、LSAFしか使えない人の通訳が出来なくて困った。要するに2つの手話を使えなければ、ろう者全員の通訳は出来ないですね。また、LSAFしかできないろう者はろう学校の先生をやめなくてはいけなくなってしまうなどの問題もあります。テレビの手話通訳は本当は両方しなくてはいけないが、コストの関係もありフランス手話のみであったりするなど、ろう者にとっては大きな悩みの種になっています。

☆フランス手話のメリットとLSAFのメリット

フランス手話は、音声フランス語の教材がたくさんあります。これによって、地域の健聴者が学びやすくなっています。健聴者の校長先生がフランス手話に統一したくなるのもわかりますね。他にも継続的なフランスからの資金援助や多数のフランス人ろう者という存在もメリットです。逆に、LSAFにはアフリカの幅広い国々で使われているというメリットがあります。また、使っているろう者がすでにたくさんいるので、ろう学校先生として、ろう者が社会進出しやすくなることもメリットです。

☆LSAFを浸透させ続けるには?

宗主国が「先生」で、アフリカの国々が「生徒」の関係を変えるためには、フランス手話は良くないと思われます。これを防ぐためには
・LSAFを使う国々で協力して、音声フランス語の教材を作る。
・音声フランス語を使う国々(カナダのケベック州やベルギー、コートジボワールなど)でもフランス手話は使われていないことを広め、LSAFに研究や国際的な目を向けてもらう
の2つが必要になってきます。

☆最後は当事者達がきめる

LSAFを浸透させることが絶対に正しいわけではありません。なぜなら、フランス手話を話す子供達が実際にアフリカ中部で生活し始めているからです。だからこそ、当事者でない私たちは自分たちの利益を優先したりしないように注意して、客観的な情報を当事者が決める材料にしてもらったり、議論のきっかけを作る程度にとどめることが必要だと思います。これはろう者であるフォスターと現地の人で作ったLSAFが上手くいったことがいい例だと思います。

☆最後に

目を使わないで実験しようと同じように、高校の時のまとめをそのまま引用して終わりたいと思います。

これは手話、ろう者に対しての時だけの問題でなく、先進国が行う開発援助にもあてはまり、自国の利益だけを追い求める結果になってしまうようなことがないように、最終決定権はきちんと被支援国が持っている必要がある。そして最後に、アフリカの人々は支援される側ではなく、アフリカのろう者に支援する側にもなるので、このことは先進国の人たちだけでなく、全世界のひとも忘れてはいけないと思う。

これは地理の課題だったのでこのようなまとめになっていますが、これは障害者支援全体にも当てはまるじゃないですかね。当事者を忘れた議論を私たち健常者はしてしまいがちですが、最終的に当事者がどのような評価軸を使って意思決定をするかのサポートに徹するのが大事だと思います。


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