僕と速読

 僕は文章を読むのがすごく遅い。休職中に付き合いはじめた3人目の彼女は読むのがとても速い人で、そのあまりの速さが面白くなってきてしまい、読書対決を挑んだことがある。又吉直樹の『火花』という小説(双方未読)を10分間で何ページ読めるかという対決だ。その結果、僕は彼女におよそ12倍の大差をつけられ完敗した。小説の内容についても話し合ったが、彼女の方が僕より作品を理解しているように思えた。
 その後「この小説面白いから貸して」と言われて貸したが、結局1時間もしない間に読み終えて置いて帰ってしまった。僕の中では文庫の小説といえば1週間から1ヶ月くらいかけて少しずつ読み進めるものという認識だったので、「借りるって持って帰るってことじゃないのか」と愕然とした。
 思えば僕が学生時代に英語や国語よりも数学を得意としていたのは単に問題冊子の厚みが圧倒的に薄かったからというだけのことなのかもしれない。特にセンター試験の英語と国語(あと一部の社会も)。あれは80分や60分で読める分量ではない。英語に関しては大問が6つあったが、僕はどう頑張っても3つしか解けなかった。なので200点中100点を超える成績をとったことがない。国語に関しては母国語なので目で追うだけならできなくもなかったが、目で追っているだけでは意味がわからず、こちらも200点中100点を超えたことはほとんどない。ただ、国語に関しては4つの大問のうち2つをテキトーに回答し、残りの2つを意味がわかる程度の速さで読むことで100点を超える場合がある(4択問題のためテキトーに回答した部分も1/4は当たるから)ことに途中から気が付き、古文と漢文を勉強するのをやめた。
 もちろん、これらの結果は彼女が超人的な能力の持ち主で、高校時代の僕が不勉強であっただけのことかもしれない。しかし、そういえば大学時代に小学生向けの個別指導塾でバイトをしていたとき、小学4年生の男子に国語のワークを解かせながら同じ問題のリード文を読んでいたら、僕が読み終えるより先に彼は問題まで全部解けていた。小4の彼は標準的な成績だったし、その塾も進学塾ではなく、どちらかといえば学校の勉強についていけない子向けの塾だった。
 やはり、僕は読むのがかなり遅い部類なのではないだろうか?

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